ジムで一番効果的な有酸素運動マシンのランキング。そのベストとワーストとは?
心肺機能を高めたり、脂肪の燃焼を促進したりとジムで行う有酸素運動では一体何をチョイスするのがベストなのでしょうか?
黙々と同じ動作を繰り返す有酸素運動では同じ単位時間当たりでも出来るだけ効果の高いものを選ぶことが重要です。
全く同じ時間有酸素トレーニングを行っても選ぶマシンによっては時間の無駄遣いになってしまうものもありますので要注意ですね。
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ベスト、ワーストの基準
本記事で紹介する有酸素運動マシンについては米国医師会で比較研究されたデータを基にしています。
また、米国医師会が発表した内容からアイルランドのダブリンシティ大学が同じ内容をリサーチを行ったデータについても検討しています。
実際行われたリサーチでは、室内で使用されるトレッドミル、ステーショナリーバイク(エアロバイク、スピンバイク)、ローイングマシン、ステップマシンなどジムに設置されている有酸素運動マシンについてそれぞれの単位時間当たりのカロリー消費量、心肺機能への効果などを測定、比較しています。
心肺機能への効果ではVO2max(最大酸素摂取量)の向上がどの程度見られるかを基準としています。
ということで科学的に検証され、ある程度信用できそうな、
ジムで一番効果的な有酸素運動マシンのランキング。そのベストとワーストとは一体何になるのでしょうか?
7位 リカンベントバイク
割と多くのジムで設置されていると思うリカンベントバイクですが、残念ながらワーストマシンで効果は期待できません。
リカンベント式のサイクルマシンでは上半身、体幹、お尻などを全てシートに接した状態でただ足を動かすだけという運動になってしまうため当然ながら消費カロリーへの寄与はあまり望めません。
動かす筋肉も少ないため、心肺機能の強化もあまり効率的には行えないようですね。
上半身に痛みがある場合や怪我をしている場合に下半身のトレーニングを行いたいという場合を除いては特に選ぶ理由がない有酸素運動マシンです。
ただ、逆の捉え方をすれば一番体に負担がかからないマシンとも言い換えられますよね?
ということでこれから本格的に有酸素運動を始めようというビギナーや体重が重くて関節に負荷がかかりそうな肥満気味の方には入門編としておすすめです。
スポンサーリンク6位 エリプティカル(クロストレーナー)
ちょっと聞きなれない単語のマシンかもしれませんが、画像を見ていただければ「あーあれか」と分かっていただけると思います。
かなり大柄な有酸素運動マシンでいかにも最新の設備のように感じますが、残念ながら効果はあまり高くありません。
「人間工学・バイオメカニクス」などの宣伝文句が踊るこの有酸素運動マシンはかなり負荷を上げて設定しないと普通に椅子に座っている時とさほど変わらない効果しか出ないという残念な結果も出ているようですね。
ここまで大げさな器具を使って座ってるのと変わらないなんてかなりショック。
しかも腕はただの添えているだけという使い方をしていませんか?それではさらに効果が限定的に。
しっかりと登山やノルディックウォーキングのストック(ポール)を使う感覚で、ある程度力を込めて握るのが負荷アップのポイントです。そうすれば上半身の筋肉にも刺激が入るので意識したいポイントですね。
リカンベント同様、体への負荷が小さいため、今まで運動習慣が無かった人や体重があって関節への影響が大きい肥満気味の人がスタートとして利用する場合にはおすすめ出来るという側面もありますので当てはまる方は要チェック。
ただ、気にあるのがマシンの特性である固定された軌道で足を動かすという点です。
エリプティカルなどの器具は海外製だったり、海外製品を模倣して作られている場合が高く、そうなると日本人の体格に合ったサイズなのかと言うとそれは疑問です。
大きな体格の人に向けて作られたマシンが比較的小柄な日本人に合うとは限らないのは知っておくべき事です。
5位 アークトレーナー
既に紹介したエリプティカル(クロストレーナー)に似た動きをするマシンですが、アークトレーナーでは足を乗せるステップの動きが弧を描くような動きになるという違いがあります。「アーク=arc」とは円弧という意味ですね。
