西武の「Stay Positive for Christmas」の意味はホントに不謹慎?あなたの英語力は大丈夫?
西武・そごうがクリスマス商戦に合わせて打ち出した広告コピー「Stay Positive for Christmas」はコロナ禍にあってクリスマスの為に前向きにという意味なわけですが、どうやら一部で不謹慎では?と言われているとか。その辺について詳しく述べたいと思います。
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西武・そごうが打ち出したコピーというのがコチラ。
「STAY POSITIVE for CHRISTMAS」と銘打たれていますが、
stay positiveという成句で「前向きに頭を切り替える」という意味合いになりますので、
文章全体の意味を日本語訳すると、
「クリスマスに向けて前向きになろう!」というのが一般的。
ところが、これに対して穿った見方でイチャモンを付けている一部の人たちがいるようで、
その人たちの言い分は、positiveには「陽性」という意味があるので、
「stay positive=陽性になり続ける、維持する、保つ」という意味合いに解釈して、
「クリスマスに向けて(コロナ)陽性になろう or なり続けよう!」といったダブルミーニングを含む広告コピーだと主張しているとか。
この文章には実は裏の意味があるというのはホントの所はどうなんでしょうか?
Stay Positiveの使用例
確かに主張の趣旨は分かりますが、stay positiveの使用例を見てみると、
ユニセフを含む複数のホームページでstay positiveという表現がコロナにくっ付く形で多用されています。
特に目立つのはstay positive during COVID-19という文章が多く見られますよね?
これは「コロナ禍でも前向きにいる」という意味合いとして使われているわけで、
これらも全てダブルミーニングであるとするならば、
「コロナ禍にあって陽性になる」
と解釈されてしまうわけです。
だとしたら少しおかしいですよね?
そんな裏の意味を含むような誤解を生む表現がこんなに多く見つかるというのは。
ということは逆に言えば、
「ネイティブからしたらそんな意味には普通はとらない」
という証拠。
そもそもウイルスへの罹患で陽性になる、検査で陽性判定になるという表現では、
test positiveという語で記されるのが普通なので、
「コロナで陽性になる」と英語で表現する時は“I test positive for COVID-19.”でOK。
stay positiveという語の並びをパッと見た時に「ウイルスや細菌感染症への罹患」をイメージするのは非ネイティブの人たちだけはないでしょうか。
コロナ禍にあってpositiveというワード自体がnegativeな意味に捉えられてしまう時代なので確かにイチャモンを付けたくなる気持ちも分からないではないですが、
「Stay Positive for Christmas」という語の並びでウイルスへの陽性反応を連想するのはかなりこじつけ感が強いと言わざるを得ません。
気になる方はツイッターやインスタグラムでstay positiveとワード検索してみれば、このコロナのご時世にネイティブの人たちがわんさかstay positiveと投稿しているのが分かるハズ。
それらはまずダブルミーニングではないわけで、当然ながら不謹慎でもなんでもないですよね。
それぐらいstay positiveはよく使われるありふれた表現という事でもあったり。
一応フォローしておくと「Stay Healthy」でも頭につけておけば変なイチャモンもかわせたかもしれませんね。
逆に無理やりダブルミーニングに持って行きたかったら、
「Stay POSITIVE for Christmas」と大文字で表記して強調したり、
「Stay “POSITIVE” for Christmas」とダブルクォーテーションで囲っておけばかなりダブルミーニング感を高められたかも。
とはいえ、中途半端に英語の知識があるとこういう早まった認識を生んでしまうという良い例で逆に日本人の英語力が心配になる所ですね。