健康カプセル ゲンキの時 100%予防できる熱中症対策&飲み物以外の注意点は?
21年8月8日放送のTBS系「健康カプセル ゲンキの時間 必見!熱中症の意外な原因&予防法」では対策すれば”100%予防できる病気”である熱中症を特集。熱中症経験者100人アンケートで分かる水分不足以外の熱中症の原因や具体的な対策は?頭痛、吐き気=水分不足、脱力感=塩分不足といった初期症状別の原因対照表なども。
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熱中症の症状とその原因
まず基本的な情報として熱中症の症状とその原因について見てみると、
水分不足=めまい、頭痛、吐き気、集中力低下、食欲不振
塩分不足=足がつる、しびれる、脱力感
というのが簡単な対照表。
水分量が低下すると血液の量が減るので血圧が低下してめまいや頭痛を引き起こしやすく、血圧に関連する症状が現れるのが特徴的。
一方で塩分が不足すると神経や筋肉に悪影響を及ぼすのでけいれんや脱力感といった症状が現れるのが特徴。
熱中症対策=飲み物?
解説は帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センターの三宅康史先生。
熱中症の原因として真っ先に思いつくのが「水分不足」でその対策はしっかり飲み物で水分補給をするのが鉄則なのは言わずもがな。
実際、熱中症経験者100人のアンケート回答では水分不足が原因で熱中症にかかったと思われる方は100人中53人とやはり主な原因である事は間違いない様子。
となるとやはり「2~3時間おきにコップ1杯分程度の水分を習慣づけて飲むのが大切」というのが熱中症対策の基本と言えそうですが、ここで気になるのが”水分不足以外の”熱中症の原因について。
100人のうちほぼ半数の人は飲み物を飲んでいれば熱中症にかからずに済むわけですが、残りの半数はそれだけでは防げないというのが意外な所。
三宅先生によると、原因として考えられるのが、
- 食事抜き(塩分不足)
- エアコンの設定温度(ジワジワ型熱中症)
- 睡眠不足
ではそれぞれの項目について細かく見ていきましょう。
スポンサーリンク食事抜き(塩分不足)
アンケートを基に考えられるのが「水分補給はしていたものの食事を抜いたまま屋外で活動していた」というケース。
朝ごはんや昼ご飯などの食事を抜いてしまうと、塩分とエネルギーの補給がされないまま活動する事になるので熱中症の原因に。
私たちの身体は塩分によって水分が保持されていますが、汗をかいて水分と塩分が流出すると、水分を保持する塩分が少なくなる為に水をどれだけ飲んでも脱水状態が改善できない状態に。
500mlから1Lの汗に含まれる塩分量は3gほど。これが真夏の屋外だと2L~3Lほどになってしまうので失う塩分は9gに達する場合も。
日本人の1日の平均塩分摂取量は男性で10.9g、女性で9.3gという厚生労働省の調査データを基にすると、3食きちんと摂っている人は塩分不足にはなりにくいことが分かりますね。
でも汗をかく量によっては3食摂ったとしてもギリギリのライン。
という事はつまり、1食でも抜いてしまうと夏に大量の汗をかいた時に塩分不足に陥って熱中症を引き起こす可能性が高まるというわけですね。
食事がどうしても摂れないという場合は塩分の含まれる飲み物でしっかり塩分補給を行うというのも合わせて注意したい所。
1Lの水に40gの砂糖、3gの塩、レモン汁少々を混ぜた手作りの経口補水液などでも簡単に対策できるのでおすすめ。
ただし、高血圧などで塩分を控える必要がある方はかかりつけ医に予め相談するのも覚えておきましょう。
エアコンの設定温度
熱中症は屋外で起こるイメージが強いですが、厚生労働省のデータによると、熱中症入院患者385人のうち屋外と屋内での発生率はほぼ同数で、今回のアンケートでも100人中34人が屋内で熱中症になったと回答。
中にはエアコンも使用していて室温には気を遣っていたのにもかかわらず熱中症になるケースもあり、その場合は熱中症の原因として考えられるのがエアコンの設定温度ミス。
