王様のブランチ 今日の本紹介 成瀬は天下を取りに行く、言葉の海をさまよう、102歳一人暮らし
23年3月18日「王様のブランチ」の本特集コーナーではおすすめ本として成瀬は天下を取りに行く、今日の本ランキングからは言葉の海をさまよう、102歳一人暮らしを紹介ということで書籍一覧をまとめてご紹介。
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成瀬は天下を取りに行く
著者は今作で「女による女のためのR-18文学賞」を受賞した事でデビュー。
選考委員の辻村深月は「自分が人生のどこかで分かれてきたどこかや何かが共鳴するいとおしい青春小説。」という感想で、
同じく選考委員の友近は「迷うことなく推せる小説。」とコメント。
そんな作品は我が道を突き進む中学生・成瀬あかりの青春とその成瀬に巻き込まれる人たちの物語という王道青春ストーリー。
主人公・成瀬の冒頭のセリフ「わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」とありますが、
成瀬の指す西武とは1か月後に閉店予定のデパート西武の事。
ただの中学生がデパートの為に一体何を…?
その答えは「閉店まで毎日放送されるテレビの生中継特集に毎日映り込む」という突拍子もないアイデア。
実際に生中継が始まってみるとテレビに映し出されたのは西武ライオンズのユニフォームを着てカメラ目線の成瀬。
ただただカメラに映り込むだけという活動は徐々にSNSで話題を呼び「謎のライオンズ女子」と注目を集めることに。
そして迎えたデパート閉店のその日思いがけない出来事が…。
この他にも成瀬のハチャメチャエピソードは枚挙にいとまがなく、
卒業文集に書いた将来の夢は「200歳まで生きる」、期末テストで500満点宣言をして490点ゲットととにかくビッグマウス連発でも、
なぜかいつの間にやら周囲を巻き込む魅力的なキャラクター。
宮島未菜「特定のモデルはいないんですけど、書いてみて後で思ったのはこち亀の両さんに近いかなと。周りの人が巻き込まれていく姿が面白いんですよね。」
西武に夏を捧げた成瀬が次に掲げるのは「わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う。」とこれまたビッグマウス。
M-1グランプリ優勝を目指して漫才の猛特訓の日々が始まるわけですが、果たしてその行く末は?
宮島未菜「未来の事は分からないという事です。どんな時でも希望を忘れず生きていたいという自分の思いがそこに込められています。」
続編を希望する声に背中を押されて既に構想に入っていると宮島未菜。
今を全力で突っ走る成瀬の姿に一歩踏み出す勇気が湧く1冊。
言葉の海をさまよう
今日の本ランキング6位にランクインしたのは、
辞書を読むのが趣味で、番組で熱弁をふるった事もあるほどの乃木坂イチの読書家・鈴木絢音の著書。
今作はそんな鈴木絢音が辞書出版社を訪問して辞書の作り手と対談した時の事をまとめた本。
複数の辞書を読み比べてその解釈の違いなどを楽しむほどに辞書を本として読む鈴木絢音にとってはその制作現場の生の声が知れるとあって、
対談は非常に熱を帯びたものになったわけですが、乃木坂46の楽曲がきっかけで辞書に載ることになった新語があると聞くシーンも本には収録。
曲のヒット、紅白歌合戦でのパフォーマンスを受けて辞書に載せるように動き出したとか。
そんな辞書制作の裏側が垣間見える1冊。
102歳、一人暮らし
石井哲代・中国新聞社『102歳、一人暮らし 哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』
今日の本ランキング1位に選ばれたのは、
今も現役で畑仕事をしながら一人で暮らす102歳の日常を綴った1冊。
健康の秘訣は「よく食べ、よく寝て、よくしゃべる。」ことだったり、ストレッチで体のケアをして、ピアノを弾いて大声で歌唱と毎日エネルギッシュ。
“さびない鍬でありたい”を若い頃からモットーにしているという哲代おばあちゃんは、
「何かしてないと人間もさびるでしょ。体も頭も気持ちも使い続けているとさびないの。」
自分らしく健康的に歳を重ねるヒントが得られること間違いなし。
以上、王様のブランチから今日の本紹介でした。
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