男性ホルモンのテストステロンが最も強烈に作用する体の部位は?
一般的に筋肉の発達のためには男性ホルモン(アンドロゲン)の作用が重要で、その代表格であるテストステロンの分泌量は筋肉の発達しやすさに直結すると言われています。ただし、各筋肉群によってテストステロンが作用しやすい筋肉と作用しにくい筋肉という差があり、本記事ではそのメカニズムについてご紹介します。
スポンサーリンクテストステロンの作用プロセス
そもそもテストステロンが筋肉に作用する場合には、
筋肉の細胞膜を通り抜けて、さらにその中にある核に入り、アンドロゲン受容体と呼ばれる器官と結合する必要があり、
この結合した受容体は遺伝子と結び付くことで多彩なたんぱく質の合成を促進するという流れ。
そしてアンドロゲン受容体の数は筋トレによって増大する事が確認されており、
「筋トレを行う→テストステロンと受容体が結びつく→筋肥大」
というプロセスを辿って筋肉が発達していくと考えられていたり。
つまり、筋トレを行えば行うほどに、アンドロゲン受容体の数が増え、より筋肉が発達しやすい体に変化していくというメカニズム。
別記事にあるとおり、筋トレは同時にアンドロゲンの一種であるテストステロンの分泌量を増加させるため、これらの働きが相互に作用する事によって筋肥大が起こるというわけですね。
どの部位が発達しやすいのか?
2000年に行われた研究によると、男子のパワーリフティング競技者を対象として僧帽筋と大腿四頭筋(外側広筋)を比較し、アンドロゲン受容体の量について調査が行われましたが、
その結果は僧帽筋における受容体の量が多いという事が明らかに。
つまり、僧帽筋はテストステロンに反応しやすい=発達しやすい筋肉ではないか?というのが現在の定説。
また、これと同じ傾向は肩や、上腕についても同様に指摘されています。
ステロイドにも関連性が?
先ほどの研究ではもう一つの調査が行われており、
それはたんぱく質同化ホルモン(一般的にステロイドと呼ばれる筋肉増強剤)の影響を調べるものでしたが、
このステロイドの影響は僧帽筋に対して特に強烈に作用して受容体の量を爆発的に増やすという事も分かっています。
という事はつまり、同じように肩や上腕などの上半身にも作用しやすいという事が言えるわけで、
ステロイドを使用しているボディビルダーでは首から肩、上腕にかけて極端に肥大した姿になりやすい傾向にあると言えるという理屈。
という事で以上、テストステロンが作用しやすい体の部位についてでした。
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