エアコンなどの冷房が苦手だったり冷え性だったりで設定温度を29℃などにしていると実は熱中症リスクがアップ。
知らない間に熱中症が進んでしまう「ジワジワ型熱中症」になると三宅先生。
ジワジワ型熱中症は部屋の暑さで身体が疲れてしまい、体温調整機能が低下する事で起こってしまう熱中症の事。
特に加齢に伴って暑さに鈍感になった高齢者がエアコンをつけないまま自宅で熱中症になるケースも多いので、正しくエアコンを使う事が手っ取り早い対策法。
そこで注意したいのが「エアコンの設定温度+室温・湿度管理」というポイント。
目安としてエアコンの設定温度「28℃以下」にして、そこに加えて温度計を使って実際に部屋が28℃以下になっているのを確認しながら生活するのが重要。さらに湿度管理にも気を配り、
湿度が高い状態だと汗が蒸発しにくくなって身体の熱を逃がしにくくなり、実際に室温28℃の時に湿度60%と湿度85%で身体の表面温度を比較する実験を行ってみると、
湿度85%の方が赤い部分が多く見られて体温が上がってしまっているのが分かりますね。
湿度計で湿度が高い事が確認できれば、あとはエアコンのドライ(除湿)機能などを使う事で部屋の湿度を下げるのが大切。
室内環境の目安は、
温度25℃~28℃、湿度40%~60%
の範囲内に収めるようにしましょう。
実はエアコンを24時間付けっぱなしにしていても屋外の気温や湿度の変化によって室内環境にも影響が出るものなので、エアコンの設定温度ばかりに気をとられないように温度計・湿度計を部屋に置いておくのがルール。
スポンサーリンク睡眠不足
続いては「熱中症になってしまった前日の睡眠時間がいつもより2時間短かった」というケース。
三宅先生によると睡眠不足の状態だと自律神経の働きが落ちてしまい、体温調整機能も低下してしまうとの事。
朝起きた時に疲れを感じる場合は睡眠不足の可能性があるので炎天下の散歩や運動などは避けるのが無難。
散歩を日課にしている人は睡眠時間にも気を配る事が大切。
質の良い睡眠をとることが大事なので寝室の環境を整える事にも気を配りたい所。
○○を冷やす
熱中症かな?と思われる症状が現れた場合は、涼しい場所で安静になり、水分と塩分を補給する事や、首や脇、内股(そけい部)などの太い血管を冷やす事が大切と言われていますが、
熱中症対策として予め「ある部分」を冷やしておくのも効果的で、それが、
手の平
実は手の平を冷やして熱中症対策をする方法は甲子園(高校野球)でも実施済み。
練習や試合の合間に手の平を冷やす用にペットボトルや水が常備されているんですね。
神戸女子大学の医学博士平田耕造先生によると、
手の平にはAVAという特別な血管が走っていて、暑い時には血管を開いて熱を逃がしやすくしてくれる機能が備わっているものなんだとか。
AVA(Arteriovenous Anastomoses)は動脈と静脈をつなぐ動静脈吻合と呼ばれる血管で、その部分を冷やす事で効率よく体温上昇を防げるんですね。
このAVAは手の平の他に頬、足の裏にもありますが、アメリカのスタンフォード大学の研究では、
AVAを冷却する方法の方が太い血管を冷却するよりも深部体温を下げるのにより効果的というデータも。
では保冷剤や氷のうなどで手の平などにあるAVAをガンガンに冷やせば良いのかと言えば必ずしもそうではなく、
大事なのは冷やす温度。
冷やし過ぎないちょうど良い温度がポイント。
足湯で体温が自然と上がる環境を作り、手の平を5℃の水で冷やした場合と15℃の水で冷やした場合で比較観察してみると、
15℃の水を使って冷やした方が体温が下がったという結果に。
これはAVAには冷たすぎる温度に反応して血管を閉じて熱を逃がしにくく性質があるからなんですね。
自動販売機で売られているペットボトル飲料などは5℃ぐらいまで冷やされた状態なので、もしペットボトルで手の平を冷やす場合はタオルやハンカチで巻いて5分ほど経つと表面温度が15℃に。
また、流水で手を洗うのも効果的でその際は手の平だけではなく、肘までしっかり水につけて長めに洗うのがポイントと三宅先生。
以上「健康カプセル ゲンキの時間」から熱中症対策の特集についてでした。