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エラーの多さが全て。2016ATPワールドツアーファイナルズ決勝。マレーvsジョコビッチ


決勝戦を迎えた、ATPワールドツアーファイナルズですが、対戦カードはやはりと言うか、世界ランキング1位アンディ・マレー選手と2位ノバク・ジョコビッチ選手による頂上決戦となりました。二人の世界ランキング1位を巡るポイント差は僅かですので、この試合に勝った選手が今シーズンを世界ランキング1位として終える事となります。ジョコビッチにとっては6度目の優勝、さらには大会5連覇もかかっています。マレーが勝利すれば大会初優勝です。

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過去の対戦成績は?

24勝10敗とジョコビッチが大きく勝ち越しており、今シーズンの顔合わせでは3勝1敗でこれまたジョコビッチの勝ち越しです。しかもその全てがグランドスラムかマスターズ1000大会という規模の大きな大会における決勝戦での対戦ですので、いかにこの二人が安定して別ブロックから勝ちあがっているかが如実に分かります。

二人とも1987年の5月生まれで誕生日は僅かに1週間違いです(マレーが1週間早生まれ)。

今シーズンのマレーは77勝9敗。ジョコビッチは65勝8敗。今シーズンの獲得タイトルはマレー8つにジョコビッチ7つ。錦織のシーズン勝敗は58勝21敗で、獲得タイトルは1ですから二人とも圧倒的な数字を残していることが分かります。

1stセット

ややマレーの動きが鈍いかなと言う点と、左膝にやや不安があると言う点が気になるところでしたが、9分35分を記録した第6ゲームはターニングポイントとなったゲームでした。ジョコビッチが最終的にはサービスゲームをホールドしたこのゲームでしたが、内容はとても濃度の濃いものでした。ジョコビッチがライン際のボールをジャッジミスして見逃してしまったり、スマッシュを大きくアウトさせたりと、非常に不安定な姿が見られました。

ちなみに、これまでこの二人の対戦では1stセットを取った方が29勝を上げているそうです。マレーが1stセットを取った場合は10勝5敗。ジョコビッチは19勝全勝というデータが残っています。

第8ゲームは第6ゲームが布石になったようで、最終的にはマレーがブレイクに成功しました。

そしてマレーのサービングフォーザセット。こういうブレイクから即サービングフォーザセットにつなげられるのはトップ選手の貫禄ですね。何故かこういう終盤の勝負どころで一気にギアを上げてブレイクし、そのままの勢いでセットをものにするという流れはトップ選手に多く見られますね。

マレーのサービスではデュースサイドでボディに向かって食い込んでいくスライスサーブが非常に効果的でしたね。それに対して、腕を上手く畳んでバックハンドでリターンしていくジョコビッチは独特ですね。

ジョコビッチはやはり調子を落としているような感じです。

2ndセット

初っ端でいきなりマレーがブレイク。ここでもジョコビッチのエラーの多さが目立ちます。1stセットから合計10ゲームを消化した時点でマレーのベースラインでのポイントが26ポイントでジョコビッチは13ポイントと倍の差がついています。ジョコビッチは17エラーを数え、マレーは8です。ラリーではマレーが支配しているのがはっきり出ていますね。

1stセットから何度もカメラに捉えられていましたが、サッカースペイン代表のジェラール・ピケ選手が観戦に訪れていましたね。その隣には、俳優のケビン・スペイシーさん、他にはジュード・ロウさんも決勝戦を現地で楽しんでいたようです。また、シュバインシュタイガーとイバノビッチ夫妻も観戦していました。イバノビッチ選手はジョコビッチと同じセルビア出身ですから応援してたんでしょう。その他にもアーセナルのサッカー選手、オリヴィエ・ジルーや歌手のクリフ・リチャード、俳優のウディ・ハレルソンなんかも現地で観戦していたそうです。

ケビン・スペイシーとジェラール・ピケ

ジュード・ロウ

シュバインシュタイガーとイバノビッチ夫妻

それにしてもジョコビッチはチャンスボールでのエラーが多すぎますね。攻めに行く場面でボールがアウトしたり、ネットしたりと本当に良くないです。エラーは20を超えています。

さらには2ndセット第5ゲームでマレーが2度目のブレイク。ここでもジョコビッチのエラーが目立ちます。逆にマレーは中途半端にネットに出てきたジョコビッチに対して、バッククロスを鋭く決めてプレーが冴えてきてます。

ここでブレイクバックで返すジョコビッチは流石ですね。これで1ブレイク差まで詰め寄りました。

続く第7ゲームではジョコビッチの攻めの姿勢が際立ってラブゲームでのホールドとなりました。何か、ジョコビッチの持つ空気感が変わったような気がします。ひょっとするとここから巻き返すのか。

第8ゲームではマレーがサーブを打った瞬間にストリングが切れるというシーンもありましたが、ここは安定してサービスホールド。

最後はマレーのサービスでジョコビッチが粘りを見せますが及ばず。ジョコビッチのリターンがアウトのコールを受けた瞬間にアンディ・マレーの優勝が決まりました。早い段階でブレイクを食らったことと、試合を通してエラーが多すぎたのがやはり痛かったですね。

