MLBの野球グローブメーカーランキング 内外野・キャッチャーミット別&着用有名選手
MLBの試合を観戦していると目につくのが日本のプロ野球とは一風変わった道具を使う選手たち。メジャーリーグっぽいメーカーのロゴが付いた道具を見ると興味が掻き立てられるのが、一体どこのメーカーが多く使われているの?という疑問。ということで今回は2018年シーズンにおける野球グローブメーカーランキングについてご紹介。内外野手やキャッチャーミットと合わせて網目のパターンであるウェブの種類や着用有名選手についても。
日本のメーカーはどの程度シェアを確保しているのか?という点も見逃せませんね。
スポンサーリンクローリングス
メジャーリーグ=ローリングスと言っても過言ではない程メジャーな存在なのがローリングス (Rawlings)の野球グローブ。
セントルイス・カージナルスで活躍したピッチャーのビル・ドークが1920年にローリングスに進言した、親指と人差し指の間に網目(ウェブ)を設けるグローブは1921年に特許取得されて、それまでのグローブから大きく進化。
すぐにこのグローブは評判になって選手の間ではスタンダードなものになっていきます。
それ以降ローリングスはメジャーリーグのグローブとしての存在感を発揮し続けて年を追うごとにそのシェアは拡大。
このシンプルながらも革新的な発明から約100年経った2018年シーズンでは全チームのスタメン選手(ただしピッチャーは除く)のうちでその59%が使用しているという高い使用率を誇っています。
内外野手、キャッチャー別で分けて見てみると、
内野手部門では56%、外野手部門では61%、キャッチャーミット部門では57%という使用率。
ボルチモア・オリオールズなどに所属したマニー・マチャドが使用したPRONP5(現行の最新モデルがPRONP7)が内野手に愛用されている代表モデルで、ウェブの種類としてはV-WebというV字パターンを使用しているのが特徴。※後述
華麗なフィールディングで魅せるマニー・マチャドのYouTube動画がコチラ。
ベアハンドキャッチ(素手キャッチ)なのでグローブを使っていませんがw
2019年シーズンからは12 1/4インチのサイズを使っていてセンチ表示の寸法では31.1cm。
また、ロサンゼルス・ドジャース、シアトル・マリナーズ、テキサス・レンジャーズで活躍したエイドリアン・ベルトレも2018年シーズンを最後に引退しましたがPRONP5を使用していました。※ウェブはI-Web仕様
キャッチャーではレジェンドの一人であるヤディアー・モリーナもローリングスグローブ愛用者。
その他にトレバー・ストーリー、マイク・トラウト、コディ・ベリンジャー、ブライス・ハーパー、アーロン・ジャッジなどもローリングスユーザーとなっています。
ウィルソン
最大シェアを誇るローリングスを追いかける不動の2位のシェアを誇るのがウィルソン (Wilson)で使用率は28%となっています。
とは言ってもメジャーリーグにおけるグローブの進化を語る上では欠かすことが出来ないのがウィルソンというメーカーだったりします。
特に1957年に発売された“A2000”は深いポケットと親指と人差し指の間のヒンジ部分を工夫する事で、まるでボールに“噛みつくような”キャッチングを実現したという大ベストセラー。
A2000という傑作は今では当然となっている片手キャッチをより確実に行えたので、守備時の手の使い方にまで影響を及ぼすほどだったそうで、現在販売されている最新グローブを辿って行けばここにたどり着くというほどの名品。まさにエポックメイキングな製品だったわけですね。
ウィルソンユーザーの有名選手としてはカルロス・コレア、ホセ・アルトゥーベ、ヤシエル・プイグなどが知られていて、彼らは年々アップデートされるA2000のユーザー。
その他にムーキー・ベッツはウィルソンのA2Kシリーズを使用。
コチラがYouTube動画。
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ここで登場したのが日本が誇るトップブランドの一つであるミズノの野球グローブ。
使用率としては第3位でそのシェアは5%というデータ。2018年シーズンでは13人が使用しており、マーケティング的な障壁ももちろんあるとは思いますが二大メーカーに比べてかなり差が付いているのが実情ですね。
ただし、メジャーリーグの世界では守備のスペシャリストが使用しているイメージがあるそうで、知る人ぞ知る隠れた人気メーカーだったりなんていう事も。
特にヒスパニック系の選手からすると憧れの存在だったりで、アチラの方からすると海外メーカーになるミズノは日本製=高品質というイメージも相まって高嶺の花なんですね。
ミズノユーザーのメジャーリーガーは何といっても守備の名手として知られるアンドレルトン・シモンズが代表格。現在はロサンゼルス・エンゼルス所属の為に大谷翔平とチームメイトですね。
その他にはディディ・グレゴリウス、アーメッド・ロザリオ、イアン・デズモンド、ホセ・イグレシアスなど。
また、2019年に現役を引退したジミー・ロリンズもミズノユーザーでした。
ミズノのグローブであればグローブが脱げても問題ナシw
オールスター
そして忘れてはいけないのがオールスター (All-Star)。内外野手部門ではそのシェアは3%という数字にとどまっていますが、特筆すべきはキャッチャーミットのシェアです。
キャッチャーミット部門に目を移すと第1位のローリングス(57%)に次いで第2位で20%という使用率を誇っているんですね。まさにキャッチャーミットに特化したグローブメーカーと言えますね。
ちなみにキャッチャーミット部門のシェア第3位はウィルソンで10%、続く第4位は同率でミズノの10%という結果。
