曲のサビと言うのはなぜ?語源が不明の最大ミステリー チコちゃん
24年10月11日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『曲の一番盛り上がる所をサビというのはなぜ?』の答えなど簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】浅野ゆう子、武尊
【VTRゲスト】なし
曲の一番盛り上がる所をサビというのはなぜ?
2問目の出題は、
なんで曲の一番盛り上がる所をサビっていうの?
チコちゃんの答えは、
音楽業界最大のミステリー
解説は国語辞典編纂者の飯間浩明さん。
曲の構成は一般的にイントロ、Aメロ、Bメロ、サビといった具合に進んでいきますが、イントロダクション、A・Bメロディーとその他が英語で表現されているのに対してサビだけは日本語。
英語だとサビに当たる部分をコーラスと呼ぶので、サビは日本独自の言い方になると飯間先生。
そんな飯間先生が携わった三省堂国語辞典にはサビの語が載っていますが「語源が不明」とはっきり書いていあるのはこのサビの項目だけとの事。
という事でここからは椙山女学園大学の芝垣亮介教授、フェリス女学院大学の川本聡胤准教授を交えて「サビ」の語源について議論。
その語源については有力とされるものが3つあるようで、
- 錆び声説
- わび寂びの寂び説
- わさび説
【錆び声説】
実は辞書によってサビの説明は様々でデジタル大辞泉によると語源は不詳としつつも「さびのある声」と同語源ではないか?という記述。
錆び声がどんな声なのかについても詳しい資料が残っていないので、詳細は不明だそうですが、明治時代に端唄などで用いられた「渋い枯れた声」を指して良い声という意味で錆び声と称していたとの事。
この良い声=錆び声という認識が音楽業界全体に浸透するにつれて、いつのまにか一番盛り上がる部分をサビというようになったというのがこの説。
ただし錆び声からサビに転じたと明確に書かれた資料は存在しないのであくまで推測の域を出ないというのが飯間先生の主張。
【わび寂びの寂び説】
わび寂びとは日本特有の美意識で、「寂び」を汚れや欠けなどの劣化と捉えるのではなく変化が織りなす美しさと解釈する事。
新選国語辞典には「寂び」を歌の一番盛り上がり所とする説明書きがありますが、失う事を美意識とする考え方と歌の盛り上がりがどう一致するのか?については議論の的。
【わさび説】
わさびの量が多いと鼻にツーンと来るので表情に変化が生まれるのが普通ですが、そこから転じて曲に大きな変化が現れる部分をサビと呼ぶようになったというのがこの3つめの説。
ちなみに川本先生が日本で初めてサビが明確に入った曲として挙げたのが1936年に古賀政男が作曲した「東京ラプソディー」で、これをもとにすると1936年以降にサビという言葉が誕生したのではないか?という考え方も一つあり、1941年に書かれた「誰でもわかる合唱の知識」という本には「サビ=わさび」が由来なのでは?という記述。
そして1941年以降に書かれた音楽関連の本には「わさび」がよく登場するようになったようで、1950年~60年代にかけてクセのあるものを「わさびがきいている」と表現した事も手伝って、音楽業界全体でもわさびという言葉がよく使われた時代があったと芝垣先生。
ただしこれについても明言が避けられているのでやはり確定的な事は何も言えず。
つまり語源は色々考えられるものの音楽業界最大のミステリーという事で無理やりまとめ。
という事で2問目は以上。
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