庵野秀明+松本人志の対談番組 庵野秀明が好きなウルトラマンの名シーンはマニアックな点だらけ
21年8月20日からアマゾンプライムで配信開始された品川ヒロシ監督による庵野秀明&松本人志の対談番組「庵野秀明+松本人志 対談」。前編と後編に分かれた番組内で庵野秀明が挙げた子供の頃に衝撃を受けたウルトラマンの名シーンとは?プロフェッショナル仕事の流儀でも語られた片足の無い父親と重なる部分がありそうですが、それは一体?
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ヒーローに感じるエロス
2人の対談が「子どもの頃観ていたアニメや今でも覚えているシーン」という話題に移ると、
松本「僕はマジンガーZの最終回とかね、もうズタボロにやられるマジンガーZとかに、ちょっとエロスすら感じてしまっていた自分がいて。」
庵野「分かります。」
松本「ありますよね?」
庵野「あります。」
松本「マジンガーZが手足もぎとられて。何なんでしょう?あの時に脳から出て来るエロス感というか。」
庵野「はい。それは僕もあります。僕もウルトラマンがやられる回が好きなんですよ。やられてる時にすごいこう…エロスを感じます。
松本「あとタイガーマスク。タイガーマスクの最終回にタイガーマスクがやられて、最後マスク剥がれちゃった時にちょっと勃起に近い感覚が自分の中にあって。何なんでしょうね?」
庵野「何なんですかね?ヒーローがやられてる所に一種興奮をするというのは。それはありますね。」
「プロフェッショナル仕事の流儀~庵野秀明スペシャル~」の拡大版にあたる「さようなら全てのエヴァンゲリオン~庵野秀明の1214日~」内でも、
庵野「本来完璧なはずなのに、どこかが壊れてるとかは僕は面白いと思います。面白さってそういうものだと思う。僕の面白いってちょっといびつな所にあると思うので。」
「どこか欠けてる方がいいと思うのは多分僕の親父が足が欠けてたからかなと今思いますけどね。そういう親を肯定したいっていうのもあるかもしれないですね。」
と語っていた庵野秀明。
幼少期に描いていたロボットの絵も腕だったり足が欠けている姿をよく描いていたそうで、ヒーローの完璧ではない姿に魅せられていたというのは、子供にとってのヒーローである父親にどこか姿を重ねていたのかもしれませんね。
“ニセ”が好き
ウルトラマンや仮面ライダーでは「ニセウルトラマン」「ニセ仮面ライダー(ショッカーライダー)」のような”偽物”が登場する設定が好きと意見が一致した2人。
庵野「やっぱ”ニセ”って好きなんです。」
松本「ニセってイイですよね。」
庵野「そういうのがすごい好きなんで。あれは燃える展開です。」
松本「あれは誰が考えたんでしょうね?」
庵野「昔からあるネタではありますけどね。ヒーローの偽物というか主人公の偽物が出て来るっていうのは。」
スポンサーリンクウルトラマンの好きなシーン
ウルトラマンの好きなシーンについて具体的には、
庵野「ゴモラでウルトラマンが初めて敗れる、あの回はすごい好きです。もうやられ方が確かにエロスなんですよ。すごくイイやられ方なんですよね。倒れてる時のポーズそのものが痺れる。手の形が。倒れてる時の。」
エピソードとして好きなのはザラブ星人という庵野秀明は、
庵野「ニセウルトラマンも出て来て。あとザラブ星人の設定そのものが好きで、人類を滅ぼす理由が無いんです。仕事で来てるんです。なんでそんなヒドイ事をするんだ?ってハヤタ隊員が聞くと『仕事だから。』仕事で人を滅ぼしに来てるって僕はもう子どもの時にすごい衝撃で。『こういう仕事をしている宇宙人がいるんだ。これはイイ!』と思った。」
松本「それを面白がる子どもがすごいですけどね。」
庵野「いやビックリです。仕事ってすごい。」
ウルトラ怪獣よりも宇宙人の方に興味を惹かれていたという庵野少年ですが、同じ話題で盛り上がれる友人は周囲にはいなかったとか。
ここからは好きなシーンを挙げ出したらキリがないという程にずっと喋り続ける庵野秀明とそれをずっと笑って聞いている松本人志という場面に。
第26話『怪獣殿下 前篇』では息も絶え絶えにスペシウム光線を放とうとするウルトラマン。
庵野「僕は怪獣よりかは宇宙人の方が好きなので、宇宙人好きですね。ゼットンの回もいいですし、やっぱりゴモラの(回の)やられっぷりがイイですよ。怪獣殿下前篇の最後の方です。ゴモラが逃げる時にスペシウムを撃とうとしてる時のウルトラマンが素晴らしいんですよ。」
第20話『恐怖のルート87』ではヒドラの猛攻を受けて倒れるウルトラマン。
「あとヒドラの時に頭をバンと一回やられてクラクラっとなってバタンと倒れる時のウルトラマンがすごいイイんですよ。マニアックすぎますけど。あの時の倒れてるポーズも素晴らしい。」
第18話『遊星から来た兄弟』ではチョップの当たり所が悪くて痛がるウルトラマン。
「ニセウルトラマンにチョップした時に当たり所が悪くて、多分目に当たって多分本当に痛かったんです。その時の痛い芝居が大好きなんです。あれは痺れますね。自分で何度真似したか。」
第2話『侵略者を撃て』では空を飛ぶバルタン星人に向けてスペシウム光線を発射する前にチラッと横を確認。
「あとバルタン星人の最初の回のスペシウムを撃つ時に一回よそを見てから撃つのがすごくイイんです。あれは実際に演じている古谷 敏さんの目の覗き穴だと指示が分からなかったらしくてチラッと見た。でNGかと思ったらそれがそのまま使われたらしい。あの”本来ない芝居”がすごいイイんですよ。アドリブ的な。あれイイですよね。」
第13話『オイルSOS』では背中を撃たれて悶絶した直後に振り向いてスペシウム光線。腰のキレがポイント。
「あとペスターにやられた、後ろから炎を撃たれてバンと爆発してですね、その後に怒ってスペシウムを撃つ時のポーズがすごくイイんですよ。ウルトラマンの芝居っていうかウルトラマンの仕草がすごく好きなんだと思います。ウルトラマンそのものが多分好きなんだと思います。仕草含めて存在とかですね。」
以上「庵野秀明+松本人志 対談」より庵野秀明が好きなウルトラマンのマニアックな名シーンについてでした。