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ひるおび 田中理恵・佑典が解説する体操個人総合橋本大輝の逆転金メダル&つり輪の判定


21年7月29日放送のTBS系「ひるおび」に元体操日本代表の田中理恵、田中佑典が出演し東京オリンピック体操男子個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝の劇的な逆転勝利について解説。特に物議を醸したつり輪で減点されたシーンについて田中佑典の見解は?

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スタートダッシュ

体操の得点はDスコア(演技の難易度)+Eスコア(演技の完成度)の合計で争い、

高得点の目安となるのが14点台後半~15点台というのが基本的な知識。

【1種目目:ゆか】

Dスコア6.200+Eスコア8.633=14.833(1位)

ここでG難度リ・ジョンソンを決めて首位発進をした橋本大輝。

田中理恵「このリ・ジョンソン、団体予選・決勝とラインオーバーをしてしまってたんですよ。個人総合は0.1を大事にしていかないと勝てない試合なのでラインオーバーどうなるか?と思ってたらちゃんと修正して来て、自身を持って攻めた体操をしていて。」

※ラインオーバーはゆかの競技エリアから出てしまう減点対象で、片足が出ると0.1の減点

ゆかからスタートするのは正ローテーションと呼ばれる競技順で体操選手にとっては「慣れたローテーション」でやりやすいというのもポイント。

田中佑典「団体予選・決勝で個人決勝が一番(スコア)が高かったのでホントに良いスタートダッシュ。次も得意な種目が続くんですけど、2段のスタートダッシュを切れたと思います。」

一方で団体総合で金メダルを獲得したROC(ロシア・オリンピック委員会)ナゴルニー選手は本来ゆかが得意だったもののI難度の自身の名前がついたナゴルニーを封印して挑み、14.433(6位)の得点に終わってやや物足りないスタート。

【2種目目:あん馬】

Dスコア6.500+Eスコア8.666=15.166(1位)

橋本大輝にとっては本来であれば得意種目のあん馬でしたが、国内大会・代表選考会と落下のミスを犯していて直前の合宿でも不調続きと落とし穴になる可能性のある種目。

不安が募る中、E難度の着地をしっかり決めて得点を伸ばす事に。

田中理恵「大過失が出てしまう種目なので、選手たちもドキドキしていると思います。」

全身を手で支える種目という事もあって、腕・体幹・肩・脚と全身の筋肉を総動員するあん馬では僅かなリズムの崩れから落下のリスクがあり大きなミスが出やすい種目。

足先までしっかり閉じて綺麗な姿勢を保つのは難しい所ではありますが、

田中理恵「完璧。すごい。」

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つり輪減点の理由

【3種目目:つり輪】

Dスコア5.300+Eスコア8.233=13.533(2位)

得点が発表されるまで7分ほどかかるという不穏な空気が会場で流れる中、

田中理恵「だいぶ時間がかかっていたので何か(会場は)ザワついてましたね。ちょっとドキっとしました。」「つり輪は橋本選手にとって耐える種目。あまり高得点は狙えない種目なのでそういった意味では耐えた種目ではありました。」

※田中理恵は中継担当として現地入り

結果はDスコアが低くジャッジされた事が影響して24人中12位に。

この要因として考えられる事が、

「『後ろ振り上がりの開脚上水平』という技でC難度が不認定になった可能性がある。」という田中佑典の指摘。

田中佑典「中盤に入れた開脚上水平っていう技なんですけど、これが肩と腰と足がマット(床)に対して平行じゃないと認定されないんですね。」ひるおび 田中理恵・佑典が解説する体操個人総合橋本大輝の逆転金メダル&つり輪の判定

映像をよく見るとお尻の位置が高くて平行になっていないようにも見えますが、

田中佑典「ちょっとお尻が上がってるように見えるじゃないですか?(お尻が)上がっている事で足が下がっているように見えて不認定。その0.3(の減点)じゃないかと。」

田中理恵「そこが審判の方々が悩んで7分もかかった。」「待ってる本人もドキドキしたと思います。そんなに悪い演技では無かったので『何かとれないのかな?』とか悩む時間がまた次の種目に響いてしまうじゃないかと思ったんですけど、本人は点は気にせず次!次!って。」

ほぼ完璧な演技

【4種目目:跳馬】

Dスコア5.600(減点0.1)+Eスコア9.200=14.700(4位)

