レトロを懐かしいと感じるのはなぜ?実体験が無いのに感じる理由は?チコちゃん
25年2月7日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜ体験した事も無いレトロを懐かしいと感じる?』の答えなどまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】津田健次郎、キムラ緑子
【VTRゲスト】なし
なぜ体験した事も無いレトロを懐かしいと感じる?
3問目の出題は、
なんで体験した事も無いのにレトロな物を見ると懐かしいと感じるの?
チコちゃんの答えは、
親が懐かしがっているから
解説は立正大学の浅岡隆裕教授。
そもそもレトロという言葉はretrospective(レトロスペクティブ)という言葉の略語で古きよきものを懐かしんだり、愛好する事を指す言葉。
現代の令和の感覚からすると既に平成もレトロの対象となっているほどに時代の流れは早いものですが、こういったレトロブームは強弱はあれど昔からずっと続いているというのが真実。
例えば1980年代後半に多くの若者がディスコ通いに明け暮れたバブル時代をなぞる形で2017年に登美丘高校ダンス部のバブリーダンスが注目を浴びたり、2005年には昭和30年代を舞台にした映画「ALWAYS 三丁目の夕日」が話題作になったり、1990年代にはレトロを題材にしたテーマパークや博物館が各地に建ってレトロ観光地ブームが起こったり。
スポンサーリンク昭和時代でも大正や明治の頃をレトロとして懐かしむ文化があったようで、明治時代の文豪である永井荷風は自分が生まれる前の江戸時代の文化をこよなく愛していて日本の近代化に異を唱えていた人物だったり。
小京都(栃木・佐野)や小江戸(埼玉・川越)と呼ばれる歴史的な街並みが現代にも残っているのは明治時代の人たちが右に倣えですべてを近代化するのではなく、古い物に価値を見出して保存しようと努力した証。
こうした脈々と受け継がれるレトロに対して抱く感情というのは「社会的共通体験」によって生まれるという説が有力で、レトロと感じる対象というのは実は全くの未知で未経験というわけではなく、自覚は無くてもそれに近い物は触れた事があるケースがほとんどと浅岡先生。
例えば家のクローゼットから出て来た親が若い頃に着ていた服を見てオシャレだと感じたり、家族で行ったカラオケで親が歌う昭和歌謡の良さに気付いたり、テレビなどで昔を振り返る番組を見て親が「懐かしい!」と言っている場面に遭遇したりといった経験をする事で「これが懐かしい物なんだな。」と自然と子どもは認識するようになり、いつしか同じような感情を抱くように変化。
実際に浅岡先生が行った1000人を対象にした調査でも昭和30年代の昭和レトロについて約半数の54%にあたる人が「親や祖父母から聞いた」というきっかけで知っているというデータ。
上の世代が懐かしくて良いと思う価値観がそのまま下の世代にも刷り込まれるという現象はとても自然な事で、伝統的価値観や地域性の伝承が続いていくのと同じような原理だと浅岡先生。
という事で3問目は以上。
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