ウィンブルドン選手権 錦織圭のラケット投げ捨て。これは「喝」なのか?テニスファンが深読みしてみると
現在、開催中のテニスのウィンブルドン選手権ですが、日本の錦織圭は敗退した3回戦で相当フラストレーションを相当溜めていたようで、ラケットを投げ捨てるという場面がありました。7月9日放送のTBS系「サンデーモーニング」では錦織圭のラケット叩きつけについて張本勲氏が喝を入れたということでちょっとした話題になりましたね。
これにはネット上で同調する意見が多かった印象でしたが、果たしてこれは本当に「喝」でいいんでしょうか?
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日本の錦織圭はウィンブルドン、大会5日目3回戦でロベルト・バウティスタ・アグートと対戦。結果は4-6、6-7(3-7)、6-3、3-6のスコアで敗れ、4回戦進出を逃し、ミドルサンデーを越えることは叶いませんでした。そして迎えた「サンデーモーニング」。
実際の番組の映像はこんな雰囲気でした。
張本勲氏 錦織圭のラケット投げ捨てに「喝」。9日放送の「サンデーモーニング」において、ウィンブルドン3回戦でラケットを投げつけた錦織圭の行為に苦言。「喝だ!メーカーに契約を解除されますよ。」とも。 pic.twitter.com/uDoxf8e13x
— What an Interesting (@WIW_on_Twi) 2017年7月9日
ラケット叩きつけシーンでは司会の関口宏氏は、
「いけない。いけない。いけない。またやった。」「もうそりゃ、腹立つんでしょうね。」と映像を紹介しながらコメント。
そしてスタジオに映像が戻ると張本勲氏は大きく、
「喝だ!!」
続けて、
「負けたからじゃないですよ。やっぱりね。日本の民族は優秀で礼儀の国だと、世界では定評あるのよ。あんな態度何回見ました?あれ下に叩きつけたらね、メーカーから契約解除されますよ。」と苦言を。
契約解除という言葉に対して関口宏氏は「えぇ~~?」とリアクションしていましたね。
「そりゃそうよ。道具を叩きつけて、道具が悪いんだからというような感じを受けさせるから。」
コメントの締めくくりはこんな感じ。
9日放送の「サンデーモーニング」で張本勲氏 錦織圭のラケット投げ捨てに「喝」。最後に「青少年の目標になるようなね。これだけの世界クラスの選手だもん。刀は武士の魂だから。その点を考えないと。」とコメント pic.twitter.com/XUMCvVeIaU
— What an Interesting (@WIW_on_Twi) 2017年7月9日
「やっぱり周りのね、青少年の目標になるようなね。これだけの世界クラスの選手だもん。刀は武士の魂だから。その点を考えないと。」
錦織圭のラケット
こちらの記事「錦織圭選手の珍しいラケット破壊を観るには。その他の選手のラケット破壊あれこれも」でもご紹介しましたが、今シーズンだけで言うと恐らく今回のウィンブルドンでの行為が3回目かなと思います。
まあ今回はコートの後ろにあるバックネットに投げつけたので叩き割ったわけではありません。
放送では張本勲氏は「ラケットメーカーからの契約解除」について言及していましたが、それは全くの嘘で、むしろメーカー側からはある種の宣伝になるので黙認されている事も多いようです。
前述の記事で詳しく書いていますが、日本のテニス用具メーカーのヨネックス(YONEX)だけはラケットの破壊行為について選手に対してペナルティを課すような契約になってきているようですね。
その他のメーカーに関して違約金うんぬんという話は出所がハッキリしない情報が多いので真相はわかりませんが、錦織圭が契約しているウィルソン(Wilson)ではそのような契約内容についてはシークレットになっていますね。※ヨネックスの件もメーカーが公式に発表したものではありません。
芝のウィンブルドン
ご紹介したリンク先の記事を見ていただければ分かりますが、世界中の多くの選手がラケット破壊を行っており、トップ選手だけを見ても、壊したことがない選手を探すほうが難しいので、これにいちいち目くじらを立てたり、幻滅してみたり、果てはファンを辞めると言い出したりしていてはテニスを観てられないんじゃないかなと思います。
恐らく普段からテニスを観ていない人達がたまにこうやって取り上げられるニュースを見て過剰に反応しているだけでしょう。
むしろ私としてはラケットを地面に叩きつけるのではなくて、後ろのバックネットに投げ捨てた錦織圭に対して「ナイス!」と思ってしまいました。
というのも、今年のウィンブルドンは大会期間中に気温が高いせいもあってか、芝のコンディションが非常に悪くなっているというニュースがさかんに取り上げられており、芝を出来るだけ傷めないように地面ではなく後ろのバックネットを選んで投げ捨てたのではないかと思うからです。
何度も思いとどまろうとして結局バックネットに投げる様子を見ると本当にそんな所に気を回していたんじゃないかと感じてしまいます。まあただの妄想です。
ちなみに今大会2回戦敗退で大会を去ったフアン・マルティン・デル・ポトロはこんなリアクションをしていました。
Instead of smashing his racket to the ground in frustration, Delpo gently touches the lawn. How special he is. pic.twitter.com/zRhPTgtWGL
— moruni (@morunien) 2017年7月6日
こういう事をさらっと試合中にやってしまう所は彼の性格をよく表していますよね。
刀は武士の魂だから
締めくくりとして張本勲氏が口にした「刀は武士の魂だから」というコメントですが、
もしこれを受けてのコメントだとしたら、張さん恐るべし。