洗濯物が乾くのはなぜ?蒸発、凝縮、拡散の3要素 チコちゃん
24年2月9日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜ洗濯物は乾く?』の答えや洗濯物を早く乾かす特製ハンガーの作り方など簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】木村昴、丸山桂里奈
【VTRゲスト】なし
なぜ洗濯物は乾く?
3問目の出題は、
なんで洗濯物は乾くの?
チコちゃんの答えは、
水は混んでいる所よりすいている所が好きだから
解説は金沢工業大学の草野英二教授。
一般的に洗濯物が乾くのは太陽光や風があるからと考えがちですが、洗濯物から水分がなくなるその裏側では実はかなり複雑な現象が起こっているとか。
そもそも洗濯物が乾く時には水の分子が洗濯物の表面から気体になって出て行く「蒸発」が起こるのが第一前提。
ちなみに水は熱を加えて沸騰させると液体から水蒸気となって気体に変化しますが、沸騰とはそもそも液体の内部からも空気中に水分子が放出される状態を指す言葉で、一方で低い温度で起こる蒸発は液体の水面からのみ空気中に水分子が放出される状態。
水たまりが乾いたり、コップに入れていた水が減っていくのはこの低い温度で起こる蒸発のせい。
水分子というのは水の中で動き回っている存在ですが、その中には活発に動き回る水分子が含まれていて、これらがどんどん動いて空気中に移動。これが洗濯物が乾くそもそもの仕組み。
さらに蒸発と同時に「凝縮」という現象も起こっており、凝縮とは空間中の水蒸気が液体に変わる現象の事。
例えば夏に冷たいペットボトルの表面に水滴がつくあれが凝縮。
つまり洗濯物を干した際には空気中の水蒸気が洗濯物の表面で液体になる凝縮が起こっていて、洗濯物の表面では水分子は蒸発して気体になったり、凝縮して液体になったりと出たり入ったりを激しく繰り返している事に。
スポンサーリンクそして水の出る量と入る量は互いに釣り合おうとする作用が働くので、このバランスが崩れない限りは洗濯物はいつまで経っても乾かない事に。
ところが実際に洗濯物を干した際には「拡散」という現象も起こっていて、これこそが洗濯物が乾く核心の部分。
洗濯物の表面は先ほどの出入りが起こっているので水分子が多い状態となっていますが、一方で洗濯物から離れた空間では水分子が少ない状態。
水分子は混んでいる所よりもすいている所を移動する性質があるので、水分子はやがて洗濯物から離れよう離れようと動くことに。
この水分子の拡散はエントロピーの法則によるもので、エントロピーの法則とは「この世の全ての出来事は放っておくと乱雑さが増していき、それは二度と自然に元通りにはならない」という大原則。
例えば芳香剤を部屋に置くとその香りが部屋に乱雑に広まっていきますが、そのうち芳香剤のケースに元通りに帰ってくるという事はまずあり得ないというのがエントロピーの法則。
万物には常に均一になろうとする力が働くのでこのようにどんどん広まっていくわけですが、水分子も例外ではなく水分子が多い所から少ない部分に乱雑に広まって行っているわけですね。
この時に、周囲の空間の温度が低かったり、湿度が高いと水分子がなかなか拡散していかないので洗濯物は乾きづらいという事に。
一方で温度が高いと水分子の動きが激しくなり、空間中に多くの水分子を含める飽和水蒸気量も関係してくるので拡散が激しく起こって洗濯物はすぐに乾く事に。
また、風が吹くと洗濯物の周りにある湿った空気が風と共に遠くに運ばれて、乾いた空気が運ばれてくるので水分子がどんどん移動して洗濯物が乾きやすくなるという原理。
つまり早く洗濯物を乾かすには暖かくて湿度が低く、さらに適度な風も吹いている環境がベスト。
ちなみに草野先生がおすすめする洗濯物の干し方が円筒干し。
用意するのはプラスチックハンガー、糸、太めの針金。
肩の部分に針金を通して60cmの輪を作って余分な部分を切り落とし、
洗濯物の外だけではなく、内側でも拡散が起こり、そこを煙突のように風が通ることで乾きやすくなるという原理。
乾きにくいバスタオルなどを乾かす際、ピンチハンガーで囲うように吊るす囲い干しが一番早く乾くのは同様の原理だったり。
という事で3問目は以上。
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