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あらすじだけでは分からないドラマ「コード・ブルー 3rd season」を楽しむための基礎知識集


2010年に放送された2nd seasonから7年の時を経て続編が放送されている「コード・ブルー – ドクターヘリ緊急救命 – THE THIRD SEASON」ですが、今作から初めて見る人や、今までのシリーズを全て見ている人でもすっかり忘れてしまっているコード・ブルーに関する基礎知識集。

これまでのエピソードのあらすじを見るだけでは伝わりきらないちょっとした小ネタも含めて、これを見れば、よりコード・ブルーを楽しめるようになるはずです。

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コード・ブルーとはどんな意味?

タイトルにもなっている「コード・ブルー」ですが、容体が急変し蘇生が必要な患者が発生したという意味の救命救急センター(ER)で使用される隠語。

緊急事態発生・至急全員集合という意味と説明されます。

また、コード・ブルーで蘇生チーム自体を表現する場合もあるようです。

しかし、どの医療組織でも共通して使われている単語かというと実際には違うようです。

英単語の緊急コールなので当然、海外で使用されていたものが元で日本国内でも知られていると思われますが、国が変わると意味合いもちょっとずつ変わります。

アメリカ国内でも州が違ったり、病院単位でかなり地域差が出るようですね。カナダでコード・ブルーというと医療措置による閉鎖(例:学校閉鎖)という意味になるそうです。

また、最も広く使われる(多くの病院で共通の意味を持つ)コードに「コード・レッド」があり、これは火災が発生したという事を伝えるコードだそうです。

海外の医療ドラマを見るとすぐに分かりますが、病院内での連絡にPHSによる通話ではなく、ペイジャー(日本で言うポケベル)が使用され、文字によって情報伝達を行う運用方式となっているからこういったコードというものが生まれたんでしょう。コード・ブルーの意味 ペイジャー

海外ドラマのDr.HOUSE ドクターハウス Season1 第09話 「生きる希望」ではペイジャーにコード・ブルーを受信する映像も。Dr.HOUSE ハウス Season1 第09話 「生きる希望」 から コード・ブルー

MSGはメッセージの略。JOHN HENRY GILESは患者名のジョン・ヘンリーの意味で、後に続くRM. 324は324号室を表しています。

この後のシーンでは患者のジョン・ヘンリーの容体が急変して蘇生処置が必要な状況となっていました。

あくまでフィクションの世界ですが「CODE BLUE」の文字がしっかり確認できますよね。

コード・ブルーで使われる用語について

コード・ブルーでは劇中に登場する医療用語や隠語についてテロップで注釈がついたりという事もありませんし、だからといってセリフで軽く説明が入ったりということも特にありません。

まあ、基本的に知らなくても問題はありませんが、ちょっと気になりますよね。ここでは登場頻度が高いもので救命のシーンで多く使われているものを簡単に補足しておきます。

実はこういったフィクション作品の中では医学的にどういった意味か?という事よりも作品内でこの単語が出てきたらどういう意味として解釈すべきか?の方が大事だったりしますので、その辺も合わせて補足しておきます。

サチュレーション – 酸素飽和度の事で、パーセンテージで表す。通常は99%付近。この値が低下するということは呼吸器に異常が出ていると考えられる。「SpO2」も大体同じような使われ方をしています。「サチュレーション低下」=「呼吸器に異常があって息が出来ない状態」ぐらいの意味で捉えておきましょう。

意識レベル(GCS) – GCSはGlasgow Coma Scale(グラスゴー・コーマ・スケール)の略。「目の動き、会話、痛みへの反応」という3点で意識障害の度合いを判定する国際的な評価基準。目はEyeからアルファベット「E」、会話はVerbalの「V」、反応はMotorの「M」で表して、後に続く数字が小さいほど意識レベルは低下していることを表現します。「E1、V1、M3」なんて表現が劇中に出てきますね。

骨盤骨折 – 劇中に登場する骨折で一番多いのがこの骨盤骨折。骨盤が大きく損傷すると出血量が増えて、脈拍がとれなくなったりというケースもあり、昏睡、ショック状態に陥る場合があります。劇中では「重症の患者」を表現する場合に多用されるような印象ですね。早急な止血処置が求められるためにフライトドクターの腕の見せ所という意味合いもあると思います。