元々、エリプティカルの足の動きをサポートするという目的で設計されたアークトレーナーでは多少足先の動きについて自由度が上がっているという点で効果が見込めますが、基本設計はほぼ同じため消費カロリーや心肺機能への寄与はあまり望めません。
エリプティカルやアークトレーナーがどのような触れ込み(宣伝文句)で販売されているかというとその実情は「ローインパクトトレーナー」です。こういった最新鋭のトレーニング機器は海外が発祥の地であることが多いのですが、その発祥の地ではそんな呼ばれ方をしているのが真実。
体、特に関節への影響を出来るだけ低減するという目的で作られたこれらのマシンはそれだけ「体に優しいマシン」になっていますので、当然ながらそれだけ「優しい効果」しか得られないということですね。
膝や足首などを痛めている人にはおすすめ出来る有酸素運動マシンですが、特に体に問題がない人では積極的にチョイスする意味はあまりありません。
スポンサーリンク4位 ステーショナリーバイク
恐らくどのジムにも置いてある、遭遇率の高い有酸素運動マシンであるステーショナリーバイク(別名:スピンバイク、エアロバイク、インドアサイクル)ですが効果は意外にもかなり高いようです。
バイクの運動では下半身のペダルを漕ぐ動きだけかと思いきや、上半身は姿勢を保つために力を使っているため、意外と全身への効果が見込めます。上半身の筋肉の寄与度がリカンベントタイプとの大きな差となって表れるようです。
適切なサドル高を設定し、上半身の姿勢をしっかり保つことを意識しながらペダルを漕げば良いチョイスとなりますね。
ママチャリの感覚で低すぎるサドルで漕いでいる人を見かける事が多いのですが、そうなると膝を痛めるリスクが上がりますのでサドル高の設定は適切に。
また、シューズとペダルを固定させるストラップはしっかりと締めるのがおすすめ。面倒で普通のママチャリを漕ぐときのように使っている人もいるかもしれませんが、とてももったいない話です。
ストラップを締める事でペダルを引き上げる際にも筋肉が働くようになりますのでストラップはしっかり固定するようにしましょう。
スポンサーリンク3位 ローイングマシン
ジムで見かけるという意味では珍しい部類に入ると思いますが、ボートを漕ぐような動きをするローイングマシン(ローイングエルゴメーター)は全身をダイナミックに動かすため、非常に高い効果が望めます。
研究データによってはジムマシンの中で最も効果的なマシンに選ばれる事もある隠れ1位マシン。ただ、置いてあるジムが限られるのが低い評価になりがちな原因。また、あくまで座っている姿勢なので体重が関節にかかり辛いというのもマイナスだったりプラスだったり。
重さが関節にかかる事が関節を強くする要因の一つだったりするのでそこは捉え方次第ですね。関節への負荷が優しいので故障持ちの人にはプラスですよね。
研究データによれば男性よりも女性の方が効果が望める可能性が高いということも示唆されています。
実はこのローイングマシンはかなり歴史の古いトレーニング方法で紀元前4世紀にボートの漕ぎ手が地上でのトレーニングに舟型の木製器具を使用した記録が残っています。その際に行われていたトレーニングでは実際にオールを持って熟練の漕ぎ手が初心者に漕ぎ方を教えるというような目的だったので有酸素運動として行ったわけではないようですけどね。
昔から船の漕ぎ手やボート選手は非常に高い心肺能力や筋力を持っているのは「オールを漕ぐ」という運動自体が非常に優秀なトレーニングメニューだからですね。
ただし、正しいフォームで運動をする事が大前提ですので、自己流だと間違った(楽な)フォームで運動している恐れもあるためその点は注意が必要です。
スポンサーリンクこの器具を使った室内競技会も開かれており、世界記録や国内記録(日本記録)なども認定されています。
こちらが競技会の様子が収められた視聴動画。
ちなみに世界最強の男(ワールド・ストロンゲストマン)がローイングマシンを漕ぐと・・・
こちらがその視聴動画。
100mを12.8秒というタイム。他にデータとして残っている記録が12.6秒というものがあるので世界記録というわけではありませんが(動画内では13.3秒というタイムが世界記録として取り上げられていますね)、特にローイングマシン用のトレーニングを行っていないとなっていますので、それを鑑みてみると驚異的な記録なのは間違いないですね。