着地でマットの外に出てラインオーバーの減点0.1を喫してしまうものの、

田中佑典「入りの足であったり、空中姿勢であったり、足が一切開かないんですね。で雄大で距離もある跳躍。で着地の高さも高いと。だから点数が残りやすかったと思われます。」

つまり着地で大きく一歩出てしまったという目立つミスを除けばほぼ完璧な演技だったという評価。

順位としては4位に後退してしまうものの、踏みとどまったという印象との事。

田中理恵「跳馬を終わった後に本人ちょっと頭を抱えたんですよ。やっちゃった!みたいな仕草があったのでちょっと気にはなってたと思います。」

【5種目目:平行棒】

Dスコア6.200+Eスコア9.100=15.300(3位)

橋本大輝の得意種目という事もあって、ほぼ完璧な演技を披露。

田中佑典「(橋本大輝は)元々苦手だったんですけど、点数をとれる種目になって来たんですね。平行棒って倒立をすごく見られる種目なんですけど、落ち着いた倒立、丁寧な捌き、ホントに素晴らしいと思います。」

田中理恵「完璧です。絶対とらなきゃいけないって所で完璧な演技が出来たって心の強さが素晴らしいですね。」「緊張する中でも楽しめるっていう選手なので心が強すぎます。周りもミスを出していない。全員が良い勝負をしたっていう試合だったんで。すごいレベル高かったです。」

田中佑典「僕はロンドン五輪の時に少しのまれてしまった所があって、オリンピック独特の雰囲気ってのが『これか…』って。尻ごみとと言いますか。ホントに歓声の量が凄かったですね。その分技が決まった時は気持ちいい。」

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金メダルへの逆転劇

5種目を終えて残りは鉄棒を残すだけですが、この時点での順位は、

  • 1位 肖 若騰(中国) 73.999
  • 2位 ニキータ・ナゴルニー(ROC) 73.665
  • 3位 橋本大輝(日本) 73.532
  • 4位 孫 煒(中国) 73.398

でトップとの差は0.467。

参考として予選鉄棒の成績を見てみると、

  • 橋本大輝(日本) 15.033
  • ニキータ・ナゴルニー(ROC) 14.466
  • 肖 若騰(中国) 14.266
  • 孫 煒(中国) 14.000

と橋本大輝がナゴルニー選手に対して0.567のアドバンテージ、

肖 若騰選手に対しては0.767のアドバンテージ持っていたのを踏まえると逆転の可能性は十分。

田中佑典「気持ち的にはだいぶ良いですね。得意な種目で点数がとれるっていうのが最後にあって。本人も鉄棒が一番点数をとれるようになって来ているって言ってたので心に少し余裕も持ちながら。」

演技順は予選の順位で決まるわけですが、予選1位通過だった橋本大輝が最後の6番目に演技と大トリ状態。

田中佑典「最終演者はプレッシャーもかかるが、相手の演技を見てプログラムを決められるメリットもある。」

【6種目目:鉄棒】

Dスコア6.500点+Eスコア8.433点=14.933

予選よりはスコアが落ちたもののほぼ目論見通りの点数を出した橋本大輝の演技については、

田中佑典「正面から見ても足割れが見えないですよね。」

田中理恵「写真を撮ってどこを切り取っても絵になる選手ですよね。」

※足割れ(脚割れ)は両足がピシッと揃わず開いてしまう悪い姿勢

着地の瞬間、橋本大輝本人も勝利を確信したかのような大きなガッツポーズが出ていましたが、

田中佑典「自分の演技をすれば点数はついてくると思ってたでしょうし、予選も良い出来で点数が出てたのでそれと同等に点数が出ると思ったと思います。」

田中理恵「メダルを獲った3人の選手はホントに最後の最後まで良い試合をしたので、個人総合は戦いなんだけど、みんなで繋いでいったような空気もあったんですよ。会場で観ていて。みんなで作り上げた個人総合。なので終わった後も各選手で握手をしたりだとかハグをしたりっていう個人総合の戦いがあったと思うので。」

相手のミスや良い演技に一喜一憂するのではなく、全員がベストの演技を披露した上でメダルの色や順位が決まるという展開が一番良いわけで、そういう試合が実現していたというわけですね。

田中理恵「ホントに個人総合の戦いでした。」

最終結果は、

  • 1位 橋本大輝(日本) 88.465
  • 2位 肖 若騰(中国) 88.065
  • 3位 ニキータ・ナゴルニー(ROC) 88.031

という3人のメダルが決定。

以上、ひるおびで解説された東京オリンピック体操男子個人総合金メダル橋本大輝の試合展開についてでした。

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