ベルトを締めるようになったのはなぜ?チコちゃん
25年9月26日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『ベルトを締めるようになったのはなぜ?』の答えなどまとめてご紹介。ヨーロッパで生まれて一度衰退してアメリカで復活を遂げたその歴史とは?
ゲスト出演者
【ゲスト】ずん飯尾、森泉
【VTRゲスト】ハンバーグ師匠(井戸田潤)
ベルトを締めるようになったのはなぜ?
2問目の出題は、
なんでベルトを締めるようになったの?
チコちゃんの答えは、
暗殺事件を防ぐため
解説は服飾史研究家の辻元よしふみさん。
今私たちが締めているベルトの原形は古代ローマ時代に普及したものと考えられていて、古代ローマに服装を整えるために細い布ヒモで腰を締めていたのがそのベース。
そしてこの細かったヒモが徐々に太くて頑丈な今日のようなベルトになっていくわけですが、そのきっかけの一つとなったのが要人の暗殺事件。
古代ローマ時代においては権力者ユリウス・カエサルの暗殺といった事件が数多く起こっていましたが、そこで困ったことが一つ。
というのもこの時代の新しいファッションの流行などは古代ローマのお隣のペルシャなどの中東から入ってくるケースが多く、その一環として中東からポケット付きの服が流行の兆しを見せる事に。
となると暗殺事件が多発している古代ローマでポケット付きの服が流行ってしまうと、凶器や毒物をポケットに隠しやすいことから、さらに暗殺リスクが上がってしまうという困った事態に。
スポンサーリンクそこで古代ローマ時代からしばらく、ヨーロッパでは暗殺を防ぐという目的でポケットを規制。
その為、この時代の古代ローマ人は物を持ち運ぶ時に肩掛けカバンや手提げ容器などを使っていたようで、置き引きに遭ったり、強引に奪われたりといった事件も少なからず起きていたとか。
また、古代ローマ人はお守りやキリスト教の普及に伴って十字架など肌身離さず持っていたいアイテムがあったので、そうなるとやっぱりポケットがあった方が圧倒的に便利という事でポケットには密かに憧れを抱いていた古代ローマ人たちが考え出したのがウエストポーチのようなサクスという小物入れを腰にぶら下げるという方法。
その際、細い布ヒモだとサクスの重さに耐えきれずにたるんでしまうので、太い頑丈なベルトをしてサクスに対応するようになってベルトの原形が誕生。
やがて、ベルトに付けたサクスで物を運び、要人警護が必要になった場合は暗殺を防ぐためにサクスを予め取り上げてセキュリティチェックといった習慣も定着して太くて丈夫なベルトは古代ローマ時代に広く普及。
一方で17世紀ごろになるとヨーロッパではベルトは衰退していきますが、それは銃の普及が大きな理由。
この時代になるとポケットにナイフを忍ばせるのは時代遅れで、離れた所から銃で狙撃するといった事も行われるようになったために、もはやポケットを禁止しても暗殺を防ぐ事にはならず、そうなるとポケットもようやく普及し始めて貴族や権力者などはここぞとばかりにポケットに派手な装飾を施して見せびらかすといった流行も生まれたりで、もはやサクスとベルトのセットは不要な存在に。さらに17世紀ごろにはほとんどのヨーロッパの人はピチピチのズボンを穿くのが主流となっていたので余計にベルトは不要。
ここから19世紀半ばに時代が移っていくと、今度はアメリカ南部においてズボンをサスペンダーで固定し、その上にジャケットを羽織るというスタイルが主流となっていきますが、高温地帯という事もあって徐々に上着を省いて軽装に。
するとサスペンダーが外に丸見えとなってしまい、この時代のサスペンダー=下着という感覚からすると、これは相当はしたない格好であり、その代わりとなったのがベルト。
ヨーロッパなどで軍人が剣などを腰に提げるために付けていたサクスのベルトがアメリカの軍隊でも普及していた事から、その軍隊用だったベルトを日常服にも用いるようになって行ってベルトが普及。
こうしてアメリカで生まれたベルトでズボンを締めるスタイルが世界中に広まって現在のベルトに繋がっていくという事で2問目は以上。
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