ご飯と味噌汁の置き方はなぜ左からご飯→味噌汁と並べる?関西は?チコちゃんに叱られる
21年3月19日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『自分から見てご飯を左、味噌汁を右に置くのはなぜ?』というマナー・作法に関する疑問。実はこの置き場所には「太陽」が関係しているそうですがそれは一体なぜでしょう?また、関西や九州の一部では左奥に味噌汁という配置もあったり?
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【ゲスト】高畑淳子、小島よしお
【VTRゲスト】なし
自分から見てご飯を左、味噌汁を右に置くのはなぜ?
2問目の回答者指名は、
この中で一番、和食が好きそうなステキな大人ってだーれ?
回答者は小島よしおさんに決定。
するとご飯・味噌汁・おかず(焼き魚)の配膳セットが運び込まれてきて、どうやって並べるかやってみて?というチコちゃんのリクエスト。
食べる人から見て左側にご飯、右側に味噌汁、上に焼き魚という配置を示す小島よしおさん。
チコちゃん「流石!これ正解なのよ。」
ここでチコちゃんの疑問は、
なんで自分から見てご飯を左、味噌汁を右に置くの?
ご飯を左手で持ちやすいからという答えで、ご飯を左手に持った形をベースとして他のおかずに手を伸ばしたりするからという答えですが、そうなると味噌汁の立場は?
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
高畑淳子さんからはご飯茶碗を左手に持ったまま、すぐに刀を抜いて戦えるようにという答えが飛び出していますが恐らく不正解かとw
というわけでチコちゃんの答えは、
太陽が東から昇るから
解説は東京農業大学の前橋健二教授。
まず前提としてご飯が左に置いてあるのは「ご飯が味噌汁よりも偉いから」と前橋先生。
これは日本に昔から伝わる左右だと左の方が上位になるという左上位の思想に関係。
例えば着物の襟は自分から見て右を下にして左を上にして着ますよね。
また、演芸の分野などでは舞台ステージに立つ自分から見て左側が上手(かみて)、右側が下手(しもて)と表現するのも左上位の思想。
スポンサーリンクこの左上位思想は元々は中国から伝わったもので、
日本が平安時代の頃に書かれた中国の申鑒(しんかん)=思想書には「天子南面(てんしなんめん)」という皇帝は南向きに座って天下を治めると記されていたり。
それが日本に伝わった事で、明治2年まで天皇のお住まいであった京都御所は天皇は正殿の紫宸殿(ししんでん)で南向きに座っていたとか。
という事は南に向かって座っているので太陽は東(左)から昇り、西(右)に沈むという事になりますね。
太陽が昇る東は沈む西より尊重され、その結果左が右よりも上位という考えが生まれたんですね。
ではこのルールが食事の配膳に組み込まれたのはなぜなんでしょう?
日本に現存する最古の歴史書(※国の正式な歴史書、勅撰国史としては最古)である日本書紀には、
天皇の祖先とされているニニギノミコトが地上に降りる際に「天上で育てた神聖な田んぼの稲穂を我が子孫に授けましょう。」と伝えたとの事。
つまりコレは「米=神からの恵みの象徴」という意味。
このように神話にも残っているように、実際に日本では稲作中心の生活を送り、言うなればお米は命の糧。
稲という言葉の語源も「生命の根 → いのちね → いのえ → いね → 稲」という移り変わりだったという説もある程にお米は日本人の生活と切っても切れない関係。
という事はここまで特別な存在であるお米を左上位の思想によって左側に置くのは自然な事ですよね。
このご飯を左に置く文化は平安時代頃に根付いたものだそうで、当時描かれた絵巻でもご飯は左に、汁物は右に。
そして現代の家庭科の教科書にも「ご飯は茶碗に盛り付けて左に、汁物は汁椀に盛り付けて右に置き、手前に箸を揃えて置きます。」としっかり記載。
これでこの疑問は解決かと思いきや、前橋先生からはこんな発言が、
「関西地方や九州の一部では味噌汁を右手前では無く、左奥に置く人が多いんです。」
その理由については「ちょっとよく分からないです…。」と言葉を濁す前橋先生。
恐らくコレは左手でお茶碗も汁椀も持てるように縦に並べたから、おかずに手を伸ばした時に味噌汁が右にあると邪魔になるからという実用的な理由なのではないかとの事ですが、その詳しい事情は不明。
というわけでコチラが結論。
自分から見てご飯を左、味噌汁を右に置くのは太陽が東から昇るから
でした。
好きな定食は?の質問には「チャーハン定食かと思いきや、焼きナス定食でございます。」とチコちゃん。
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