今年の漢字を清水寺で発表するのはなぜ?チコちゃん
25年12月26日放送の「チコちゃんに叱られる年末拡大版SP」の問題『なぜ今年の漢字を清水寺で発表する?』の答えなどチコジェクトXと共にまとめてご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】バカリズム、松下洸平、宮澤エマ
【VTRゲスト】田口トモロヲ(ナレーション)
なぜ今年の漢字を清水寺で発表する?
2問目の出題は、
なんで今年の漢字を清水寺で発表するの?
チコちゃんの答えは、
大野さんが二度、清水の舞台から飛び降りたから
解説は今年の漢字の生みの親である大野博史さん。
今年の漢字はその年の世相を漢字一文字で表すというイベントで、これが始まったそもそもの狙いは、
- 漢字に興味を持ってもらう
- 漢字検定の知名度アップ
という2点が主なもので、要するに漢検のPRイベントというのがその発端で、1995年の第1回からずっと京都の清水寺が舞台。
とここで「チコジェクトX 清水の舞台で会いましょう~「今年の漢字」誕生物語~」スタート。
時は1992年、バブル崩壊で景気が傾く中、当時50歳だった大野は28年勤めた食器輸入業を辞めて転職を決断し、輸入業の仕事をしている間にたまたま知り合った漢字検定の協会理事長に誘われる形で協会の仕事に携わる事に。これが大野にとって1度目の清水の舞台から飛び降りる決断に。
ところが当時の漢字検定は世間にあまり知られた存在ではなく、配属されたたった一人の広報係では漢字に興味を持ってもらうための普及活動についてあれこれと思案する毎日。ちょうどこの頃は家庭にワープロが普及して漢字はキーを叩いて変換すれば出て来る時代が到来しており、ましてや漢字検定は無用の長物になるリスク大。
スポンサーリンク「漢字検定は無くなるかも…」という暗い未来を想像しながらも新たな広報活動について探っていた大野はアニメの教育番組をヒントにして漢字博士が学生と舞妓に漢字を教えるという設定でキャラクターを考案して、学習漫画のようなストーリー展開で漢字の成り立ちなどを紹介するアニメを制作。
ところがこの映像ソフトは全く売れずに大失敗。
それでもめげない大野は1995年当時の協会の建物が駅前にあったという立地から、協会の建物に大きな垂れ幕をさげて「今日の漢字」と銘打って漢字を掲出すれば駅に集まる人の目に留まって話題になるはずとアイデアを練り、さらには新聞に「今日の漢字」を掲載できればさらなる宣伝効果も見込めると考えて地元の新聞社・京都新聞社に企画を相談。
新聞社の反応は上々だったものの、大野が365日分の漢字を理由付きで選ぶという難題を持ちかけられた事で大野は企画を断念せざるを得ない状況に。
それでも諦めない大野は何とか企画をブラッシュアップ出来ないかとPR会社のスタッフに相談を持ち掛け、そこで出て来たのが「今年の漢字」として漢字一字を選ぶのであれば可能では?という起死回生のアドバイス。
その年の世相を漢字一字で表現し、漢字の候補は全国から応募してもらえれば自分であれこれ悩む必要もなしという事で「今年の漢字」プロジェクトを本格始動させた大野は12月12日を語呂合わせの「いい字、いち字」から漢字の日として、この日に今年の漢字を発表する企画を立ち上げて、色んなマスコミを集めた舞台で漢字を一文字描くというイベントを考案。
そんなイベントの会場候補としてホテル、協会の建物、屋外など様々な場所を検討した大野は、京都で一番派手な場所はどこか?と考えて清水の舞台から飛び降りるという言葉がパッと浮かんだ事もあって、後先を考えずにまずは清水寺に話を持って行こうとアポ無しの直談判。これが大野にとって2度目の清水の舞台から飛び降りる決断に。
大野は京都育ちながらそれまで一度も清水寺に行ったことが無かったそうですが、誰に話をすればいいのかすら分からない所で、偶然にそこに居合わせて話を聞いてくれたのが当時の事務方のトップ・執事長の大西眞興という人物。
アテもツテも何もない状態で何とか今年の漢字について清水寺で出来ないか?と猛アピールした大野でしたが、そこで大西は「面白い。やりましょ。」と二つ返事。
スポンサーリンクこうして1995年に清水寺を舞台に発表する事になった第1回今年の漢字は阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件など世間に激震が走ったという世相を反映して「震」という漢字を選出し、当日は大勢のマスコミが詰めかけてイベントは大成功。
こうして毎年恒例になって行った今年の漢字ですが、第1回の応募数が約1万2000票だったのに対して、第30回には約22万票と世間の認知もすっかり上がって毎年の風物詩に定着。
そんな今年の漢字の生みの親である大野はその仕事のほとんどを後進に譲っているものの、このイベントでずっと漢字を書き続けてきている清水寺の貫主(かんす)・森清範のかたわらで筆に墨を含ませる作業を今でもずっと続け、やがて周囲からは「墨爺」と呼ばれる存在に。
ちなみに漢字を実際に書いている森清範が今年の漢字を知るのは発表当日のイベントの数時間前というタイミングだそうで、そこからは部屋にこもってイメージトレーニングを何度も繰り返して本番一発勝負で書くのがルーティンになっているとか。
という事で2問目は以上。
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