3rd season 第5話でフェローの名取 颯馬(有岡大貴)がうっかり見逃してしまったのがこの症状でした。

高エネルギー外傷 – 転落や衝突事故などで体に大きな衝撃が加わったと考えられる場合にはこのような名称が使われます。見た目には大きな怪我を負っているようには見えなくても重篤な状態になる潜在的なリスクを考慮して迅速に緊急搬送、処置が行われます。まさにドクターヘリが活躍する状況と言えますね。

受傷機転 – ヘリコプター内でフライトドクターが現場のレスキューチームに無線で問いかける際などで出てくるセリフでは「受傷機転を教えてください」という言葉が使われる事がありますが、これは原因や経緯の意味です。「いつ、どこで、どのようにして」傷を負ったのか詳しい情報が分かると診断や治療の重要なヒントになるためドクターにとってはとても貴重な情報となります。

白車、赤車 – それぞれ救急車、消防車の意味。これは1st seasonでセリフとして説明がありましたね。

サテンスキー(遮断鉗子、血管鉗子) – 英語表記だとsatinsky。Dr. Victor P Satinsky(ビクター・ポール・サテンスキー博士)がネーミングの由来。何を基準に言葉を使い分けられているのかは不明ですが、サテンスキーと言ったり、遮断鉗子(しゃだんかんし)と言ったり。血管を止血する時に使うラチェットがついたクランプの事ですね。コード・ブルー サテンスキー

指を入れるリング付近についているギザギザの部分がラチェットで、締め付ける強度を調整できるようになっています。これを締め付けていって止血が完了するシーンが劇中には何度も登場しますね。

開胸 – 胸にメスを入れて切開する手術。左開胸が主に用いられて、右開胸は肺損傷が疑われるケースのみに適用されるようです。左開胸では心損傷による心タンポナーデ(後述)の解除や開胸心マッサージ、下半身の大出血に対する大動脈クランプなどの処置が行えるために緊急時には開胸するメリットが多いようですね。

心タンポナーデ – 緋山が怪我を負った際に陥った状況でも出てきましたが、二層になっている心臓の膜(心膜)の間に血液や体液などの液体が溜まって心臓の動きを妨げる状態。心腔穿刺(心膜に針を刺して貯留物を抜く処置)を行ったり、チューブを挿入して排出を促すドレナージを行う必要があります。

茶色い液体 – コード・ブルーではボトルに入った茶色い液体を患者の肌にかなり乱暴にぶっかけてから手術を行うシーンが何度も登場しますが、あれは消毒液。要するに「イソジン」です。劇中ではイソジンを使用した後にすぐさま切開などの処置を行うシーンが出てきますが、30秒から60秒ほどの時間を置かないと消毒作用が十分に発揮しないのが正しい医学知識のようです。

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主要キャスト

藍沢 耕作(あいざわ こうさく):山下智久

主人公の1人で、寡黙で冷静沈着。というか無表情。それでいておばあちゃん子。これまでのエピソードで唯一涙を流すシーンは、認知症の症状が出ていた(後に回復)祖母の藍沢 絹江(あいざわ きぬえ)さんが一心不乱に売店でお菓子を買う姿を見たとき。

握りこぶしを握るようにして指をこすり合わせる仕草が癖で父親も同じ癖を持っている。※山下智久さんが自ら考案して作ったそうです。

外科のスキルも4人のうちで一番上とされていて、1st seasonの第1話からすぐにそんな演出で、困ったら藍沢にお鉢が回ってくる役柄ですね。

冷静で医者としての腕もあるため理想的な医者なのかと言えば必ずしもそうではなく、感情らしい感情を普段から全く見せず、患者に対しても正直冷たすぎるぐらいの接し方しかしません。

ただ、複雑な家庭環境に育ち、祖母に育てられた影響もあり、幼い子どもや親子の絆にはかなり敏感で優しい言葉をかけるシーンもいくつか登場します。

1st seasonでは「とにかく医者としての腕を上げる」ことだけに執着する、ちょっとねじ曲がったタイプのように描かれていますが、途中からそのキャラ設定は薄まっていきます。

指導医役で救命センターのリーダーだった柳葉敏郎演じる黒田 脩二(くろだ しゅうじ)に「病院に来たばかりの時は迷いなんてありませんでした。でも今は迷ってばかりです。」と言うシーンは彼の葛藤をよく表していると思います。

2nd seasonでは幼いころの自分の境遇についての謎解き要素が加わって、家族の在り方について苦悩するシーンも。

3rd seasonまで合わせて、着替えで上半身裸になるシーンが合計3回登場。サービスカットなんでしょうか?