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最終的にはジョコビッチのエラーは30に達し、ウィナーは13にとどまりました。対してマレーは15のエラーと13のウィナーでした。ここまでエラーの差がでてしまうとマレーとしては楽にポイントをもらっていた状況ですね。こうやって見るとお互いにウィナーはあまり狙わないというカウンタープレイヤー同士の対戦だったという事が良く分かります。

ちなみに、試合後のジョコビッチのコメントではバックハンドでのミスが多すぎたという反省の弁を口にしています。

マレーvジョコビッチ スタッツ02左マレー                     右ジョコビッチ

ポイント獲得率で見ると差が出ていますが、実質のポイント差で言うと27対26と13対11なのでサーブに関しては実はあまり差が無かったことが分かります。

マレーvジョコビッチ スタッツ03左マレー                   右ジョコビッチ

リターンのスタッツに関してはマレーの1stサーブに対するリターンと2ndサーブに対するリターンが逆転しているのがおもしろいですね。1stサーブを返した時の方がよくポイント出来ているということですね。全体的にマレーのリターンの方が良かったというデータです。

ということは、もう分かりきったことですが、ジョコビッチのエラーの多さがこの試合の命運を分けたということですね。

試合後の反響

アンディ・マレー選手にとっては、世界ランキング1位でのシーズンフィニッシュと、ツアーファイナルズ初優勝の二つのトロフィーを手にした記念すべき日となりました。以下はSNSなどの反応です。

素晴らしいシーズンと有終の美におめでとう。 by ケビン・アンダーソン選手

ノバクの勝利に始まり、アンディの勝利、そして世界ランク1位に終わる。素晴らしいシーズンだった。二人ともおめでとう。by ロジャー・フェデラー選手

ランキング1位おめでとうアンディ。すばらしい活躍だった。 by ファン・マルティン・デルポトロ選手

なんという王者だ。素晴らしかったよ新世界王者アンディ・マレーに拍手。by リュカ・プイユ選手

世界ランク1位は素晴らしいよ。by トマス・ベルディヒ選手

世界ランク1位おめでとうアンディ。素晴らしいシーズンでそれにふさわしいね。また来年会おう。by スタン・ワウリンカ選手

母親のジュディさんは二人の息子のことを誇らしく思っていただろうけど、今日こそは特別だね。おめでとう。アンディとジェイミー。 by トミー・ハース選手

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素晴らしいシーズンエンディングを迎えられたねアンディ。そして3ヶ月のにも及ぶ圧倒的な力。おめでとう。 by ジェームス・ブレイク(元テニス選手)

おめでとう友よ。ふさわしいね。 by マーディ・フィッシュ(元テニス選手)

素晴らしいタイトルと世界ランク1位おめでとう。特別な1年と信じられない努力に拍手。ヨナス・ビョルクマン(元ダブルス世界王者で2015年、マレーのコーチ担当)

ウィンブルドン、オリンピック、世界ランキング1位。素晴らしい一年だったアンディ。by ジャスティン・ローズ選手(イギリスのプロゴルファーでリオ五輪金メダリスト)

素晴らしい試合と素晴らしい一年。レジェンドの一人ね。そして世界ランク1位おめでとうマレー選手。 by ニコラ・スタージョン(スコットランド首相)

ツアーファイナルズ優勝と世界ランク1位おめでとう。驚くべき一年に皆誇りに思っているよ。by デーヴィッド・キャメロン(元イギリス首相)

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私のお気に入りのアンディ。世界ランク1位おめでとう。 by パトリック・スチュワート(俳優)

勝利を心から願う人がどんなものか久しく忘れていたような気がするわ。拍手。 by J・K・ローリング(作家)

共に世界ランク1位だ。 by ジェイミー・マレー(アンディ・マレーの兄で2016ダブルス世界ランキング1位)

最後のジェイミー・マレー選手は先にダブルスでの2016年シーズン世界ランキング1位を確定させていましたので、兄弟での世界王者誕生となりました。

ジェイミーとアンディ

左が兄のジェイミーで右が弟のアンディですね。

最後に今シーズンのアンディ・マレーの記録について。

  • シーズン最後は24連勝で終える。
  • マスターズ1000大会3つを含む9つのツアーで最多優勝しツアーファイナルズでも優勝
  • ジョコビッチの今大会5連覇を阻む
  • ツアー最多優勝で自己最高である78勝を飾る(今シーズン78勝9敗)
  • そして世界ランキング1位でのシーズン終了をキャリアで初達成
  • 第17代世界王者に輝く

アンディとトロフィーおめでとうアンディ・マレー選手!

これで、来シーズンはとても楽しみになりました。しばらくはジョコビッチの1強時代が続くかに思われたATPツアーでしたが、やや混沌としてきた様子です。ラファエル・ナダル選手はアブダビでの試合でツアー開始となるようですし、ロジャー・フェデラー選手もツアーに帰ってきます。錦織選手のさらなる飛躍も期待したいところです。錦織選手のグランドスラム初制覇見たいな~。

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