チコちゃん 1メートルの定義は?1mはどうやって決めた?
22年1月21日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」の第3問は『1mは何の長さ?』という問題。答えは2億9979万2458分の1秒の間に光が真空中を伝わる長さという事で、ここまでややこしく細かく決まった経緯についてその歴史を辿りながらまとめてご紹介。
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【ゲスト】長濱ねる、カンニング竹山
【VTRゲスト】もう中学生
1mは何の長さ?
この日3問目に出題されたチコちゃんの疑問は、
1mって何の長さなの?
田んぼの長さという答えの岡村さんですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
というわけでチコちゃんの答えは、
2億9979万2458分の1秒の間に光が真空中を伝わる長さ
解説は産業技術総合研究所の平井亜紀子さん。
ここまでややこしく細かく決まっているのは「正確さ、継続性」を重視してとの事。
光は秒速約30万kmで1秒間に地球を7周半する光速のスピードですが、その光が進む距離を約3億で割ると1mに。
そもそも長さの単位は18世紀までインチ、ヤード、フィート、尺など国によって使う単位がバラバラ。
その結果、国同士の貿易時に取引単位がバラバラなのでとてもややこしい事に。
そこで大航海時代を経た18世紀に世界で統一された極めて正確な基準を作ろうというプロジェクトが始動。
その中心人物となったフランス人が、
彼の号令のもとでフランスの科学者たちは「北極点からパリを通って赤道までの子午線の長さ」を基にして新しい長さの単位を策定する事に。
スポンサーリンクそのプロジェクトはフランスの北部ダンケルクから南下するチームと、南のスペイン・バルセロナから北上するチームの2チームを結成する事からスタート。
ダンケルクとバルセロナの緯度の差は約10度で、北極点から赤道までの緯度の差はちょうど90度になるのでダンケルクからバルセロナまでの距離を測ってそれを9倍すれば北極点から赤道までの距離が求められるハズというわけですね。
今でも路上でたまに見かける三角測量の技術を使い、結成された2チームがひたすら距離を測って行く事に。
ちなみにこれが行われたのはフランス革命中という事もあって、南下チームは反政府軍に間違われたり、北上チームは国境で足止めを喰らったりとトラブル続出。
そんなこんなで測量に費やした歳月は約7年。
1798年にダンケルク-バルセロナ間の距離が明らかになった事で、北極点から赤道までの距離(=地球の円周4分の1の距離)が当時のフランスの単位で513万740トワーズと判明。
これを1000万分の1にした長さを正式に1mに定めて一件落着。
ちなみに絵はもう中学生作。
18世紀において生活上使いやすい長さとして「男性が両手を広げた半分の長さ」が用いられたりしていたので、これがちょうど良かったという事もあってそれに合わせる為に1000万分の1という割り方を採用したとか。
この1mが決まった事で、面積、体積、その体積に収まる水の量、水の量を1000分の1にしたものが重さ1kgと色んな基準が誕生。
1mを定めたフランスは1799年にプラチナ製のメートル原器を作り、これを長さの基準に決定。
その後は材料を白金イリジウム合金に変更するなどして30本のメートル原器を作成。
スポンサーリンクそして1889年にそのうちの1本を「国際メートル原器」と制定。
作った30本は3本はパリで預かり、残りの27本は世界各国に配布して長さの基準に。
日本近代化における学術的価値が認められて2012年に重要文化財に指定。
ところがせっかく決まったメートルですが、一つ大きな問題点が。
単位の基準は「絶対に変わってはいけないもの」ですが、物として存在する以上は衝撃によって欠けてしまったり、年月を経ると伸び縮みしたり。
そこでこれに対応すべく19世紀末に「物ではなく絶対に変わらない基準」に変更する事に。
そこで注目されたのが電磁波。
物質を構成する原子から出る電磁波の波長はそれぞれ固有である事が分かったので、ある物質の原子から出ている電磁波を選んでその一つの波長の何倍がメートル原器の長さに相当するのか?を測って新基準とする事に。
選ばれたのはクリプトン86という原子から出る波がキレイで計測しやすい電磁波。
こうして1960年にはクリプトン86の波長を165万763.73倍した長さを1mに決定。
ただこの波長を基準にするのにも問題点があり、例えば物の長さを測る際には目盛りのどの位置から測り出すのか?という基準は曖昧で正確ではありませんよね?
これが波長の長さにも同様で、その線の細さは約1000億分の1mm程度。
ほんの少しのズレも許されないのでやはりこれも絶対的な数値とは言えず20世紀に入って最終的にたどり着いたのが光。
アインシュタインが提唱した相対性理論の「光は誰から見ても一定の速度で進む」という性質を使うのが間違いないという結論に。
そこで導き出されたのが2億9979万2458分の1秒。
1983年の制定なので割と最近のお話ですよね。
というわけでコチラが結論。
1mは2億9979万2458分の1秒の間に光が真空中を伝わる長さ
でした。
気になる誤差は?という質問には「運動会の玉入れの数を数える時」とチコちゃん。
という事で3問目は以上。
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