音楽業界のプロが選んだジャニーズの名曲とは?まさかの“あの曲”もプロが大絶賛
20年6月7日放送のテレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」ではジャニーズグループの曲の中から音楽業界のプロたちが絶賛した名曲たちを大特集。嵐、KinKi Kids、TOKIO、滝沢秀明のあの曲も「スゴイ!」とプロからの評価が高かったり。
ということで番組の放送内容を元にまとめてご紹介します。
スポンサーリンク嵐
「GUTS!」(14年)
音楽プロデューサーのヒャダイン曰く、
「ナナナのメロディーってメッチャ覚えやすいメロディーにするじゃないですか?それがねメチャクチャ覚えにくいメロディーなんですよ。」
シングル曲らしからぬ複雑な仕掛けが随所に見られるこの一曲。
例えば、
- イントロ – 難しい♪ナナナ
- Aメロ前半 – 一転覚えやすいメロディー
- Aメロ後半 – 急なインド風サウンド
- Bメロ前半 – 合いの手ポイント
- Bメロ後半 – 16音符で勢いを加速
- サビ前半 – コール&レスポンス
- サビ後半 – どんどんキーが上がるメロディー
など。
「普通のメロディーが全然ないというか、普通のメロディーにいきそうになったなと思ったらいきなりインドになって。」「でサビは全然終わらせてくれなくてどんどんキーが高くなってっていう。すごいエンタメ精神にあふれた曲。」
鑑賞ポイントは上記のようにめまぐるしく変わっていく曲の展開。それでいてモヤモヤするかと思いきや魅了されてしまうという中毒性。
「まとまりがあるように聞こえるのはもう嵐の5人のチームワークだったりとか。アレンジの妙だったりはすると思うんですが。」
Kinki Kids
「愛のかたまり」(01年)
作詞を堂本剛が作曲は堂本光一が担当するという自作曲。
まずは歌詞に注目。
ヒャダイン「女の子のリアルをものすごく描いている歌詞なんですよね。感情移入がメチャクチャしやすいと思うんですよ。なんでそんな女子の機微まで分かるんだろう?っていう。」
例えばAメロでは弱さを見せられない強がる女性の心理描写だったり。
歌詞だけを見ると恋に浮かれている女性を想像しがちでも、メロディーが悲しくて切ないので曲として聴くと「あぁ・・・この恋は上手くいってないんだ・・・」と分かってしまうという歌詞と曲が合わさる事で初めて完成するこの一曲。
「光一さんのメチャクチャ美しい悲しいメロディーが入って。(イントロから)物悲しくって。」
また、音楽プロデューサーの本間昭光はKinki Kidsの楽曲提供の歴史を鑑みて、
「自作曲を出すって事は“イコール山下達郎とかと肩を並べなきゃいけない”っていう。覚悟を持ってやんなきゃいけない。やっぱり大分ストイックに勉強したんじゃないかなっていう。知り合う人全部から吸収してったんじゃないかな。」
また、メロディーについては、
ヒャダイン「すごい緩急がついてて、サビでちょっと言葉を詰めて急がせるんですが、僕だったらもっと盛り上げるだろうなっていう所を落とすんですよ。ファルセットを光らせたいからあえて我慢してサビの一瞬のファルセットだけ光らせるっていう。」
「職業作曲家だったらもうちょっとイヤらしくいく所を、メンバーだからこそ分かる温度感みたいな感じでココは作られたんじゃないかなって僕は思ってますけどね。」
Kinki Kidsのお二人に曲制作について番組で語ってもらった際には、
堂本光一「二人で曲を作ったりする時って、僕が曲を作って剛が詩を書く事が多いのね。俺はね曲作る時に『剛くんにこのメロディーを歌って欲しいな』って想像しながら作ってると思う。もしかしたら剛くんが詩を書いている時に『光一にこの言葉言わせたい』と思って書いてる節があるんちゃうかなって気がする。」
