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錦織圭選手の2016ATPワールドツアーファイナルズ3戦目。チリッチ戦


1勝1敗で迎える第3戦はマリン・チリッチ選手です。実は錦織圭選手の不得手なタイプの選手で、198cmの長身から放たれるサービスを軸に攻めてきます。今シーズンは直近のバーゼル大会で対戦しており、その時は敗れています。また、初めてのグランドスラム決勝の舞台で戦った因縁深い相手でもありますね。

キャリアを通じてのhead-to-headでは錦織から見て7対5と勝ち越してはいますが、直近は連敗しており、苦手選手になりつつありますね。

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マリン・チリッチ選手の特徴は?

チリッチ選手の特徴としては、いわゆるビッグサーバータイプの選手ですね。ただ、サーブのみに頼るというわけではなく、ストローク力も十分に備えており、スピン量を抑えた、かなりフラット寄りのショットが武器です。

ラリーを続けるよりは早い段階でウィナーを狙ってくる選手ですが、守備力はそんなに高くありません。長身選手の宿命みたいなものですが、左右に振られるとフットワークがついていかなくなる場合が多いので、振り回されるとちょっと厳しくなります。

錦織がジョコビッチ、マレーの2強以外で苦手なタイプの選手というのがまさにこんなタイプでサーブが強くてストロークはフラット系、ラリーに付き合わずに早い段階でウィナーを狙ってくる選手には完敗するシーンも多く見られます。

他には復調してきた、アルゼンチンのデルポトロ選手やアメリカのビッグマン、イズナー選手なんかがそれに当たります。今大会の別ブロックに入ったカナダのラオニッチ選手も割りと似た傾向になりますね。

1stセット

試合展開としてはチリッチのサーブの出来がどの位になるのかと、錦織がラリーでどの程度主導権を握れるのかがカギになってきますね。とは言っても、錦織の試合の趨勢はほぼそれに集約されてしまうわけですけど。1stセットに関しては錦織の理想の展開だったと思います。

チリッチのサーブに対して、特に2ndサーブでよく攻撃できていたこともあって、2回のブレイクであっさりと取ってしまいました。2ndサーブでかなりポジションを下げて、攻撃的にリターンするよりも深くコントロールしながら返すことに主眼を置いたポジショニングが功を奏しました。

特に、ゲームが進むごとに、リターンのタイミングが徐々に合っていく感じがあって、1stサーブでも簡単にポイントを取られないようになっていくのは非常に良い傾向ですね。

2ndセット

早い段階でブレイクされてからは急速にプレーの精彩を欠いてしまいました。サーブの調子が下降気味になって、安易なエラーも増えてしまいました。1stセットはたった2だったエラーが2ndセットでは9です。1stセットのミスの少なさが逆に際立つわけですが、一気に緊張感が無くなってしまい、観客のリアクションも錦織のパフォーマンスに対してネガティブな雰囲気が漂っていました。

ここまで別人のようにパフォーマンスが落ちるのはいけませんね。既に決勝トーナメント進出は決めている状況で、次戦はジョコビッチ戦が決まっているわけですから余計に気になります。当然セットは簡単に落としてしまったわけですが、第7ゲームが終わった直後にオンコートストリングを頼んでいましたが、「47(メイン)、45(クロス)」という注文でした。

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一度テンションを指定してから少し考えてから訂正したように見えましたので、錦織としてもテンションに関してしっくり来てないのかなと感じました。ちなみに、クロス側のテンションを落とすとラケットの変形が抑えられる効果があるそうで、その昔、ラケットの強度は今ほど強靭ではなかった時代には10lbsも落として張るのが一般的だったそうです。

最終セット

気を引き締めなおして、錦織は徐々にペースを戻してきましたね。ただ、2ndセットの出来が悪すぎたことを引きずっているのか、錦織の攻撃的な姿勢が鳴りを潜め、おとなしくなってしまいました。カウンタープレイヤーであればこんな展開でも割と問題ないんですが、スキがあればウィナーを取りに来るチリッチ相手にこの展開だと、攻めてくださいと言っているようなものでマズイです。

よく、「錦織はコートカバー力が高くて守備がいい」なんていう言葉を聞きますが、それはあくまで、178cmという小柄な体格ということを加味した場合に限ります。ジョコビッチやマレー、ナダルと言った選手と比べると守備力は見劣りしますし、厳しいボールをカウンターで返す場面もそんなに多くありません。上には上がいるという意味では、決して守備力が売りの選手ではないということですね。

錦織vチリッチ サービススタッツチリッチ(左)vs錦織(右)

最終的なスタッツを見てみると、チリッチのサービスの入りは6割を下回っており、あまり良くなったということが分かります。それでも獲得率81%というのは流石にビッグサーバーという所でしょうか。エースが16という事も好影響していて流石ですね。錦織側で言うと2戦目のマレー戦に引き続いて「1stサーブの確率を最低でも6割」は達成できていますが、獲得率は64%と、72%だったマレー戦よりもかなり落ちてしまいました。リターン力で言うとチリッチよりもマレーの方が高いはずですので、この数字はやはり錦織の1stサーブでの攻撃が不足していたということでしょう。

錦織vチリッチ リターン、ポイントスタッツチリッチ(左)vs錦織(右)

最終的なトータルポイントは82対69でチリッチ選手が13ポイントリードで終わりました。まあボロ負けとは言えないまでも完敗です。リターンのスタッツはほとんどチリッチが上回っているので、このデータでは勝ち目はありません。2ndサーブに対してはよく攻撃出来ていたのがまだ救いですね。

これで対チリッチ戦は3連敗ということになってしまいました。2ndセットからストロークでのエラーが多くなって集中力を欠いてしまったのが全てだったようにも思います。

さて、次戦はいよいよ決勝トーナメントのジョコビッチ戦になりますね。ジョコビッチの完全無欠なプレーからはややプレー精度が落ちたような印象ですので、チャンスは十分にあると思います。良い試合が見られるよう期待したいところです。

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