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ブラジルのサッカーチームも搭乗していた航空機が墜落。6名の生存を確認


コロンビアの都市メデジン(Medellin)近郊でブラジル1部所属のサッカーチーム「シャペコエンセ」のメンバーが搭乗していたチャーター機が墜落しました。75名が死亡、生存者が6名救出されたが、うち1名は病院への搬送中に死亡が確認されました。

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事故のあった機体の先代モデルであるブリティッシュ・エアロスペース146 通称「BAe 146」は主に短距離輸送を担う機体で乗客数は82人から112人乗りとされています。機は現地時間の28日月曜の午後10時前に救難信号が出され、その後にレーダーから消息を絶ったようです。管制塔へは電気系統のトラブルが報告されており、事故の原因と見られています。

シャペコエンセ

シャペコエンセは30日水曜日に行われる予定だった国際大会「コパ・スダメリカーナ(Copa Sudamericana)」決勝1stレッグでメデジンを本拠地とするアトレチコ・ナシオナルと対戦する予定で、機はボリビアのサンタクルスを経ち、メデジンに向かう途中だったとの事です。

メデジン市長のフェデリコ・グティエレス氏は「歓迎が悲劇に変わってしまった」とコメントしています。

事故を受けて、シャペコエンセは当クラブのFacebookページに「神のご加護が我々の選手、関係者、記者、その他の搭乗者にありますように」と言うメッセージを掲載しています。

Que Deus esteja com nossos atletas, dirigentes, jornalistas e demais convidados que estao junto com a delegacao. 

また、南米サッカー連盟会長アレハンドロ・ドミンゲス氏はシャペコエンセ関係者に対して哀悼の意を表明し、続報があるまで全ての活動を自粛する事を発表しています。

ジャンニ・インファンティノFIFA会長は「サッカー界にとって深い深い悲しみに包まれる日になってしまった。この困難な状況にあって、犠牲になった方やその家族、友人と共にFIFAはシャペコエンセ関係者の全ての方に心から哀悼の意を表明する。」と発表しています。

生存者の存在が絶望視された事故現場から3名の救出が確認された際には大いに活気づき、より精力的な救出活動が行われていましたが、数時間たって振り出した強い雨と視界不良により山側からしか近づけない状態となり、救出作業は難航しているそうです。また、遺体の搬送作業も天候の回復を待って行われる予定だそうです。

地元TV局により、生存者3名が病院に搬送される映像が放送されており、生存者の一人であるアラン・ラスケル選手は脊髄に損傷を受けているそうです。また、2名のゴールキーパー、マルコス・ダニーロ選手、ジャクソン・フォールマン選手と、ブラジル人ジャーナリストのラファエル・ヘンゼル氏、ボリビアの搭乗員Ximena Suárezさん、Erwin Tumiriさんも病院に搬送されています。このうちマルコス・ダニーロ選手は搬送先の病院での死亡が確認されているようです。

※刺激の強い映像が含まれますので、閲覧には注意が必要です。

マルコス・ダニーロ選手は死の数分前に、搬送先のメデジンの病院から妻に電話をかけており、最期のメッセージを残していたとブラジルの複数のメディアが報道しています。

また、怪我の影響で今回の遠征メンバーから外れていたシャペコエンセ所属FWのアレハンドロ・マルティヌシオ選手はアルゼンチンのラジオ局の取材に対して、「怪我のためにこの事故から免れたことになった。」と話し、「同時に深い悲しみに包まれている」とコメントしています。

2009年にJリーグのヴィッセル神戸を指揮していた経験のあるカイオ・ジュニオール氏が現在シャペコエンセ監督を務めており、同氏の安否は今のところ不明となっていますが、彼の息子であるマテウス・カロリ氏はパスポートを忘れたために同機には乗り込めず、事故を免れたそうです。

彼のFacebookページにはメッセージをくれた人々に対して、自分はサンパウロに居て無事であるとコメントしています。

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機は72名の乗客と9名の搭乗員の合計81名が乗っており、このうち22名がチーム関係者で22名のジャーナリストも同乗していたようです。現地のラジオ局によると同機は今月に行われたサッカーアルゼンチン代表チームの遠征にも使用されており、またベネズエラ代表チームの移動にも使用されたものだったようです。

同機BAe146は1981年から2003年にかけて後継機であり、この度事故を起こしたAvro RJを含めておよそ400機がイギリス国内にて製造されており、そのうち約220機が現在でも就航中だそうです。ヨーロッパを中心として、アジア、アメリカ、アフリカの航空会社にも導入が進められましたが、日本の航空会社が運航していた記録はないそうです。

シャペコエンセのFacebookページでは月曜の朝にブラジル、サンパウロのグアルーリョス国際空港で出発を待つクラブメンバーの映像が公開されています。

小さな町であるシャペコのクラブチームであるシャペコエンセは今シーズン大活躍しており、2014年に初めてブラジル一部に昇格したばかりのこのチームはブラジル1部のカンピオナート・ブラジレイロ・セリエAにおいて9位につけるベストシーズンを過ごしていました。また、今年はコパ・スダメリカーナ決勝に駒を進めているところでした。同大会は欧州ヨーロッパリーグと同等のトーナメントと見なされており、南米サッカー連盟が主管するコパ・リベルタドーレスと並ぶ重要な国際大会で、アルゼンチンの強豪チームであるCAサン・ロレンソやCAインデペンディエンテやコロンビアのジュニオールを破ってシャペコエンセは決勝に進んでいたそうです。

CAサン・ロレンソといえば2014年に行われたクラブ世界一決定戦であるFIFAクラブワールドカップ2014で準優勝を飾ったチームですから、シャペコエンセにとっては快進撃が続いていたということで、このような悲劇が起こり、とても残念でなりません。

ちなみに、スルガ銀行チャンピオンシップと呼ばれるコパ・スダメリカーナの優勝チームとJリーグカップ優勝チームが対戦する国際大会が2008年より開催されており、既にJリーグカップ優勝を決めている浦和レッズとの対戦チームがどこになるのかは事故を受けて延期されてるコパ・スダメリカーナの日程次第になっている状況です。

また、今回の航空事故は過去に発生した同様の事故、古くは1958年2月6日に23名が犠牲になり、その内マンチェスター・ユナイテッド所属選手8名が亡くなった「ミュンヘンの悲劇」や、1972年の10月13日にラグビーチームの選手を乗せた航空機がアンデスに墜落したウルグアイ空軍機571便遭難事故を想起させるものです。

特にアンデスで起こった事故は人肉食が生存者によって行われた事がセンセーショナルに報道され、後に書籍化、映画化もされています。

今回の事故では、すぐに救出部隊が派遣されて、いち早く生存者の救出が行われていますので、遭難者の捜索とは事情が異なりますが、一人でも多くの生存が確認されることを祈るのみです。

追記:日付が変わった29日にはもう1名の生存者が確認されているそうで、エリオ・エルミート・サンピエル・ネト選手であると報道されています。これで生存者は6名になりました。修正に伴い、記事タイトルも「5名の生存を確認」から「6名の生存を確認」に修正しております。

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