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あさイチ 今日の映画紹介はクイーンダム/誕生、手に魂を込め、歩いてみれば


25年12月5日放送の「あさイチ」特選エンタ映画紹介ではゲストの柴咲コウと共にドキュメンタリー作品『クイーンダム/誕生』『手に魂を込め、歩いてみれば』を紹介。

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クイーンダム/誕生

ロシアに突然現れたクィア・アーティストを追いかけたドキュメンタリー作品。

モスクワから1万km離れた田舎町で育った21歳のジェナ・マービンは幼いころから自身が性的指向や性自認が従来の枠組みに当てはまらない人=クィアである事を認識していたジェナは保守的な町で暴力や差別の標的となって道を歩くだけで怒鳴られたり、実際に暴力を振るわれる事もしばしば。

そこでジェナは心の痛みやトラウマをアートへと昇華させてSNSで発信するという活動を始め、過激で独特な衣装をまとって無言のパフォーマンスを通して差別社会や時に政治に対する反抗的な姿勢を示す事に。

そのうちジェナのパフォーマンスは多くの支持を集める事となって瞬く間に脚光を浴びるように変化。

「ジェナになり外に出ればいつでも最強になれる。ここロシアでも誰ひとりとして僕を脅かせない。鎧を着た騎士の気分だ。自信が持てる。」と語るジェナでしたが、今のロシアではLGBTQ+の公の活動は禁止されており、命の危険すらある行為。

それでもジェナは政府に抗議するデモに参加し、ロシアの国旗を模したテープを体に巻き付けて周囲のデモ参加者が「ロシアに自由を!」と繰り返す中、ジェナは無言のパフォーマンス。

作品中では自分のありのままを貫く強さだけではなく、将来への不安や孤独、葛藤を抱えながらもがく姿も描かれていて、ジェナにとってたった二人の家族である幼少期から一緒にいる祖父母との関係性も物語の核。

祖父母はジェナに対して愛情を持ちつつも、今のジェナの姿やあり方を受け入れる事が出来ずに衝突。ジェナは自分らしく生きたいという思いと同時に家族に自分を分かってもらいたいという思いが強くあり、家族だからこそアーティストとして自分を表現するだけではなかなか届かないもどかしさを抱える事に。

手に魂を込め、歩いてみれば

ガザ地区に住むパレスチナ人の若いフォトジャーナリストであるファトマとの1年に渡るビデオ通話を記録した作品。

イスラエルによるガザ攻撃が続いていた2024年、イラン出身のファルシ監督はガザの人々の声を世界に届ける必要性を感じていたものの現地は封鎖されて足を踏み入れる事が出来ないためにガザ北部に暮らすファトマとのビデオ通話を中心とした映画の製作を決意。

2024年4月24日、初めての会話で空爆によって家の一部が壊された事や「ガザに安全と言える場所は無い」「こういう状況には子どもの頃から慣れてる」「あの人たちにどれだけ破壊されようと殺されようと自分たちは笑顔で自分の人生を生きる。たとえ望まれなくてもね。私たちは屈しない。」と笑顔でファトマ。

そんなファトマは空爆の恐怖にさらされながらもその地で力強く生きる人々や瓦礫となった街を写真に収めてスマホを通してガザの現在の状況を発信。

2024年4月30日、ガザ攻撃が始まって半年あまり経ったこの日はファトマはいつもの笑顔を見せるものの、その置かれている状況は相変わらず安全とは言えないもので、すぐ近所の建物は空爆によってめちゃくちゃに破壊されて「2人が殺された。それが普通。」とあくまで明るくあっけらかんに語るファトマ。

「爆撃や苦しみに慣れる事は無い。ただその中でも生き続けなくてはいけないという事に慣れて行く。」

そう話すファトマでしたが、いつも見せる明るい笑顔が日を追う事に少しずつ減っていき、発する言葉や声も元気を失っていき…

作品を観ればナビゲーター役の寺門亜衣子アナが涙しながら作品紹介をしたその姿にもきっと共感できるはず。

以上、今日の映画紹介でした。

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