新幹線でシートベルトをしなくていいのはなぜ?チコちゃん
24年4月26日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『新幹線でシートベルトをしなくていいのはなぜ?』の答えなど簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】EXILE NAOTO、若槻千夏
【VTRゲスト】なし
新幹線でシートベルトをしなくていいのはなぜ?
1問目の出題は、
なんで新幹線に乗る時はシートベルトをしなくていいの?
チコちゃんの答えは、
新幹線は急ブレーキをかけないから
解説は早稲田大学の近藤圭一郎教授。
そもそも新幹線はモーターを電気で回して車輪を動かして前に進んでいきますが、車輪と一緒に回転するディスクを両側から挟んで物理的にスピードを落とすのがディスクブレーキという仕組み。
さらに電気を使ったブレーキシステムも搭載されていて、新幹線が前に進む力を10とすると、電気を使ったブレーキを作動させると10の力のうち3を使って発電がスタート。その結果進む力が7に下がって徐々にスピードが落ちていくというブレーキシステムも搭載。
ちなみにこの時に発電した電気は他の新幹線の走行に有効活用されていたり。
このように新幹線は2つのブレーキを併用して停車しており、急ブレーキが必要な時は主にディスクブレーキが活躍しますが、新幹線の時速約300kmという猛スピードだとブレーキのかけ始めから停止するまでに約4kmの距離を要するとの事。
スポンサーリンクつまり新幹線の急ブレーキは急ブレーキではないという事実。
その為に急ブレーキの必要が無いように新幹線は徹底的に安全に配慮して作られていて、そのポイントになるのが以下の3つ。
- ATC
- 新幹線専用の線路
- 人の力による安全管理
【ATC】
ATC=自動列車制御装置は列車同士がぶつからないように自動的に制御するシステムで新幹線に搭載された装置が前を走る車両の位置を常に把握していて、どの程度の速度であれば前方にぶつからないか絶えず制限速度を計算。
さらにその制限速度を上回った場合は自動的にブレーキがかかるという安全対策。
このATCは世界の高速鉄道で初めて東海道新幹線が実用化した画期的なシステムで新幹線の安全対策を語る上では大黒柱といえる存在。
また、地震などの緊急時には乗客の安全に配慮したブレーキをかけて速やかに停車。
【新幹線専用の線路】
海外の新幹線にあたる高速鉄道(例:ドイツのICE、フランスのTGV)では都市部で在来線と同じ線路を使用する運用がされているために、車両同士や踏切から進入した車両との衝突事故が起こるリスクがありますが、日本の新幹線の場合は高架や柵で囲まれた新幹線専用の線路を使用。※一部区間では在来線の線路を低速度で走行するケースも
その為に新幹線は開業以来、新幹線どうしの衝突事故ゼロという世界でも類を見ない高い安全性をキープ。
【人の力】
JR東海の新幹線すべての修理点検を一手に担う東京・大井車両基地にある検修庫では車両のメンテナンスが徹底して行われていますが、その中には打音検査といってボルトを叩いた時の音の違いでボルトの締まり具合を確認する検査メニューも。
その他にも線路や電気設備の異常をチェックする新幹線のお医者さん・ドクターイエローも活躍。
ドクターイエローは新幹線と同じ速度で走りながら電線のすり減りを測定したり、電気の流れ方、ATCの動作確認などをリアルタイムでチェック。
ちなみにドクターイエローの走行ダイヤは非公開となっていて、その姿を見るのはレアと言われていますが、ずっとホームに居続けてドクターイエローと遭遇できる確率は約10%で自販機の下にお金が落ちている確率と大体一緒だとか。
また、新幹線と飛行機の比較という点では飛行機の場合、離着陸の時や上空で気流が乱れた時などに機体が大きく揺れるリスクがあるのでシートベルトの着用が義務付けられているとの事。
一方、路線バス(市内を循環するバス)でもシートベルトをする必要がありませんが、路線バスでは速いスピードで走るのシーンが想定されておらず、さらにシートベルト着用義務で利便性が損なわれるという理由でシートベルトはしなくてもOKというルール。
たしかに高速道路を走行するリムジンバスなどになるとシートベルトの着用義務がありますしね。
という事で1問目は以上。
※同放送回のその他の疑問はコチラ
NHK「チコちゃんに叱られる!」に関する全記事はこちらのリンクから