紙が濡れて乾くとゴワゴワするのはなぜ?濡れた紙を元に戻す方法は?チコちゃん
25年10月17日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『紙が濡れて乾くとゴワゴワするのはなぜ?』の答えなどまとめてご紹介。また製紙メーカーが教える濡れた紙のノートをまっすぐに戻す方法とは?
ゲスト出演者
【ゲスト】片桐はいり、Da-iCE花村想太
【VTRゲスト】なし
紙が濡れて乾くとゴワゴワするのはなぜ?
3問目の出題は、
なんで紙が濡れて乾くとゴワゴワするの?
チコちゃんの答えは、
紙は引っ張って作るけど、水に濡れた後は引っ張れないまま乾くから
解説は製紙メーカーの阿部一行さん。
まずは紙の作り方について見てみると、
- 木材を細かく砕いて処理した繊維の塊のパルプシート(=紙の原料)を水に漬ける
- ミキサー付きの大きな水槽でパルプを水に分散させてモチ状に
- 水に浸かったパルプを細かい網目状のレーンに流し込んで網目から水気を切りながらシート状に
- パルプをプレスして水分を絞る
- 縮まないように過熱したローラーに紙を押さえつけて紙を引っ張りながら乾かす
- 巨大なロールで紙を巻き取って紙が完成
4の工程では繊維の間に入っていた水分子が蒸発していってパルプ繊維同士が強く結びつく事になりますが、5の工程の乾かすタイミングで縮もうとする紙に引っ張る力を加えると繊維がピーンと伸びた状態で固まっていく事に。
繊維は拡大すると中には沢山の隙間があり、そこに水分子が入り込んでいる状態で普通に乾かすと、少なくなっていく水分子が紙を内側に引っ張ろうとする力が働いて繊維が細く変化。これが折り重なっていくと紙自体が縮むわけで、これがゴワゴワの正体。
またつるつる状態の紙が濡れると、以前の繊維の中に水分子が入り込んだ状態に戻ってしまい、紙は異なる乾燥スピードで乾いていくので各箇所でゴワゴワ具合が細かく変わっていって表面がボコボコとした状態に。
スポンサーリンクという事で最後に水に濡れたノートを綺麗に元に戻す方法。
元に戻したい時はドライヤーで乾かすだけでは絶対NGというのは既に述べた通りで、代わりにノートをチャック付きのフリーザーバッグに入れて「封を閉めずに」立てかけた状態で冷凍庫の中へ。
繊維が水分子によって離れている状態で水分子を氷にしてしまうのが手っ取り早い方法で、乾燥している冷凍庫内で氷はしばらくするとそのまま気体となる昇華が起こりますが、水分がほぼ均一にゆっくりと抜けて行くので紙は元の状態に。フリーザーバッグは冷凍庫の霜で再度濡れるのを防ぐため。封をしないで立てかけるのは気体になった水分が出て行きやすい工夫。
24時間経ってからフリーザーバッグから取り出して軽く振って霜を取るとペーパータオルでサンドイッチにして辞書など重いものの下に置いて1日~2日間キープ。
冷凍庫から出したノートはまだ繊維に水分子を抱えてゆるく結びついた状態なので、重いものでプレスする事でピーンと繊維を張った状態に。
この技は図書館や考古学の分野で実際に使われている方法で傷んだ本や資料を復旧する際にも使われているとか。ちなみにこの方法で復活させると消せるボールペンの文字が戻ってきてしまうという副作用。
という事で3問目は以上。
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