インドカレーにナンがつくのは日本だけ?チコちゃん
24年2月9日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜ日本のインドカレーにナンがついている?』の答えをチコジェクトXと共に簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】木村昴、丸山桂里奈
【VTRゲスト】田口トモロヲ(ナレーション)
なぜ日本のインドカレーにナンがついている?
2問目の出題は、
なんで日本のインドカレーにはナンがついてるの?
チコちゃんの答えは、
高橋重雄が早とちりしたから
解説は石材店社長の竹田伴康さん。
日本のインドカレーにナンがつくのは竹田さんの叔父で先代社長である高橋重雄が張本人との事で、ここで始まるのがチコジェクトX。
舞台は大正9年ごろの東京。
神田川のほとりで創業した石材店はパン窯の製造を生業にしていて、地元の学校給食用のパンを作る石でできた窯が主力商品。
ところが高度経済成長期に入ると電気オーブンを使った大手メーカーが給食用のパンを一手に製造するようになって町のパン屋は激減しパン窯も売れない時代に。
この会社存続の危機に立ち向かったのが石材職人で2代目社長だった高橋重雄で、当初の目論見は中華料理店のキッチンで使われる中華窯の製造に乗り出すというものでした。
ところが中華窯の製造には既に専門の会社が存在しており、新顔の会社がおいそれとシェアを奪えるような余地はあまり無かったという新規参入の障壁が。
事業転換がとん挫する中、昭和43年に浅草の鳥越にあった老舗の和菓子屋さんにあったあんこを練る窯の煙突修理を受注した高橋重雄は、修理の折にたまたまインドの窯が載っている雑誌を目にする事に。
そこに書かれていたのはインド料理のナンを焼くための土窯・タンドール。
「インド料理には窯が必要なのか。この窯を作っている会社はまだ日本にはない。これはチャンス。」と考えた高橋重雄はさっそくタンドールの研究開発を進める事に。
スポンサーリンクほどなくして約30台ほど作られたタンドールでしたが、そもそもタンドールは北インドの一部の高級店でのみ使われる代物で、インドの主食はお米のビリヤニ、フライパンで作られる薄型パンのチャパティだったという高橋重雄の早とちり。
インド料理に窯は必要不可欠と思い込んでしまっていた誤算が祟って、タンドールは一切売れないという悲劇。
さらにその当時の日本にインド料理屋自体が30軒も無いという状態。
ところが高橋重雄はそんな状態でも諦めずにタンドールの商談に精を出し、日本のインド料理の草分けといわれる老舗のアジャンタにも売り込み。
そこで高橋重雄はコミュニケーションの一環として石材職人として培った腕力をアピールしようと腕相撲勝負を提案。
手を握り合って戦う腕相撲で距離がぐっと近くなった上に、元来から来る人懐っこい高橋重雄の性格も功を奏して、当時コックを務めていたアナンダ・ムールティと意気投合。
こうして遂に1台目のタンドールが売れる事に。
するとインド製に比べて高寿命だったという品質の良さも手伝って、高橋重雄のタンドールは狭いコミュニティながらも日本のインド料理界でちょっとした話題に。
インド大使館御用達のアジャンタで使われているタンドールとなると実は大変なブランド価値があるわけで、アジャンタから独立してインド料理店を開いた人たちからしたらアジャンタが使っているなら間違いないと高橋重雄のタンドールは日本のインド料理屋とは切っても切れない関係を築くことに。
こうして日本のインドカレーにはナンがつくようになって今に至る事に。
ちなみにインドの隣国のネパールではタンドールを使う料理が多く、日本のインド料理店はネパール系の店も多いのでこれもナンが広まった一因という面もあるとか。
という事で2問目は以上。
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