堂本剛「それはある。」
堂本光一「自分がこれをどう歌うっていうより、まずこのメロディーを剛くんを歌って欲しいなっていうので作ってる気がする。」
「愛のかたまり」の制作工程では「曲が先」との事。
堂本光一「愛のかたまりってB面なのよ。Hey!みんな元気かい?は今となったらすごく大好きな曲なのね。YO-KINGさんにもらった曲で当時の自分は曲が理解できなかった。俺らのがらに無い言葉じゃん?どうやって表現していいか分からなかったのね。Kinki Kidsはもっとドラマチックでメロディーが綺麗なものを歌った方がいいじゃん!っていうような反骨精神があったの。そこでA面を超える曲を作ってやる!と思って作ったのが愛のかたまり。」
ファンからの人気が高い一曲ですが、プロ目線から見ても絶賛の曲のようですね。
スポンサーリンクTOKIO
「宙船(そらふね)」(06年)
作詞・作曲はもちろんご存知の中島みゆき。
本間昭光「中島みゆきさんってやっぱりオンリーワンの表現者だと思うんですよね。他にいない。もう聴いた瞬間にみゆきさんだって分かる。声の質っていうのもあるんですけど、やっぱ歌い方にポイントがあるような気がしてて。強く打ち出すじゃないですか。強い曲に関しては。そのオンリーワンと思ってた中島みゆきさんの歌唱法を引き継ぐ後継者がまさかジャニーズから生まれると思って無かったわけですよ。」
「やっぱり長瀬さんの歌い方が完全に自分の中に咀嚼出来てんだなっていう。モノマネするだけだったら出来ると思うんですけど、自分のモノにして自分なりにアレンジして強く真っ直ぐ言葉を届けるっていう事ですよね。そのアーティスト感ですよね。」
「とにかく一気に畳みかけるように力強くね。一本調子に聞こえるようだけど一本調子じゃなくてちゃんとそこに表現をつけてるっていう所が音楽人としての表現力を持ってらっしゃるんだなっていう。」
語尾で音と音滑らかにつなげる歌唱法である「スラー」を上手く使っているのもポイント。
「冒頭の部分で完全にその世界観に引き込まれるっていうのは歌のもてる力なのかなと思いました。」
コブクロ小渕健太郎は長瀬智也さんのボーカルについて「あれだけの身長もあって体もしっかりあるのに高音であんなに声出る人って珍しいんですよ。ウチの相方(コブクロ黒田)は背デカイですから割とロートーンで太めみたいな感じなんですけど、ともすると僕らよりも細くて高い声が出るので相当歌いこんでるのかな?色んな歌をっていう歌声ですね。」
滝沢秀明
「愛・革命」(09年)
ヒャダイン「これはホントもうね・・・仰天しましたよね。出た時にね。良いトンチキです。確信犯のトンチキ。」
冒頭のセリフからいきなり面食らってしまうこの曲ですが、作詞は滝沢秀明本人が担当。
つまりジャニーさんの持つ遊び心のようなものをしっかり継承しているという意味でもあったり。
「分かってんですよ。タッキーはもうね。まず曲の構成がバラードっぽい所から始まって。いきなり語り始めるんですよね。オーケストラみたいなのが鳴ったらその次にいきなりラテンテイストのJ-POPになっていくっていう。もう展開が怒涛。」
語り部分が終わるとショパンの「革命」サンプリングを所々に差し込んだりしてオシャレテイストも追加。
「これぞジャニーズ!ジャニーズしか出来ない!」「タッキーの世界観。耽美的な美意識っていうのが一貫されてるので、他の人がやったらコメディータッチになるのがもうこっちが真剣に見入っちゃう。理解できないこっちが悪いっていう気持ちになって来る。」
以上、音楽業界のプロが選んだジャニーズグループの名曲たちをご紹介しました。
「関ジャム」に関する全記事はこちらのリンクから