漫画雑誌の紙がカラフルなのはなぜ？チコちゃん
25年5月23日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『漫画雑誌の紙がカラフルなのはなぜ？』の答えなどまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】天野ひろゆき、藤本美貴
【VTRゲスト】なし
漫画雑誌の紙がカラフルなのはなぜ？
3問目の出題は、
なんで漫画雑誌の紙はカラフルなの？
チコちゃんの答えは、
再生紙のインクが抜き入れないから、そして飽きさせないため
解説は漫画雑誌の出版社で広報を務める佐藤雅一さん。
漫画雑誌の紙がカラフルになったのは昭和40年代からで、人気漫画の連載の影響で発行部数が伸びたタイミングに合致。
当時の週刊漫画雑誌の発行部数は1年間で2億部以上と大量に印刷する必要があったのでコストが安い再生紙の更紙(ざらがみ)を使用。
という事で紙の町と呼ばれるほどに製紙業が盛んな富士市・富士宮市にある更紙を作る製紙工場へ。
ちなみに、1kgの紙を作るのに60kgの水を使うといわれている通り、紙を作るには大量の水が必要なので、富士山の水資源が豊富なこの土地が紙の町になったんだとか。
肝心の更紙を作る工程は、
- パルパーという巨大な機械で古紙と水・薬品を混ぜて溶かす
- 高速で回転させて遠心力によってホチキスなどのゴミを分別
- 溶かした古紙に漂白剤を入れてインクや墨を除く脱墨(だつぼく)
- 古紙に染料を入れて着色
- プレス機で脱水して薄く形を整えて高温のローラーで乾燥させて完成
現代の技術をもってしても完全にインクや墨を取り除くことは難しく、漂白を強めると薬品代やエネルギーコストがかかってしまうので適度な所で止めておくのがベスト。
現在、漫画雑誌に使われているのはピンクっぽい樺色、緑っぽいひわ色、黄色の3色が使われていますが、抜き切れなかった色を目立たなくするためにあえて色をつけるという作業を行っているわけですね。
着色なしだと残ったインクによって紙がグレーっぽくなって印刷した文字が目立たなくなってしまう所、違う色が付けると残っていたインクや墨が目立たなくなって文字が見えやすくなるという工夫。
また、更紙は1冊ごとに使える色の量が決められていて、3色の更紙にどの作品を印刷するのかは編集部で台割り(だいわり)という作業を経て決定。
スポンサーリンク3色あるのはこれらの色を順番に並べる事で読者を飽きさせないようにしているというのがその理由。また、色が変わった所で作品ごとの区切りにして次から違う作品と印象付けたいという意味も。
漫画雑誌の1作品は18～20ページほどで、間に記事などを挟むことで作品の途中で色が変わる事が無いように配慮。
ちなみに輪郭の太い作品が多い少年漫画には樺色・ひわ色・黄色の更紙を使用していますが、線が細い作品が多い女性向け漫画はコストのかかった白い紙の再生紙が使われる傾向にあるとか。
ここからは実際の漫画雑誌の印刷工程、製本工場へ。
- 完成した原稿データから白黒が反転したネガフィルムを作成
- 印刷用の樹脂版に転写
- 編集部が割り当てた色に従って1時間で1万冊のスピードで印刷
- 1面16ページ分、裏表で32ページ分を1枚に印刷し、これを折り込んでいく事で一折(32ページの束)が完成
- 一折を14個重ねると本の形に
- カラー表紙をつけて、つながっている部分をカットすると完成
繋がった状態だと何が何だか分かりませんが、これを半分カットして折りこむ事でちゃんとページが繋がった状態に。
一折分が重なる事で一冊になっているのがよく分かりますね。
という事で3問目は以上。
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