白石 恵(しらいし めぐみ) :新垣結衣

一応、本作のヒロイン(?)的な立場。1st seasonでは医療知識が豊富でどちらかといえば頭でっかちなタイプとして描かれていましたね。ポケットにはいつも沢山のメモ帳が詰め込まれています。

優等生で、周りに嫌われないように気を使っており、本心は他人に知られないように振る舞っていたせいか、同僚の緋山からは「良い子ちゃんぶって」と皮肉を言われたことも。

それでも一緒に仕事をするうちに打ち解けていき結局はいつも一緒に食事を摂っている二人。

1st sesonの第8話で指導医の黒田を事故に巻き込み、その事故がきっかけで黒田は現場の医師としてのキャリアを絶たれ、その原因となった白石は大きなトラウマを抱えることに。

後に周囲の励ましもあって回復しますが、辞表も提出するぐらいに追い詰められていました。

2nd seasonでは同じく医師である父(明邦医科大学の教授で講演活動に積極的)の死期について知り、ショックを受けながらも乗り越えていく姿が描かれています。

全編を通して最も白石の可愛らしい魅力が全開だったシーンは2nd seasonで、いつの間にか行きつけになったゲイバーで酔っぱらうシーン。

酔っぱらいすぎて他の3人にガンガン絡んでいくシーンは優等生タイプがいつも隠していた本性が出てしまったようでした。

 

実はこのシーンでは藍沢がコメディタッチのキャラで描かれる唯一のシーンとも言えますので非常に貴重な場面でもありました。

ちなみにこの時登場したお店は改装されたのか3rd seasonにも登場。

同じ場所に建っているのかも分かりませんし、店名も「すれちがい」から「めぐり愛」に変わっていますので移転したのかもしれません。

お店の内装が豪華になっていることから繁盛はしているようですね。3rd seasonに登場した、藍沢がグラスの氷を振るアクションはこの時のシーンが元ネタですね。

緋山 美帆子(ひやま みほこ):戸田恵梨香

同僚に対しても敵愾心むき出しで、感じたことをずけずけと口にするタイプ。でも心優しい部分もあり、患者からの「ありがとう」の言葉が何より好きという一面もあります。

SP版では列車脱線事故の救護中に誤って落下、生死をさまようが後に回復。ただ、それ以降はその時の手術痕を隠すようにタートルネックを着るようになっています。

2nd season第6話では母親の最後の願いを叶えたいという思いから、脳死判定後の子どもの呼吸器を外すという判断を下します。

その際に母親の気持ちを思うばかりにDNR(do not resuscitate)=蘇生処置拒否の同意書にサインをもらう事をためらい、訴訟沙汰に巻き込まれます。

最終的には提訴は取り下げられたものの、遺族から「人殺し」と罵られたことがトラウマとなり、患者に接するのも難しい状態になります。

さらには謹慎処分が下されたことによって現場を1か月離れたことによって医師としての自信を失うことにもなりました。

後に周囲の支えもあっていつもの調子を取り戻しますが、コード・ブルーの登場人物の中で心も体も一番ダメージを負ったのは彼女かもしれませんね。

藤川 一男(ふじかわ かずお):浅利陽介

お調子者でムードメーカー的な存在。医師としてのスキルは4人の中でも下で、1st seasonでは黒田から直接「ヘリに乗ることは無い。他の病院を探せ」とバッサリ言われてしまった事もありました。

1st seasonではコメディパート担当で、病状自体は大した事がないものの一癖あるような患者さんは全て藤川が絡むという役柄でした。

2nd seasonではヘリに登場する機会も大幅に増えてスキル的に見劣りするという設定はほぼ無い状態となっていました。

全編通して演じる浅利陽介さんの両頬にあるニキビ跡が気になってしょうがないのはご愛嬌。

シリアスなシーンでもニキビ跡にどうしても目が行ってしまうので頑張って集中しましょう。

既に紹介した白石の泥酔シーンでも両頬をイジられるシーンがあるんですがワザとなんでしょうか?

