プレバト俳句冬麗戦2025 出演者&結果 冬タイトル戦優勝者は千原ジュニアで4年ぶり
25年1月16日放送の「プレバト」は冬の俳句タイトル戦・冬麗戦のファーストラウンド&決勝という事で2024年の優秀句に選ばれた出演者や作品ランキング結果など一覧でまとめてご紹介。
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出演者
【名人・特待生 11名】
森口瑤子、犬山紙子、的場浩司、梅沢富美男、森迫永依、ダウ90000蓮見、フルポン村上、千原ジュニア、フジモン、キスマイ横尾、中田喜子
矢柴俊博、清春、大友花恋、野村麻純、水田信二
全16名。
まずは冬麗戦の出場権を獲得する事になった2024年の優秀句から発表。
スポンサーリンク2024年優秀句一覧
2024年に詠まれた全313句の中から夏井先生が選んだ年間優秀句16句を一覧で。
梅沢富美男『苗代の桜や 鬼の住まいする』
フジモン『弟に 秘密の秘密基地 真夏』
キスマイ横尾『雪渓のピザ屋 品川ナンバー来』
フルポン村上『星明かりほどの 重さの子に 汗疹』
千原ジュニア『故郷の 苜蓿(もくしゅく)の香は 濃かりけり』
的場浩司『三日月や 真朱の隠岐に 藍の波』
森迫永依『薄めたシャンプー 朝冷のワンルーム』
ダウ90000蓮見『夏暁の納沙布 FMのノイズ』
中田喜子『ケーナの音 麦の風吹く 秘密基地』
森口瑤子『ふわっと ふらここ 水平になる手前』
犬山紙子『生家のこでまり 甘やかな退屈』
矢柴俊博『網棚に 置きし卒論 冬の朝』
清春『良夜なり フロアを包む アルペジオ』
大友花恋『風爽か 豚骨臭の シーン8』
野村麻純『まどろみの 友は臨月 夏氷』
水田信二『夕虹の列 前の男の 傘当たる』
スポンサーリンク11位~16位最下位
地上波の放送で紹介すらされない屈辱の下位グループたちから。
16位最下位 野村麻純『蒲団剥ぎ青息 こむら返りかな』
大ピンチの割には全体の調べが悠長になってやけに落ち着いているのが最大の問題点。
『こむら返りの青息 蒲団剥ぎ捨てる』ぐらいにもっと強い表現をしないとこむら返りのワードに釣り合わないと夏井先生。
15位 大友花恋『凍つ夜や 涙が出ずに テイク10』
“凍つ夜”は文法的におかしいので”凍つる夜”が正解。
『凍つる夜や 涙の出ない テイク10』の添削案。
14位 中田喜子『すりの標的 きび返す 赤コート』
スリに遭っている被害者が赤コートなのか、犯人が赤コートなのか曖昧。
あえて曖昧にしているという狙いなら『すりの残像 きび返す 赤コート』といった工夫が欲しかったと添削。
13位 フルポン村上『子の薬手帳は 厚く春を待つ』
俳句としてはしっかり成立していて、季語の”春を待つ”も主役になっているものの、大ピンチの句というよりかは子の頑張りを労わるような句の印象が強くなっているので評価は低く。
12位 的場浩司『冬麗や 鈍色(にびいろ)の影 父は逝く』
『父逝くや 冬麗を 鈍色の影』と語順を変えると追悼句として良句に。
11位 ダウ90000蓮見『締め切りは昨日 冬暁の部屋』
締め切りはもう既に昨日になっている点は面白い着眼点。
『締め切りは昨日 冬暁が痛い』と場所やアイテムではなく心情を置くことでより切迫感。
スポンサーリンク4位~10位
10位 梅沢富美男『朽野(くだらの)や 我が病の名 ひとづてに』
あらゆる草が枯れ切った野原という意味の季語”朽野”を使ったのは流石。
ただし冒頭の詠嘆で句が一度途切れているので、残りのフレーズはスムーズに調べを流して欲しいという夏井先生の注文。
“我が病の名”で半拍ぐらい置いてから下五に続くので調べの流れがちょっとイマイチ。
『朽野や 我が病名を ひとづてに』とすると調べが流れるようになる添削案。
「こんな簡単ことぐらい気付いてくれよ。」「なんで普通にやらないの?」と夏井先生から厳しいダメ出しに「永世名人だからちょっと気取ってみたのよ!」とわめく梅沢富美男。
“再検査告知”と”クリスマス”の取り合わせは対照的でその対比の妙が面白い句ながら”さらりとクリスマス”と続けてしまうと、再検査を告知されたのにのんきにクリスマスを過ごしたといった意味の句に解釈出来るのが最大の問題点。
病院としては日常業務なので再検査であってもさらりとというのが本来の作者の意図なので齟齬。
