太平洋と大西洋の太と大の理由&名前の由来は?チコちゃん
22年9月9日放送のNHK「チコちゃんに叱られる」の1問目は『大西洋は大なのに太平洋は太なのはなぜ?』という問題という事で2つの海の由来の違いなど番組内容をまとめてご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】南果歩、陣内智則
【VTRゲスト】なし
大西洋は大なのに太平洋は太なのはなぜ?
1問目の出題は、
なんで大西洋は大なのに太平洋は太なの?
太平洋の方が広いからおまけで点をつけたという南果歩さんの答えですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
という事でチコちゃんの答えは、
マゼランが嵐にあわなかったから
解説は大東文化大学の関根健一非常勤講師。
実は太平洋の太の点は太平洋の真ん中に浮かぶハワイを表していると解説する関根先生ですがもちろんこれは冗談。
大まかに言うと太平洋&大西洋はどちらもヨーロッパでの呼び名が中国で訳されてそれが日本に伝来して来たという流れですが、その成り立ちは全く違うというのが真実。
大西洋は英語でAtlantic Ocean(アトランティック・オーシャン)で直訳すると「アトラスの海」という意味。
アトラスとはギリシャ神話に登場する巨人の神で、この神様が世界の果ての海の西側で天空を支えているという伝承がネーミングの由来。※由来については諸説あり
ではアトランティック・オーシャンが中国で大西洋と訳されたのかというとそれは間違いで、
そもそもは「(中国から見て)西側にある大きな海」という意味から大西洋(洋は海の意味)と名付けられたのが正しい由来。
アトランティック・オーシャンがそのまま訳されていたらひょっとしたら巨人海なんて名前になっていたかもしれませんが、名付けについては方角とサイズを表しただけとかなりシンプル。
スポンサーリンク太平洋は英語でPacific Ocean(パシフィック・オーシャン)で直訳すると「穏やかな海」という意味。
そして太平洋の「太」の文字は天下泰平、安泰の「泰」と同じで穏やか、平安という意味。
つまり太平洋は太平の海(穏やかな海)でパシフィック・オーシャンを素直に中国で訳したものなんですね。
ではそもそも穏やかな海というのは誰の感想なのか?というとその命名者はポルトガル出身でスペインの探検家であるフェルディナンド・マゼラン。
マゼランは1519年に当時アジアにしか無かった香辛料を求めて世界で初めて地球一周を成し遂げた船を率いた人物ですが、
世界一周のルートは大西洋を南に進んで南米大陸の南端にあり、後にマゼラン海峡と呼ばれる水路を通って太平洋に出るというルート。
マゼラン海峡通過の際には船が思い通りにならない程の悪天候に見舞われて九死に一生を得たようですが、
それが太平洋に入った途端に一転して4か月間に及ぶ航海で一度も嵐に遭う事無くまさに平穏無事。
海は太平で一度も暴風海に出会わなかったという記述が。
この事からマゼランはその海を「穏やかな海」という意味のマーレ・パシフィクムと命名。
これがそのままの意味の通りに中国で太平海もしくは太平洋と訳され、これらの呼び方が日本にも伝わって、明治維新前後になると太平洋というネーミングが定着。
こういった由来を持っているので太平洋は意味の切れ目で考えると「太平・洋」で、これに対して大西洋は大きな西の海なので「大・西洋」という違いも。
という事はつまり「太い か 大きい」という違いではなく正しくは「穏やか か 大きい」という違い。
ただ「大」「太」は互いに同じ表記のように使われるケースもあったようで、
例えば太陽は古くは大陽と書かれていて、太陽の表記が一般的になったのは江戸時代末期になってからなんだとか。
太という字は中国では「非常に大きい」という意味もあると関根先生。
という事でコチラが結論。
大西洋は大なのに太平洋は太なのはマゼランが嵐にあわなかったから
でした。
※同放送回のその他の疑問はコチラ
NHK「チコちゃんに叱られる!」に関する全記事はこちらのリンクから