冴島 はるか(さえじま はるか):比嘉愛未

主人公格の中では唯一医師ではなくナース。ただし、ナースとしてのスキルは抜群。藍沢ほど極端では無いが、割と感情を表に出さずに淡々と仕事をこなすタイプ。

1st seasonでは思ったことをずけずけと口にするキャラクターとして描かれており、冷徹なイメージも強かったですね。

難病であるALSを患った元医師の田沢 悟史(たざわ さとし)が恋人で、彼の残り少ない余生のケアをしながらも大切な人の死について向き合うことに。

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袖にある「stat and now」とは?

コード・ブルーではE.M.S.(Emergency Medical Services)=救命救急のスタッフが主に描かれ、濃いブルーのユニフォームの袖部分には「stat and now」という標語のようなものが記されています。左の袖部分ですね。コード・ブルー stat and nowの意味

これは「緊急・即座・直ちに」という意味のラテン語だそうです。ちなみに“stat”は“statim”という単語の省略形で、この単語だけで「直ちに」という意味になります。

右の袖にはローマ字で名前が表記されており、苗字のみフルネームで記載され、名前はイニシャルのみになっています。

フライトスーツの場合はstat and nowの表記は右肩部分になっており、IDカードの上に配置されています。左には腕章がついていますね。

3rd seasonの第1話ではE.M.S.に配属されたばかりの緋山。そんな緋山が仮で来ていたユニフォームには袖の標語はもちろんのこと背中の科名も無い状態となっています。翌日には正式なユニフォームを着てカンファレンスに参加していましたけど。

ちなみに脳外科(脳外 のうげ)のNeurosurgeryの黒いユニフォームの左袖部分には「challenge to God」=神への挑戦という標語が表記されています。

まだまだ解明されていない部分が多い未知なる脳へのアプローチはそれだけ人知を超えた領域でもあるということですね。

ちょっと気になる小ネタ

前回までのコード・ブルーは?

コード・ブルーでは冒頭に「前回までのコード・ブルー」というキャストによるナレーションで、それまでの簡単なダイジェストシーンをまとめた映像が流れるパターンがお決まりで、2nd seasonの第1話の冒頭もそんなスタートの仕方でした。

直前のエピソードだけではなく、それまでの数話のエピソードをまとめたものになるケースが多いですね。

ただ、今回の3rd season 第1話では省略されています。

ファンからすると冒頭から回想シーンも交えておさらいが展開されるとそれだけで感慨深いものがありますし、新規で見始めた人にもストーリーに自然に入っていける効果があると思うのですが、何かあえて省いた意図があるのかもしれません。

ただ、キャストによるナレーションでちょっとしたショートストーリーが冒頭に挿入されるパターンは踏襲されているようですね。

これが本編のエピソードと深くかかわってくるため結構重要なシーンでもあります。

3rd season 第5話では藍沢のナレーションによる「前回までのコード・ブルー」が遂に復活。

CS室

消防や救急と連携を取りながら、ヘリに指示を出したり、ドクターヘリの着陸場所を指定したりとかなり重要な役割を担うのがCS室。

それなのに1st、2nd seasonともに遊井亮子が演じる轟木 聖子(とどろき せいこ)しか登場しないのが不思議ですね。

3rd seasonではやっと新顔として伊藤ゆみ演じる町田 響子(まちだ きょうこ)が登場しますが、轟木さんの登場はあるんでしょうか?

外部からドクターヘリの出動要請がかかった際にちらっとCS(コミュニケーションスペシャリスト)室の方に目をやってCS室のスタッフが親指を立ててOKサインを送るシーンはコード・ブルーのパターンの一つ。これは町田さんも全く同じ動きとなっていますね。

そして「ドクターヘリ、エンジンスタート」の言葉を2回繰り返すのもお決まりでしたが、3rd seasonでは1回だけ。

レスキュー隊の救出時間

事故現場にドクターヘリが到着した際にはレスキュー隊と連携をしながら治療にあたるのが常ですが、がれきに邪魔されて動かせないような要救助者がコード・ブルー内で登場した場合には、大抵の場合救出までに30分から40分ほどの時間がかかるのがお決まりです。

レスキュー隊に対して「救出まであとどれ位ですか?」と問いかけ、レスキュー隊員が「30分から40分です。」と答えるパターンは何度も登場します。

つまり、その場で救命措置を行うしかないタフな状況が出来上がるわけですね。

【「コード・ブルー」に関する全記事はこちらのリンクから】

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