オデュベル・ヘレーラのように外野手でもオールスターユーザーがいたりもしますが、やはりキャッチャーで選手名を挙げると大谷翔平の女房役として2018年シーズンをプレーしたマーティン・マルドナードや2019年から大谷翔平とチームメイトとなっているジョナサン・ルクロイやその他にロビンソン・チリノスなどがオールスターユーザー。
大谷翔平のボールを受けるマーティン・マルドナードのYouTube動画がコチラ。※表示がブロックされますのでYouTubeで見るからご視聴ください
オールスターはマーケティング規模がその他のメーカーに比べて非常に小さいと言われているので、単純にスポンサーシップ料などの金銭面で戦うと勝ち目がないのが現実。
それでもキャッチャーミット部門で20%のシェアを獲得して第2位になっているのは、それだけキャッチャーミット=オールスターというイメージを持っている選手が多いという事なんでしょう。
チームロゴにモザイクが入っていますが思いっきり分かっちゃうという狙ってる感満載の演出が面白いコチラのYouTube動画。
特にCM3000というモデルがオールスターの代表的なキャッチャーミットでプロにも愛用者の多いベストセラーになっているようですね。
スポンサーリンクその他のメーカー
その他のメーカーで特筆すべきなのはやはり大谷翔平の使用用具一式を提供しているアシックスが目立つ存在。
あの二刀流の大谷翔平が使っているメーカーは何だ?と話題に挙がる事も多いので、試合で一緒になった選手たちも興味津々なんて話も聞きますね。
本格的にアシックスがMLBでのマーケティングを強化して来たら今後の勢力図にインパクトを与えそうな存在なので注目ですね。
その他にカスタムグローブ専用メーカーとして大手グローブメーカーとは一線を画す異質なメーカーとして有名なのが44プログローブス (44Pro Gloves)。
ジャスティン・ボーアやフランミル・レイエスなどが使用しているこのグローブは大手メーカーに負けない高品質のカスタムモデルを安価に提供するメーカーとしてアマチュアプレイヤーにも身近な存在で日本円で16000円~20000円でオーダー品が手に入るというお手頃感。
その他には、スポーツメーカーとしてはビッグネームであるナイキはジョージ・スプリンガーやイアン・キンズラーなどが使用するに留まっていて野球グローブの世界では希少な存在となっています。
ウェブの種類 内外野手別
ではここからはグローブのウェブ(網目)デザインについて詳しく見ていくことにしましょう。
外野手
ウェブの種類で見てみると外野手に圧倒的に人気なのがH-Web(Hウェブ、Hベルト)で80%の使用率。
H-Webを使用して外野の守備に就くのはムーキー・ベッツ(ウィルソン)、ジャンカルロ・スタントン(ローリングス)、アーロン・ジャッジ(ローリングス)、ブライス・ハーパー(ローリングス)など。
それに続くのがTrap型(レーシング)で11%となっています。
マイク・トラウトはトラップ型のウェブを使用する外野手の一人。
特にマイク・トラウトが使用しているのはローリングスのTrap-Eze型のウェブで意味は“空中ブランコ”。読み方は「トラピーズ型」ですね。
見ようによっては舌のようにも見える特徴的なウェブデザイン。
内野手
そして内野手になるとI-Web(Iウェブ)が77%の使用率で圧倒的シェア。
その次がH-Webで8%となっています。
スポンサーリンクポジション別
ここからはもっと細かく内野手のポジション別にウェブの勢力図について見て行く事にしましょう。
一塁手
キャッチングに神経を使う一塁手に一番人気なのはシングルポスト(クロス)で実に81%という高い使用率。
それに続くのがカスタマイズされたH-Webとなっていて16%という数字。
ミゲル・カブレラがシングルポストを使う一塁手の代表格。ちなみにウィルソンユーザー。
その他にはポール・ゴールドシュミットもシングルポストでローリングスユーザー。
二塁手
二塁手になるとI-Web(Iウェブ)が83%の使用率で圧倒的シェアを獲得。
続くH-Webは10%となっています。
I-Web(Iウェブ)を使う二塁手ではハビアー・バエズが日本メーカーであるSSK (エスエスケイ)ユーザー。
ハビアー・バエズがグローブ片手に堂々と写っていますね。やはり国産メーカーを使うメジャーリーガーを見ると何だか嬉しくなります。
その他にホセ・アルトゥーベがI-Webでウィルソンユーザー。
ショート
華麗な守備で魅せるショートで見てみるとI-Web(Iウェブ)が70%の使用率でトップを獲得。
これに続くのがシングルポストで17%というデータ。
第三の勢力はH-Webで7%となっています。
I-Web(Iウェブ)でショートを守る選手としてはトレバー・ストーリー(ローリングス)、マニー・マチャド(ローリングス)、アルシデス・エスコバー(ローリングス)、アンドレルトン・シモンズ(ミズノ)、ディディ・グレゴリウス(ミズノ)などが代表的でしょうか。
マニー・マチャドをI-Webユーザーとして扱っていますが彼の使用するV-WebというV字パターンはI-Webの派生型として捉えられている為です。
シングルポストでショートを守るのはホセ・イグレシアス(ミズノ)やカルロス・コレア(ウィルソン)など。
三塁手
三塁手についてはシェアがバラけた印象で一番人気がI-Webの47%に対して、
二番人気のH-Webが40%というデータ。
それに続いてシングルポストが13%となっています。
I-Webを使用する三塁手としては今後に期待が懸かる若手のミゲル・アンドゥハー(ウィルソン)やマット・チャップマン(ウィルソン)などが挙げられます。
H-Webユーザーはノーラン・アレナド、クリス・ブライアント、ホセ・ラミレス、ジャスティン・ターナーなど。
以上、MLBのグローブメーカー使用率ランキングやポジション別のウェブの種類などのデータでした。