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熱中症対策の新常識はマスクで隠れ脱水、エアコンと換気、最強の予防ドリンクは「牛乳」?


暑い時期になると怖いのが「熱中症」。毎年多くの死者が出る熱中症は正しく対策すれば怖くないという事で、感染症予防なども加味しつつ熱中症対策の新常識をご紹介。マスクによる隠れ脱水、ステイホームで熱中症リスクアップ、エアコンと換気のバランスなどなどを総まとめ。

というわけで20年7月23日テレビ東京で放送された、よじごじDays『例年とは違う?“熱中症対策”の新常識』から抜粋してご紹介します。

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熱中症と隠れ脱水

そもそも熱中症とは、

暑さで水分・塩分・ミネラルが失われて体温調整が出来なくなり体温が上昇する状態の事。

その主な原因は、

水分不足による脱水状態

となると、小まめな水分補給が熱中症予防の大原則と言われているのは皆さんよくご存知だと思いますが、その水分補給を邪魔する原因の一つが、

マスク

実はマスクを着けていると喉の湿度が保たれるので喉の渇きを感じづらいという点が要注意。

こうなるとマスクによる「隠れ脱水」が発生してしまうリスクが上がるのだとか。

隠れ脱水に陥っていると本当は水分が足りていないのにそれに気付いていない危ない状態ですよね。

熱中症とマスク

梅雨明けでそのリスクが跳ね上がると言われているのが熱中症。

例年、7月下旬から8月上旬は熱中症の緊急搬送が激増するハイシーズンになっているんですね。

特に2020年は新型コロナの影響でマスクをして出歩くのがスタンダードになっている為に熱中症予防は特に意識すべき。

表面温度を計測できるサーモグラフィを使用して「マスクあり」と「マスクなし」で顔の温度変化を比べてみると、

マスクなしだと顔の表面温度は約36℃。

そして、マスク(不織布タイプ、布タイプ)着用で10分ほど経って計測してみると意外にも温度は約36℃と変わらず。

ところが着用者の感想では「マスクで暑い」というコメント。

これは一体なぜでしょう?

池袋大谷クリニック院長の大谷義夫医師に聞いてみると、

「マスクを着ける事で実際の体温が上昇する事はないんですけども、マスクによって熱がこもり体感温度が上がってしまうんですね。」

この「体感温度」というのがポイントで、これが上昇すると疲労感につながりやすいのだとか。

また、マスクによる呼吸のし難さ、息苦しさは心拍数や呼吸数上昇につながるので体力を消耗し、これまた疲労感に。

つまりマスクの熱中症リスクとは、

  1. 喉の渇きが感じづらく隠れ脱水になりやすい
  2. 体感温度が上がりやすい
  3. 呼吸数・心拍数が上がりやすい

という3点がポイント。

となると、正しいタイミングでマスクを外して水分補給を行うのが有効な対策と言えそうですが、

大谷医師にオススメのタイミングを聞いてみると、

  • 密では無い場所では外して休憩
  • 屋外では他人との距離が2mであれば外してOK
  • 屋内は部屋に一人きりなら外してOK

隠れ脱水対策

また、先ほど登場した「隠れ脱水」を簡単にチェックする方法が2つあるそうで、1つ目のやり方は、

  1. 親指の爪の先端を反対の指で押す
  2. 押すことでピンク色の部分が白く変化
  3. 押した指を離して3秒以内にピンク色に戻れば正常
  4. 白いままで戻らない場合は脱水状態なので注意

