声楽家が選ぶ本当に歌が上手い女性アイドル総選挙のランキングトップ20&番外編は?
20年3月2日放送のTBS系「1番だけが知っている」では歌のプロ・クラシック声楽家55人が忖度ナシでガチ投票で決める「本当に歌が上手いJ女性アイドル総選挙」を開催。そのランキングトップ20にはどんなアイドルたちがランクインしたのでしょうか?そして第1位に輝くのは?乃木坂46は?AKBは?モー娘、BiSHのランキングは?
というわけで20年3月2日放送の「1番だけが知っている」から1番だけが知っている1番総選挙企画「本当に歌が上手い女性アイドル」の詳細をまとめてご紹介します。
スポンサーリンク第20位~第11位
ランキングは1970年代から2020年までの歴代女性アイドルから。
第20位 柏木ひなた (私立恵比寿中学)
- 「圧巻の声量と肺活量。」
- 「激しいダンスでも抜群の歌唱力。」
- 「高い所で歌う事が多い人だと思うんですけど、それをちょっと下げた時にもしっかりと音程はキープ出来て、歌詞もよく聴こえますしすごいなと思います。」
第19位 斉藤由貴
- 「ファルセットを存分に発揮した歌い方。」
- 「美しく透き通るそれでいて芯のある声。」
第18位 鈴木愛理 (元℃-ute)
- 「1度聴くと何度も聴きたくなる声。」
- 「歌い方が今風のスタイルでかっこいい。」
ちなみにこの日のスタジオゲストだった朝日奈央さんは学生時代に同級生だったそうですが、見事に「鈴木愛理ちゃんですよね?」とランキング発表前に見事に正解。
第17位 高橋愛 (元モーニング娘。)
- 「表現力がずば抜けている。」
- 「リズム・発音・歌の歌い回しすべてがスタイリッシュ。」
第16位 河合奈保子
- 「とても品がある清らかな声。」
- 「歌の引き出しが多く、色んな表情の歌が歌える。」
第15位 森高千里
- 「持ち声が天性のアイドル。」
- 「トーン全てが愛らしく音程も綺麗。」
第14位 小田さくら (モーニング娘。)
- 「表現力がとにかくスゴイ!」
- 「柔らかく声に張りがある!」
- 「主要パートをずっと歌ってらっしゃる方で、結構強い声も優しい声も自在に出せる人。」
第13位 太田裕美
- 「聴き心地が良い伸びやかな声。」
- 「歌の歌い回しが絶妙!」
- 「チャーミングな発声。歌の情景が自然と入って来る歌手。」
第12位 岩崎良美
- 「ブレスコントロールが上手い。」
- 「甘く切なく歌う技術が高いアイドル。」
- 「ファルセットの切り替えが自然。ビブラートの幅も自然で綺麗。」
第11位 森昌子
- 「聴き心地が良い伸びやかな声。」※太田裕美さんと同じコメントですが重複ではありません。
- 「何を歌っても上手い!」
番外編 アイナ・ジ・エンド (BiSH)
- 「強めのミックスボイスは真似できない。」
- 「歌声のパワーに圧倒される。」
- 「本当にアイナさんはハスキーボイスが特徴的だと思うんですけれども、ハスキーボイスを活かした発声がかっこいい。すごい上手だなと思いました。」
ここだけ番外編として紹介された理由はちょっと謎ですが、その魅力的なハスキーボイスは折り紙付き。
特に番組で取り上げられていた歌唱シーンがコチラ。4:38付近のピークはファンならずとも必聴。
スポンサーリンク第10位~第7位
第10位 荻野目洋子
- 「ユーロビートが歌えるアイドル。」
- 「体をあれだけ動かしながらも正確に音程もとって、ホントにすごいと思います。」
- 「何にしても高音に全部パンチがありますよね。柔らかく歌ったら多分張りも無いじゃないですか。で彼女の音を聴いていただくと全部ハッキリと張りがあってパン!って。」
第9位 森口博子
- 「バラドルとしての彼女のイメージしかないですけど、歌はそりゃ抜群に上手いですよ。余計な力みが喉に無いので出て来る声がとても心地良いですよね。」
- 「透明感のある歌い方をされているっていうのがもう。」
- 「高音とかもしっかり気持ちよく出てるなって。」
- 「歌い方の基礎がちゃんとある方なので素晴らしいと思います。」
第8位 生田絵梨花 (乃木坂46)
- 「色で言うと白みたいな。ストレートに歌を伝えようという気持ちが。」
- 「自分の持ち声をそのまま活かしてナチュラルに聴かせているなっていう感じがしました。」
- 「高音とかもしっかり気持ちよく出てるなって。」
- 「歌い方の基礎がちゃんとある方なので素晴らしいと思います。」
グループのコンサートライブではピアノの弾き語りも披露。YouTube動画。
声楽家を唸らせるテクニックについては、
