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なぜメダリスト達はメダルを噛むのか?その理由や古い慣習、メダルの価値について


4年ごとに開催されるオリンピックのハイライトシーンの一つと言えば何と言ってもメダリストたちの表彰式。表彰台に上ってメダルを獲得することを目標としてきたアスリートたちが輝く瞬間でもありますよね。特に表彰台の頂上で金メダルを受け取るシーンは格別の思いがあるでしょう。

ではそんなメダリストたちが写真撮影の際にポーズとしてメダルを噛むのはなぜなのでしょうか?

日本においてはメダルを噛む行為について批判的な意見が出たりして最近ではほとんど見かけることがなくなりましたが、海外の選手達にとってメダルを噛むポーズは未だに定番。

その理由や古い慣習、複数の視点から見たメダルの価値についてご紹介します。

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写真映えのため

平昌オリンピックのメダリストたち なぜメダリスト達はメダルを噛むのか?

なぜメダルを噛むのか?について考えられる理由は「メディアがそう望むから」というものがまず挙げられます。

国際オリンピック史学会の会長を務め、オリンピックの歴史について造詣が深いデイビット・ウォレチンスキー氏(David Wallechinsky)はCNNの取材に対してこのようにコメントしています。

「写真撮影をするカメラマンたちにとってメダルを噛むポーズは外すことのできない象徴的なショットとして広く認知されており、写真利用をする各メディアからの需要も見込めるからではないでしょうか。決してメダリスト自身が望んでとるポーズではないはずです。」

確かにメダルを噛むポーズをとればメダリストの表情とそのメダルが近い距離に位置して写真映えのする構図になるように思いますね。

また、メダルを噛むと口角が上がって自然と笑顔になるというのもポイントで、明るい表情が引き出しやすいといった事情もあるのかもしれません。

古い慣習によるもの

金貨

メダルを噛む行為の起源は古い慣習に由来しているというのはご存知でしょうか?

というのも金貨で取引を行っていた時代には本物の金かどうかを確かめるために歯で噛んでみるという行為が慣例的に行われていたことがあったといわれています。

これは日本においても同様で小判が本物かどうかを確認する手段として噛んでいたともいわれているんですね。

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ひっかいた時などの傷のつきにくさを表すモース硬度によると純金は「2.5」、歯のエナメル質は「5」となっていますが、数字が小さくなれば傷がつきやすいということですので歯で噛めば純金には傷がつきます。

つまり、歯型がつけば純金であることが証明されると考えられていたというわけです。

ちなみに人間の爪の硬度は「2.5」となっていますので純金をひっかいても微妙な傷がつくだけのはずですね。

まあ、歯形がついたからといってそれすなわち純金であるというのはいささか早計で、例えば純銀は硬度「2」程度なのでこれも柔らかい金属です。さらに鉛やブリキにいたっては硬度「1.5」なので簡単に傷がついてしまいますね。

ちなみに複数のメダルを一つの大会で獲得すると首から複数のメダルをかけた状態で取材や番組出演などをこなすことが多いですが、表面が柔らかい金属で出来たメダル同士がぶつかることで簡単に傷だらけになってしまいます。

金銀銅で言えばこの順番がそのまま柔らかい順番になっていますので銅メダルが一番硬いメダルということになります。

平昌オリンピックで金銀銅の全てのメダルを獲得したスピードスケートの高木美帆選手は特に取扱い注意ですね。平昌オリンピック 高木美帆選手の金銀銅メダル

金メダルは合金メダル

2012ロンドンオリンピックの金メダル

現在、金メダリストが手にするのは純金ではないのは皆さんご存知ですよね。あれだけ大きなメダルが金で出来ていたらなかなかの値段になってしまうのは想像に難くないと思います。

2012年ロンドンオリンピックで作られた金メダルではその92.5%が銀、6.16%が銅、残りの1.34%が金で出来ていたと報道されています。

IOC(国際オリンピック委員会)ではメダルについてルールが制定されており、金メダルはスターリングシルバー(銀含有率92.5%)と呼ばれる銀合金に最低でも6gの純金メッキを施すことになっています。

ちなみに銀メダルはスターリングシルバーで作られるようにルール化されており、銅メダルは97%が銅、0.5%が錫(スズ)、2.5&が亜鉛の合金と決められています。

2010年バンクーバーオリンピックの時のデータですが、金銀銅それぞれのメダルを価格に直すと金メダルが494ドル(約5万円)、銀メダルが260ドル(約2.6万円)、銅メダルはたったの3ドル(約300円)という記述があります。※当時の相場での試算になっています。

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ちなみに日本が初出場を果たした第5回オリンピックの1912年ストックホルム大会までは純金で金メダルが作られており、その当時の金メダルの重さはわずか24g、直径は33mm、厚さ1.3mmとなっています。金の価値としては25000ドル(約270万円)ほど。1912年ストックホルムオリンピックの金メダル

ちなみに2018年の平昌オリンピックで授与された金メダルは史上最も重いメダルだったそうで、その重さは実に586g。直径は92.5mmとなっています。価格にすると570ドル(約6.1万)。

金メダルの“市場”価値

ちなみに巨大化の一途を辿っている現代の金メダルが本当に純金で出来ていたとしたら1.5kgほどの重さになるそうで、その価格は大体76000ドル(約810万円)ぐらいと試算されています。

また、ボストンにあるオークションハウス、RRオークションによるとオークションに金メダルが出品された場合の相場として、あまり知名度の高くない金メダルの場合は約1万ドル(約100万円)というデータがあります。

年代の古い金メダルのほうが当然価値も高くなるそうで、1924年シャモニー・モンブランオリンピックの金メダルが約47000ドル(約470万円)、1956年メルボルンオリンピックの金メダルが約1万ドル(約100万円)で落札されたというデータが残っています。

さらに知名度の高い金メダルになると全く違う話で、例えば1936年ベルリンオリンピックでジェシー・オーエンスが獲得した4個の金メダルのうちの1つが2013年のオークションに出品された際の落札価格は147万ドル(約1.5億円)でした。1936年ベルリンオリンピックの金メダル

ということで以上、メダルについてのアレコレでした。

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