『デスクに聖樹 さらりと 再検査告知』と大胆に書き換えると、デスクに小さなクリスマスツリーが飾ってある中で、さらっと再検査告知をされたという作品に。こうしていれば1位の可能性もあったと夏井先生。
店としても人物としても大ピンチが伝わってくる一句で、実体験をヒントに作られた作品という事でリアリティ抜群。
「実体験が一番良い」と何度もアドバイスしている夏井先生としては、まさにこれという一句に。
スポンサーリンク飛行機の乗り継ぎを失敗して、やっとモーテルに辿り着いたというがっくりな心情が季語の”寒影”に託されていると夏井先生。
音数の多い”ロストバゲージ”の言葉一つで大ピンチのテーマを一気にクリアする言葉選びのセンス。
冷たい夜空に星条旗だけがはためいている様子を描写する事で、心細さや不安を表現しているのもアイデア。
未熟児で生まれて来た自身のエピソードを詠んだ一句。
数詞から始めて”や”で詠嘆するという思い切った形で、残りのフレーズに季語を入れて音数を整えるのはかなり難しい型ながらこれを破綻なく作っている点を高評価。
五七五にするにはシンプルに『春待つや 千五百グラムの 嬰児』にすれば良いわけで、”千五百グラムや”を強く打ち出したい、”春を待つ”に希望をのせるという作者の狙い。
冬のライブで指から血を流しながらギターを鳴らしている様を詠んだ一句。
冬帝は冬を擬人化した季語で、”冬帝のライブ”と置くことで王のように舞台を支配しているロックスターの様子がありありの浮かんでくる面白い使い方。
俳句の構造でいうと”冬帝の”で5音を使い”ライブ”の3音が中七に入っていく句またがりの形。
“血指”は不慣れといった意味も持っているようで、30歳を超えてギターを始めたという清春の本人エピソードとも完璧に合致していて「よくこの言葉を見つけて来た」と夏井先生も感心。
スポンサーリンク決勝進出のトップ3
ここからは1stステージを突破して決勝に進める上位3作品。
股関節の難病であると医師から診断を受けた瞬間に思わず膝にかかっていたコート(外套)を握りしめたという本人エピソードを詠んだ一句。
“難病や”と詠嘆してから五七五に入れ込んでいくテクニックは流石。
持っていたものを思わず握り締めるといった句は多くあるものの、コートの裾を選んだセンスはなかなかの物で、難病に立ち向かう際の鎧、心細さを守ってくれる存在のようなイメージも手伝って良い選択。
最後は”握り締む”と言い切る形にする事で作者の心理を表現。「きっちりかっちり見事な作品」と夏井先生。
貼り紙に書いてあるような文言をそのまま冒頭に持って来るアイデア。
『凍星や 新札不可の パーキング』にすれば五七五になるものの、作者として一番表現したい”新札は不可”の大ピンチをより印象付けるにはやっぱり冒頭に持って来るのが正解。
時事ネタを俳句にするのはなかなか難しいものの”凍星”の季語を適切な位置に持って来ているので俳句として破綻なしで「よく出来ました。」と夏井先生。
スポンサーリンク切羽詰まった稽古場の様子を季語の”風邪”がしっかり伝えていると夏井先生。
季語がしっかり活きている、テーマの大ピンチを上手く表現している、添削ゼロと3つの要素をしっかり押さえて1位通過に決定。
親戚が集まって笑っている中、自分は浪人生として一人で黙々と勉強しているシーンを詠んだ句。
一月だからこそ独りの自分を意識してしまうという作品テーマを伝えるために一月という季語が大きな働きをしている点は高評価。
立川志らくと同様に笑いと対極にあるものを持ってくることで大笑いを強調するそのアイデアも優勝の要因に。
スポンサーリンク決勝戦
“開演ブザー”は皆似たようなイメージ(音や映像)を想起させる力のあるワードで、チケットという物にストーリーを語らせて、着膨れの季語で〆。最後の”どこ”の余白の作り方も巧み。
保冷剤が”温し”になっているので時間経過を描写している点は上手。
必要な言葉が必要な位置に置かれているので俳句としてしっかり成立。
ただし次点の2作品は大ピンチとまでは言えない点が優勝を逃した敗因に。
“尿瓶”というワードと”凍つ”の季語を合体させる事で、尿瓶の冷たい感触や暗闇の冷気などが凝縮されていると夏井先生。
生々しい大ピンチの体験を季語を主役に立てて詠んでいる一句という事で文句なし。
という事で2025年冬麗戦の優勝者は4年2か月ぶりの優勝となった千原ジュニア。
以上、冬麗戦2025結果でした。
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