もう一つが、

  1. 手の甲をつまんで引っ張る
  2. 2秒以内に元に戻れば正常
  3. 脱水症状だと皮膚の弾力性が失われるので元に戻らない場合は注意

どちらか1つでも当てはまる場合は注意が必要で、2つ当てはまると脱水がかなり進んでいる可能性があるのですぐに水分補給が必要です。

そもそも危険な隠れ脱水を対策するのが一番ということで、大谷医師に対策法を聞いてみると、

水の正しい飲み方は、

1時間に100cc程度(コップ半分量)を飲む事

一気に大量の水分を摂るのはNGで、一度に体が吸収できる水分量はある程度決まっているので意味が無いんですね。

1時間に100ccのペースだと1日トータルだと大体1.5Lほどの水分補給量。

また、高齢者になると喉が渇きづらくなるので夜寝る前と寝起きにコップ1杯の水は習慣化すべきとの事。

水分補給で水以外を摂るのであれば大谷医師のオススメは、

麦茶

麦茶にはミネラルが豊富に含まれていて、大麦には体を冷やす効果が期待できるので熱中症予防にはピッタリ。

さらに既に脱水症状が進んでいる場合に摂るべきなのは、

経口補水液

がベスト。

スポーツドリンクでも対応できますが、ある程度糖分が含まれるので日常的に飲むにはあまりオススメできないそう。

ちなみにスポーツドリンクを常飲したい場合は水で薄めて飲むのであればOK。

その他に、

冷たく冷やしたペットボトルを持ち歩く

という方法も熱中症予防には使えるとか。

手の平にはAVA血管と呼ばれる細い毛細血管がたくさん存在していて、これを冷やすことで深部体温を下げる効果があるそう。

自宅であれば水を張ったボウルなどに手の平を5分ほど浸すと深部体温が下がるのでオススメ。

ただし、冷やせばいいと氷水にすると逆に体を温めようとする作用が働いてしまうので水温15℃程度でOK。

また、実際に熱中症になってしまった場合は手の平ではなく、

  • 首の左右(頸動脈)
  • 脇の下
  • 足の付け根

を冷やすのがポイント。

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ステイホームと熱中症

「自宅でじっとしていれば熱中症にはならない」と考えるのはあまりに危険。

実は一日中部屋に閉じこもる生活では体を動かして汗をかく機会が失われてしまうので、体の体温調整機能が衰えてしまうというリスクがあるんですね。

特に夏の暑さに体が慣れる「暑熱順化」がポイント。

そもそも人間の身体は暑くなると汗をかき体温を下げるのが正常な働きで、暑熱順化が上手くいっているとより汗をかきやすい体に変化してその暑さに耐えられるように。

暑熱順化には外出して体を動かせば良いわけですが、なかなかその機会もなく難しいという場合は、

入浴

がオススメ。

自宅にいるままで暑熱順化するには夏でもシャワーだけでなくしっかり湯船につかるのが大事。

汗の主成分は水分で、その水分は血液に由来するものなので、

循環する血液量を増やす

のも大事。

高齢者が熱中症になりやすいのは血液量が減って汗をかきづらいからと言われているんですね。

血液量を増やすシンプルな方法は、

牛乳

牛乳に含まれるたんぱく質は血液量アップには効果的と大谷医師。

また、ヨーグルトもオススメだそう。

牛乳が体質的に合わない・苦手という人には大豆食品もオススメで納豆、豆腐などを上手く取り入れましょう。

夏の食事は麺類などの炭水化物だけで簡単に済ませる人も多いかもしれませんが、しっかりたんぱく質摂取を心がけるのが大事ですね。

エアコンと換気

消防庁によると熱中症が一番多く発生するのが「住居」でその割合は4割超。

対策としてはエアコンで室温を下げてやるのが手っ取り早いわけですが、エアコンが苦手であまり使いたくないというケースや、感染症予防で換気も必要という事情も重なってどうすべきか悩んだり。

空調メーカーのダイキンに「エアコンと換気」について聞いてみると、

換気のために窓を2か所開ける + エアコンはつけたまま

がオススメだそう。

電気代も気になる所ですが、エアコンはスイッチを入れて空気の温度を下げる時に消費電力が高まるという性質があるので、頻繁にスイッチをオンオフするのはかえって電気代がかかるNG行動。

さらにエアコンつけっぱなし換気には空調のプロがオススメするテクニックがあるそうで、それが、

エアコンから遠い位置にある窓を開ける

というシンプルなもの。

少しでも遠い距離にする事で外気の暖かい空気をエアコンが直接吸ってしまうのを防ぐ効果が期待できるとの事。

また、外出から家に帰って来て真っ先にエアコンのスイッチを入れるというのはNG。

帰宅時はまずは窓を開け放ってしっかり換気を行った後にエアコンを点けるのが正しい順序。

部屋にこもった暖気を入れ替えてからエアコンを点けた方が部屋の冷やし過ぎにつながりにくいので、換気→エアコンの順番がオススメです。電気代的にもそちらの方がお得ですし。

エアコンの温度設定については換気の分も加味すると25℃~26℃くらいが快適に過ごせる適正になると大谷医師。

室温と共に「湿度コントロール」も重要なポイントで、まずは湿度計・温度計を導入して部屋の湿度についてチェックするクセをつけるのが大事。

湿度という点では外が雨の場合は換気をすると湿度を取り込むことになってしまいますが、それでも換気はすべきというのが大谷医師の見解。

熱中症予防・感染症対策の換気・湿度・室温でバランスを見て、換気を行って上がってしまった湿度や室温はその分水分補給をよく行うなどして対応すべきとの事。

熱中症対策まとめ

最後にまとめ、

  • 長時間のマスク着用は「隠れ脱水」リスクアップなので厳禁
  • 小まめな水分補給は1時間にコップ半分
  • 夏用の身体=暑熱順化のためには、入浴と牛乳
  • 「エアコンつけっぱなし換気」が基本で窓はエアコンから遠い位置を開ける

という事で以上、熱中症対策の新常識についてでした。

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