「自然に地声と裏声っていうのが行ったり来たり出来るっていう所が。どうしても無理が出てしまうんですよね。それが自然に聴こえるっていう所ですかね。才能がすごいなと思いました。」
動画の1:34付近にやって来るサビでは「今あなたに」でワンポイント的に裏声を使い、すぐに地声に戻すというこの自然な切り替え。続く「華やかな」の部分でも同様のテクニックを披露していますね。
第7位 山本彩 (元NMB48)
- 「少しハスキーな所とかもやっぱりすごい魅力ですね。」
- 「自分っぽさ。ナチュラルに綺麗な声っていうよりも自分の個性を出す。」
声楽家たちに選ばれた最大の理由が、
「すごく低音域が響く。なかなか低音域を響かせるって難しいんですよ。それはすごい才能ですよね。」
YouTube動画。
00:28付近の「今日という一日が」の終わりのフレーズで低音を響かせて、そのまま「笑顔でいられるように」を低音から始めるというつながり。
スポンサーリンク第6位~第4位
第6位 松浦亜弥
- 「とにかく可愛くて『THE アイドル』って感じだと思うんですけども、まず音程外したとこを見た事無いですし。」
- 「これだけ踊りながら歌っているってのがまずすごいな!と思いましたね。」
- 「なんて上手いアイドルの方なんだ!?って感動したのを覚えています。」
いかにもアイドルという雰囲気の楽曲を歌っている印象が強いかもしれませんが、その歌唱テクニックは本物。
特に声楽家たちが注目したのが、
「泣き節(なきふし)と言えば松浦亜弥さん。」
「泣き節って言ったら西城秀樹さんであるとか、B’zの稲葉さんであるとかが有名なんですけど。」
泣き節とは言葉の前に小さい「ん」を入れるように溜めを作って歌う切なさを表現する技術の事。
西城秀樹さんの「傷だらけのローラ」を例にとると「ローラ」のフレーズ前に小さく「ん」を入れているのが分かりますよね?
YouTube動画。
これが泣き節。切ない感情の表現方法の一つ。
このテクニックをあややこと松浦亜弥さんはふんだんに使っているそうで「桃色片想い」ではサビの歌い出しからいきなり泣き節。
その他にも「マジマジと」の前や「目が合えば」の前、「胸が」の前、「桃色のファンタジー」の前と泣き節をそこかしこに散りばめて表現力を高めているのが分かりますね。
さらにテノール歌手として有名な秋川雅史さんも、
「大きな歌声で歌っても音程ズレないって大したものですよね。あれだけしっかり大きな声で歌いながら音程をこれだけ正確にとれるっていうね。ちゃんと自分の歌声が聴けているなぁって気がしますね。」
さらに激しいダンスを踊りながらという所も声楽家に評価されるポイント。
第5位 本田美奈子.
- 「すごい小さな体ですのに体全身を使って歌っている所っていうのはスゴイと思います。」
- 「高音を歌っている時の歌い方はすごく声楽家的だと思います。」
- 秋川雅史「アカペラでもしっかりと人を惹き付けていくテクニックがありますよ。」
- 「あの体からあのパワフルな歌声が僕は信じがたい。僕の体は何なんだろう!?っていうね笑」
そんな彼女には声楽家が絶対に聴いて欲しいと太鼓判を押す超絶テクニックがあるそうで、
「驚異的なロングトーンがあるのでコレ絶対聴いてください。パーン!って長く伸ばすんですよ。彼女の歌声はもう一本(の線のよう)。これがかっこいい。」
針のように突き抜ける驚愕のロングトーン。それが1996年の熊本の野外コンサートで披露した伝説の歌声。
YouTube動画。楽曲は「つばさ」。
4:00付近からのロングトーンは延々と伸ばす事31秒という長さ。
その長さもさることながら、さらにすごいのは、
「ビブラートの消え方。音の処理っていうのは息が沢山ある状態だと出来るんですけど、息をこんだけ使った後にあの美しい処理の仕方は難しいです。」
プロの声楽家でもあの余裕のあるビブラートの終わらせ方はなかなか真似できない芸当だとか。先ほどのロングトーンでもマイクを遠ざけつつ自然にミュートしていますよね。
第4位 中森明菜
- 「豪快だな!!っていうのとメリハリを持っている。」
- 「緩急。そして天性の色気。素晴らしいですね。」
- 秋川雅史「アイドルっていう歌い方から反発した歌い手。普通は無理なく歌える一番高い所にキーを設定するんですよ。必ず。音が高くなればなるほど魂って入って行きますからね。だけど中森明菜さんって結構(キー)を下げるんですよ。低い所で歌うんですよ。あえて低音を表現したっていうのは新しい世界観を作った人なんじゃないかなって思いますよね。」
当時のアイドルシーンを見ても低音を魅力とした独自の世界観を作り出したのは彼女の歌声あってのもの。
