梅雨があるのはなぜ?梅雨入りが大体な理由は?チコちゃん
23年5月26日放送のNHK「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜ梅雨はある?』の答えや梅雨入りの表現がふわっとしている理由など番組内容を簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】高橋一生、飯豊まりえ
【VTRゲスト】なし
なぜ梅雨はある?
1問目の出題は、
なんで梅雨ってあるの?
チコちゃんの答えは、
チベット高原があるから
解説は気象庁の及川義教さん。
そもそも梅雨の定義は、春の終わりから夏にかけて雨や曇りが多く現れる現象の事で、
その原因はチベット高原にあるとの事。
チベット高原とはヒマラヤ山脈など世界最高峰の山脈が連なる平均標高4000m以上のユーラシア大陸最大規模を誇る高原の事で
日本からの距離は約4000kmも西に位置しているというスケール感。
標高の高いチベット高原では夏が近づくと強い太陽の日差しで地面が温められることで気温上昇。
この結果、チベット高原上空には暖かい空気が溜まっていく事に。
暖かい空気は軽いためにその下では気圧が下がり、その下がった気圧に向かってインド洋から大量の水蒸気を含む風が吹き込み、
この湿った風は地球の自転の影響で起きる南西風(モンスーン)に乗って日本付近へ。
さらにアジア大陸の上空には亜熱帯ジェット気流という非常に強い西風が常に吹いており、このジェット気流に乗ってチベット高原の暖かい空気も日本へ。
日本に辿り着いた暖かい空気の下に湿った空気が多量に流れ込むと雨雲、積乱雲が発生。
この暖かくて湿った空気の勢いが増すと日本上空で北側の冷たくて乾いた空気とせめぎ合いを起こしますが、この境目の部分が梅雨前線。
せめぎ合いをしているという事はそこに長く留まるという意味でもあるので、広い範囲で雨や曇りが続く事に。
これが梅雨のメカニズム。
スポンサーリンクまた、気象庁による梅雨入り発表は「〇日ごろ梅雨入りしたとみられる」のようにかなりフワッとした表現だったりしますが、
そこには紆余曲折があったという及川さんの答え。
そもそも梅雨入り発表がスタートした1986年ごろの表現では「十日、北陸地方は梅雨入りしたとみられる」と日付に”ごろ”を付けない言い方。
これが変わったのは1993年。
この年日本では活発な梅雨前線の影響で日照不足や低気温が9月ごろまで続く歴史的な大冷夏に見舞われる事になり、
もともとの梅雨入り・梅雨明け発表は大雨や長雨による自然災害リスクの注意喚起のために発表され出したという経緯がありましたが、
農業や建設などの仕事に携わる人たちにとっては仕事上有益な情報という事で梅雨のタイミングを知りたいというのは切実。
結局この1993年は梅雨明けを特定できずに終えるという状態で「外すぐらいならそもそも発表する意味がない!」と国民からの猛バッシングが寄せられる事に。
そこで1995年に梅雨入り・梅雨明け発表に変更を加えて、
「今月上旬の後半に梅雨入りしたとみられる」というモヤモヤ感溢れる文言に修正。
気象庁で定められている梅雨入りの条件には、
- 平年の梅雨入り時期が近づく
- 向こう一週間の予報が雨または曇り
- 発表当日の天気が雨や曇り
などがあり、これらが揃って初めて梅雨入り発表となりますが、実際の梅雨の訪れは毎年まちまちで梅雨の判断は非常に難しいというのが現実問題。
そこでふわっとした言い方に改められたわけですが、今月上旬の後半という表現は世間から見るともはや何のこっちゃ分からない表現。
これはこれで「気象庁の逃げ腰」が国会で追及される事態にまで発展してこの表現はたった2年で打ちきりに。
打開策として1997年から登場したのが「〇日ごろ梅雨入りしたとみられる」という表現で、今に至るという紆余曲折。
という事で1問目は以上。
※同放送回のその他の疑問はコチラ
NHK「チコちゃんに叱られる!」に関する全記事はこちらのリンクから