ちなみに動画内に登場した世界最強の男(ワールド・ストロンゲストマン)はブライアン・ショー(Brian shaw)という人物で過去4度に渡って(ワールド・ストロンゲストマン)World’s Strongest Manの大会で優勝している怪力自慢。
その強烈なパワーでローイングマシンが浮き上がっているのが見て取れますよね。
スポンサーリンク2位 ステアクライマー(クライムミル)
ステアクライマー(クライムミル、他に製品名としてステアマスター、ステップミルなど)、
いくつかの呼び名があるこちらのマシンですが階段昇りを延々と繰り返すような動きが特徴の有酸素運動マシンですね。実は1983年に初めてアメリカで開発されたというそこそこ古い歴史を持つジムマシンなんですね。
かなり効果が見込めるマシンで、さらに負荷を上げるためには出来るだけ上半身の姿勢を保つように意識して、グリップ(取っ手)のサポートをあまり使わないように、理想的にはウォーキングをする時のように手を前後に振れるようになるとベストです。
ただ問題はジムで見かける遭遇率はかなり低いのが難点。
こちらが実際のステアクライマーの動作している姿が分かる動画。ミニチュア版のエスカレーターみたいなイメージですよね。
普段通っているジムに設置されている場合は、是非利用してみてください。
同じ歩行スピードでもトレッドミル上で行うウォーキングと比べるとこちらのクライマー上で行うウォーキングのほうがカロリー消費が多いというデータもあるので優秀なマシンですね。階段を上るのと歩くのでどちらがよりキツイか考えれば当然と言えば当然のデータではありますが。
スポンサーリンクただし、類似マシンであるステッパーとは似て非なるマシンなので要注意。
こちらの以下の動画がステッパーの様子。
足の上下の動きに合わせて台が追随していく動きがお分かりでしょうか?
こうなるとエリプティカル(クロストレーナー)やアークトレーナーの項で述べたような「ローインパクトトレーナー」の部類に入るので効果はガタ落ち。ワーストジムマシーンの仲間入りです。
1位 トレッドミル
ランニングマシン、ルームランナーなどの呼び名があるトレッドミルですが、結局一番効果が高いのは非常に古典的なマシンというのはいささかビックリですよね。
やはり全身持久力や消費カロリーを考えた時にはトレッドミルが最強の有酸素運動マシンとなります。
人体の自然な動きの中で有酸素運動が出来るという意味では「走る、歩く」という動きはベストトレーニングという事ですね。
研究データによってはVO2max(最大酸素摂取量)の向上に寄与するのはこのトレッドミルとローイングマシンのみとするものも存在するそうなので非常に優秀です。
自然に使えるため余り意識しないことかもしれませんが、走るフォームについては自己流の変な癖がついている人も多くいるため、正しいフォームで使うのが大事という点は注意しておきましょう。
【コチラの記事も】
有酸素マシン以外の運動も含めた全36種類の消費カロリーについて比較したランキングはコチラの記事で。
※データはアメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health、NIH)が発表したものがベースとなっています。
また、トレッドミル使用時の注意点についてはコチラの記事で。
傾斜をつける機能がついたトレッドミルでは前述のステアクライマー(クライムミル)に似た効果も合わせて期待できますので、応用も利きやすいという点もメリットです。
その代わり、体への負荷は最も高いため、体に痛みがあったり、運動初心者には他のマシンをおすすめします。
トレッドミルは走る距離を管理しやすいので、走る距離を伸ばす場合は週10%アップを超えないように気を付けましょう。
これ以上のペースで距離を伸ばしていくと故障が発生するリスク、オーバートレーニング気味となりますので要チェック。
また、傾斜の設定についてですが、傾斜をつけずにフラットな状態で走っていると実は僅かな下り坂を軽くスキップするような走り方になるので、傾斜角1%ほどに設定するのがおすすめです。
こうすれば外を走っている感覚に近い状態を再現出来ますので是非取り入れたいですね。