さらにカウンターテナーとして有名な米良美一さんは、
「声のダイナミクス(強弱)。音の強さと弱さを使い分けて超人的にお上手だと思います。」
その声の強弱だけでストーリーを表現するテクニックは声楽家たちも絶賛。
代表曲の一つである「DESIRE -情熱-」では「まっさかさまに」で強く出した後「desire」で弱く出すという強弱の付け方。
YouTube動画。
その後に続く「dance, dance, dance, dance ほど」ではだんだん弱くしてから「夢中になれない」では今度はだんだん強くという表現力。そこから張りのあるビブラートまで観客を惹きつけ続ける歌声はお見事。
スポンサーリンクトップ3
第3位 松田聖子
- 「まさにアイドルの歌い方のお手本みたいな感じですよね。」
- 「天性の甘い声とキャンディボイス。」
- 「テクニックとかでは語り尽くせない持って生まれた神がかった才能。」
- 米良美一「まず上手ですね。自然に歌ってらっしゃるようですけど、彼女の歌ってらっしゃる技術っていうのは非常に高い。」
その技術として声楽家たちが挙げたのが、
「魅力的なしゃくり。」
しゃくりとは音程を素早くズリ上げる歌唱法の事。
特に松田聖子さんのしゃくりはとても素早くそれでいて自然に聴こえるという特徴があるそう。
コチラがYouTube動画。楽曲は「青い珊瑚礁」
続くフレーズでも「青い風」「切って走れ」の部分でしゃくりポイント。
第2位 岩崎宏美
- 「本当に後にも先にも美声っていうね、その言葉がこんなにも当てはまるアイドルっていないと思いますよ。」
- 「本当に素晴らしい喉の楽器の持ち主だと思うんですね。」
- 秋川雅史「もう歌唱力は抜群ですよ。声出したら歌えちゃったみたいな天性の才能を持った人じゃないかと思います。」
- 米良美一「伸びやかな声、完璧なピッチ(音程)、スケールの広い表現力。正直羨ましい。」
実の妹である岩崎良美さんが第12位にランクインしているので姉妹どちらも評価が高いというのはもうDNA的にそういう天性のものを持っているとしか言いようがないですよね。
そして声楽家たちが特に絶賛する岩崎宏美さんの歌唱テクニックが、
フレーズの終わらせ方
「音をどういう風に消すかっていうのが(声楽家も含めて)どのジャンルの歌手の方も課題なんですよ。フレーズの終わりの音を伸ばすような場所ですよね。深いお声を使われるんですよ。」
細い声をあえて出した後に声に深みを出してフレーズを終わらせて美しさを演出するという超絶技巧。
YouTube動画。楽曲は「聖母たちのララバイ」。各フレーズの終わり方に注目して聴いてみてください。
おまけで最強の歌唱力を誇る岩崎姉妹によるハーモニーもどうぞ。
第1位 山口百恵
- 「低い音域をあんなに豊かに響かせられる人はなかなかいないと思います。」
- 「ドラマにそのまま入り込ませてくれるっていうのは一番の魅力かなと思います。」
- 「色っぽい。とにかく色っぽい。語りかけるように歌う部分だったり、そういう所が素敵だって思わせられるのは相当歌が上手い人じゃないと出来ないと思うんですよね。」
- 米良美一「切なさの美学みたいもの。」
そんな山口百恵さんの歌唱テクニックの中でも声楽家たちが絶賛するのが、
吐息交じりのウィスパーボイス
「息がどのぐらい声に変わっているかっていう事だと僕は思うんですけれども。」
息の一部分だけを声として使う場合は、使われなかった部分の息が漏れてウィスパーボイスへ。
山口百恵さんはわざと表現力を高める目的でそのウィスパーボイスを使っているとの事。
YouTube動画。「last song」「あなたの呼びかけ」のフレーズでのウィスパーボイスに注目。
まとめ
という事でランキングトップ20+番外編をまとめると、
- 山口百恵
- 岩崎宏美
- 松田聖子
- 中森明菜
- 本田美奈子.
- 松浦亜弥
- 山本彩 (元NMB48)
- 生田絵梨花 (乃木坂46)
- 森口博子
- 荻野目洋子
- 森昌子
- 岩崎良美
- 太田裕美
- 小田さくら (モーニング娘。)
- 森高千里
- 河合奈保子
- 高橋愛 (元モーニング娘。)
- 鈴木愛理 (元℃-ute)
- 斉藤由貴
- 柏木ひなた (私立恵比寿中学)
番外編:アイナ・ジ・エンド (BiSH)
以上、歌のプロ・クラシック声楽家が本気投票で決めた本当に上手い女性アイドルベスト20&番外編でした。
コチラの記事も
今回の企画の前身企画であり、J-POPアーティスト全般に対象を広げた場合のランキング「声楽家が選んだ本当に歌が上手いJ-POPアーティスト総選挙」のトップ10&番外編についてはコチラの記事で。