ストローで飲むようになったのはなぜ?最初の飲み物はまさかの?チコちゃん
25年11月21日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜストローで飲むようになった?』の答えなどまとめてご紹介。ストローで飲んだ最初の飲み物は今ではなかなか無いまさかの?
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】鈴木浩介、ぱーてぃーちゃん信子
【VTRゲスト】なし
なぜストローで飲むようになった?
1問目の出題は、
なんでストローを使って飲むようになったの?
チコちゃんの答えは、
ビールを美味しく飲むため
解説はメソポタミア考古学教育研究所の小泉龍人代表。
人類史上ストローが使われ始めたのは今から5000年以上前の古代メソポタミア文明の基礎を築いたシュメール人がその発明者というのが今の定説。
そもそも古代メソポタミア文明とは現在のイラク南部チグリス・ユーフラテス川流域に栄えた古代文明で楔形文字、数学、車輪、天文学法律などの革新的な技術や文化を生み出した人類最初の高度な都市文明を指し、そんな文明を築いたのは目が大きく眉毛が繋がった外見が特徴的とされるシュメール人。
そしてこの文明では古くから神殿で行う儀式においてワインをお神酒として王様や神官たちに飲まれていましたがワインの原料となるぶどうは雨が降る山間地などで栽培されるため気温が高くて乾燥したシュメール地方ではなかなかぶどうが手に入りづらいという問題点。
そこで解決策としてぶどうの代わりに身近な作物として大麦に着目したシュメール人は大麦を使ってお酒造りを行い、そこで生まれたのがビール。
スポンサーリンクこの時代のビールの作り方というのは大麦の麦芽で作られたパンであるバッピルと麦芽をおかゆのようにして乾燥させたマッシュを水と混ぜて麦汁を作り、そこに少量のハチミツとワインを加えて発酵させるという製法で、その作り方から察するに味は現在のビールよりも甘くてアルコール度数も低い飲み物だったとか。
こうして出来上がったビールは大きなツボや瓶に入れられていましたがその表面にはバッピルやマッシュに含まれていた大麦の殻が大量に浮かぶという今のビールとはかなり見た目が異なる飲み物。
当時は保存技術もまだ未熟だったせいでビールの水分や匂いにつられて多くの虫が集まって来て、表面には虫や大麦の殻などの不純物が多く浮かぶ状態が普通でさらにはフィルターで濾す技術もまだまだ発達していなかったせいで余計にビールはゴミだらけというのが普通の時代。
また、ビールを飲んでいる最中にも虫がひっきりなしに集まって来ていたハズでこれではビールを楽しめないと彼らが目の付けたのがビールの原料になった麦のワラやあしのような中が空洞になった植物の茎。
例えば大麦の茎であればその直径は約4mmと細く、これを通じてビールを飲めば虫やゴミを一緒に飲まなくて済む事に気付いた彼らはこうした自然のストローを使い出したというのがストローのはじまりの物語。ちなみにストロー(straw)は麦のワラという意味の英語で、この誕生エピソードがその語源といわれていたり。
実際にシュメール人たちが残した古代都市遺跡のウルにはストローを使ってビールを飲む様子が描かれていて、さらには紀元前2600年ごろのウルの女王の墓で発掘されたストローは長さ約95cm、直径約1cmのシロモノで銅製の管に金箔と青色のラピスラズリが装飾として施されていて特権階級に許された豪華なマイストローも発見されており、その人物が亡くなった際には埋葬品として一緒にお墓に収められたという記録も。
その後にメソポタミアの主要都市では庶民もビールが飲めるように居酒屋も誕生して、ストローで飲むビールでリラックスといった事も行われていたとか。
スポンサーリンクつまり人がストローを使って飲むようになった元祖は古代メソポタミア文明のシュメール人たちがビールを飲む時にゴミや虫を避けて上手く飲むための知恵だったというまとめ。
ちなみに時代が経て不純物をフィルターでろ過する技術が発達してくるとビール用のストローというのはもはや過去のものとなり、そこからはストローが使われない時代が長く続き、その後12世紀ごろのヨーロッパでカトリック教会の儀式の際にワインをこぼさないようにストローが使われたという記録が登場してストローは大復活。
そして1920年代にはいるとアメリカで赤い口紅が大流行して、ビンやコップに口紅の跡がつくを嫌って女性などを中心にストローが多く使われるようになって行き、20世紀中ごろに氷入りの飲み物が普及すると氷が口に入らずに飲めるという機能的な理由からストローが広く普及。こうして「口に入れたくない物を避ける」というシュメール人の発想が20世紀中ごろに復活。
その一方でタピオカドリンクはタピオカを吸うためにストローを使っているので、ストローが生まれた経緯を踏まえると異なる進化をし出しているのがストローという事で1問目は以上。
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