女の人が腕時計を内向きにつけるのはなぜ?日本だけの文化?チコちゃん
25年9月5日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『女の人が腕時計を内向きにつけるのはなぜ?』の答えなどまとめてご紹介。日本特有の文化になったその理由とは?
ゲスト出演者
【ゲスト】新浜レオン、3時のヒロイン福田麻貴
【VTRゲスト】なし
女の人が腕時計を内向きにつけるのはなぜ?
1問目の出題は、
なんで女の人は腕時計を内向きにつけるの?
チコちゃんの答えは、
脇が見えるから
解説は桐蔭横浜大学の並木浩一教授。
腕時計を内向き、外向きにつけた時にどれだけ脇が見えるか?分かりやすいように脇に赤い色を付いて比較してみると違いはハッキリ。
そしてこの脇を見せるという行為は女性にとって「はしたない」事だという認識が日本では古くから言われてきており、これが腕時計を内向きにつけるようになった発端に。
そもそも腕時計が誕生したのは1800年代のナポレオン時代のフランスにおいてといわれており、1810年にナポレオンの妹であるカロリーヌ・ミュラのために作られたのが元祖。つまり世界初の腕時計は女性のために作られたものだったわけですが当時のものはブレスレットに時計を埋め込んだデザインで時間を知るものという役割よりかは貴族のための宝飾品としての意味合いが強かったようで、そのような高級品を庶民が買えるはずもなく、そもそも日常的に時間を確認するという必要がなかった庶民からすると無用の長物。
ところが19世紀後半になると腕時計は男性が戦争時につけていくものという認識が広まり、兵器や通信技術の進化によって時刻通りに作戦を遂行する必要に迫られるようになった軍隊では時間の確認は必須事項に。また、それまで主流だった懐中時計に比べて腕時計は両手が空くので実戦向きという事で普及する事に。
スポンサーリンク当時の写真を見てみると、この頃から腕時計は外向きにつけるのが普通だったようで、そんな中で日本にもヨーロッパから腕時計が輸入されるようになると1914年に起こった第一次世界大戦で日本の兵士も戦場での必需品とばかりに腕時計をつけるようになり、その流れで兵士たちが私生活でも腕時計を愛用するようになった事で徐々に一般市民にも腕時計をつける文化が浸透。
こういった経緯から日本では腕時計=男性用というイメージが強く、女性がつける文化はなかなか根付きませんでしたが、そこから女性が腕時計をつけるようになったきっかけの一つが大正時代の女性の社会進出。
第一次世界大戦の影響で工業化・都市化が進むと徐々に働く女性が増えて女性の職業が様々な分野に広がりを見せ、これをきっかけに仕事中に時間を確認するために腕時計をつける女性が増加。
こうして腕時計=男性用というイメージが徐々に薄れていきますが、もう既にこの時には女性は腕時計を内向きにつけるようになっていたようで、これは多くの人が着物を着ていた事が理由。
1920年代のこの時代に既に洋服は存在しましたが、仕事の制服を除けば日常的に着る服は着物がほとんどという時代で、女性の着物の脇の下には身八つ口という切れ込みが設けられており、女性用の着物は幅の広い帯を高い位置に締めますが、そうなると腕が動かしづらくなるので動きやすくするために脇の下に作られた大きな切れ込みが身八つ口という事に。
そしてこの身八つ口から脇が見えるのは「はしたない」と見なされており、そこで電話をしたり、お茶を飲んだりという時には脇をしめたまま腕を上げ、必要に応じてもう片方の手で袖口を押さえるといった作法が当たり前に。
そしてこの着物と腕時計の相性は決して良くなく、外向きに腕時計をつけた状態で時計を見ようとすると脇が見えてしまう可能性が高く、脇をぴったりつけたままでも時間が見えるように腕時計は内向きに。
時代が進むと次第に洋服を着る機会が増えて行きますが、着物時代の所作やマナーが深く根付いていたために女性が腕時計をつける時は内向きという文化が残っていく事に。
という事で1問目は以上。
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