二倍なのに“人一倍”と言うのはなぜ?第94回 NHK「チコちゃんに叱られる!」より
20年6月5日放送の第94回 NHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは、「人一倍」はなぜ「人二倍」じゃない?という日本語の使い方に関する素朴な疑問。その裏には西洋文化による日本語の変化があるそうですが果たして?
ということで、20年6月5日に放送された第94回 NHK「チコちゃんに叱られる!」の様子をまとめてご紹介します。
※同放送回のその他の疑問は別記事でフォロー。
スポンサーリンク出演者
【メインMC】チコちゃん(声:木村祐一)
【アシスタント】塚原愛(NHKアナウンサー)
【ナレーション】森田美由紀(NHKアナウンサー)
【レギュラー】ナインティナイン 岡村隆史
【ゲスト】大竹まこと、夏菜
【VTR】斉木しげる、NAOTO
チコちゃんの疑問その3
「人一倍」はなぜ「人二倍」じゃない?
3問目は笑いながらのいつものパターン。
さて、3問目の指名は、
この中で一番、昔の言葉を沢山喋っているステキな大人ってだーれ?
岡村さんが自ら解答者に名乗りを上げますが、ここで視聴者からの質問ハガキ登場。
ということでチコちゃんの疑問は、
人一倍はなんで人二倍って言わないの?
岡村「偉い人のミスだった~。」
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
新橋のSL広場で街頭インタビューするも正解は出ず。
ということでチコちゃんの答えは、
昔は「一倍」が「二倍」だったから
解説は日本国語大辞典・元編集長の神永曉さん。
現在では、例えばリンゴを1倍というとリンゴ1個と考えるのが普通ですが、
これが明治初期まではリンゴ1倍はリンゴ2個の意味だったとか。
平安時代に書かれた説話集「今昔物語集 巻第十四」には分かりやすい表現が出てくるそうで、
お坊さんが金貸しとなり自分の婿にお金を貸すという物語では、お金が二倍にという表現で「一倍」という言葉を使っているのが見て取れます。
つまり人一倍というのは他人に比べて二倍という意味だったわけですよね。
さらに明治以前では倍の他に「層倍(そうばい)」という表現もあり、
- X1 – 層倍
- X2 – 一倍もしくは二層倍
- X3 – 二倍もしくは三層倍
と表現していたとか。
これが明治時代に入って来た西洋文化の影響で X2=二倍という今の認識に改められたそう。
急に倍の数え方が変わってしまうと当時の人たちは混乱してしまうという事で、
明治8年12月4日に公布された太政官布告で一倍を二倍に改めるという決定がなされ、一倍表記は禁止措置に。
ただし言葉自体は改められる事無く、今でも人一倍という言葉は残っているんですね。
その他に西洋文化の影響で変化した言葉には、
一日中を意味する四六時中がその例。実は昔は二六時中と言っていたとか。
江戸時代は一日を十二刻で表現して十二分割。昼の六ツと夜の六ツを合わせて2X6で二六時中とシャレた表現。
これが明治6年に24時間制を導入した事で12を24にするために4X6にして四六時中にしたそう。
西洋文化が入ってきたおかげで、それまでの日本には無かったものを表現するために日本語もそれに合わせて変化したんですね。
例えば英語のspeech(スピーチ)という言葉は議会や民衆の前で自らの主張を述べる事を意味しますが、
当時の日本では自分の意見を主張するには書面にするのが一般的。
そこでspeech(スピーチ)の言葉の意味を説明する為に、お坊さんが説法する様子を表す仏教用語の「演説」という言葉をあてる事に。
この演説を現在の意味に定着させた人物は福沢諭吉。
その他にも、
- 自由
- 討論
- 経済
- 動物園
なども福沢諭吉によって広められた言葉だとか。
ちなみにLOVEには愛があてられましたが、愛とは元々は仏教用語で「何かに執着する」という意味。
今でいう愛おしむという意味では無かったんですね。
現在の意味で使われ始めたのは明治に入ってから。
それでも「愛している」という直接的な表現は避けられていたそうで、
夏目漱石は“I love you.”を「月が綺麗ですね」と訳していたとか訳していないとか。
とりあえずカタカナで表記すれば何とか言葉は伝えられますが、そこに漢字をつけて一つの語に仕立てるのはすごい事だと神永さん。
ビジネス用語だととかく横文字で表現したりなんて事がありますが、それはそもそも日本語をちゃんと理解して使っていないせいという事もあるのかもしれませんね。
ということでコチラが結論。
「人一倍」を「人二倍」と言わないのは昔は「一倍」が「二倍」だったから
でした。
これまで人一倍頑張った事は?という質問には「流し打ち。」とチコちゃん。
最後に15回目の出演に向けて大竹まことさんに抱負を聞いてみると、
大竹まこと「もう斉木は使ってくれなくていいや!笑」
きたろうさんもこの番組ではVTRゲストで何度か登場していますけどねw
ひだまりの縁側で・・・コーナー
最後はおたよりコーナー。
○○は風邪ひかない。○○につける薬はない。と遠回しに岡村さんをバカにするキョエちゃんですが、
紹介されたおたよりは、松田許子(まつだともこ)さんという5さい+95さいの超ベテランの方から。大正のお生まれですね。
色紙にチコちゃん、キョエちゃんを折り紙で貼った作品を届けていただいたようで。
キョエちゃんの所に「私きよえです」と書かれているのが味わい深いw
その他にも沢山作品作りをされているご様子。でも岡村さんの姿はそこには無く・・・w
という事でおたよりのあて先は、
〒150-8001 NHK 「チコちゃんに叱られる」係 宛て
※お名前/ご住所/ご連絡先(電話番号やメールアドレス)をご明記ください。名前のわきに「5さい」と書いてください。
番組公式ホームページ http://nhk.jp/chikochan
ですね。
健康の為に何かやってる?とキョエちゃんに聞いてみると、
キョエちゃん「くうねるあそぶ。」「みなさん。お元気ですか~。」
と古いキャッチコピーを持ち出すキョエちゃん。確か糸井重里さんが作ったコピーだったかと。
日産セフィーロのCM。井上陽水さんのセリフも印象的。昭和天皇が体調を崩した際に不謹慎だということでセリフを消したバージョンに改められたりしたんですよね。
最後の2人の回答は、
チコちゃん「折り紙、ありがとうございます!」
岡村「お時間あったらぜひ僕も作ってください!」
次回放送予定は?
次回放送予定は、
20年6月12日(金) 夜7:57スタート(一部地域を除く)
20年6月13日(土) 朝8:15スタート(再放送枠)
放送枠は「チコちゃんに叱られる!選」になっているので過去の放送の再放送になるようですね。
という事で新エピソード公開が待ち遠しいですね。
※同放送回の疑問はコチラ
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