お茶碗はなぜご飯を入れるのにお茶碗?その語源は?チコちゃんに叱られる
21年9月18日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で出題されたのは『ご飯を入れる器を「お茶碗」というのはなぜ?』という言葉の語源に関する問題。実は焼き物全般を広く指す言葉として”茶碗”が用いられるそうで、その歴史について深掘り。最後にオダギリジョーが飛び入り参加する番組初のパターンもあったりして。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】池松壮亮、麻生久美子、オダギリジョー
【VTRゲスト】なし
ご飯を入れる器を「お茶碗」というのはなぜ?
3問目の指名は、
この中で一番、ご飯をたくさんおかわりする健康的な大人ってだーれ?
ここは麻生久美子さんよりは食べるハズという事で池松壮亮さんが回答者に。
視聴者の方から寄せられた質問を基にしたチコちゃんの疑問は、
なんでご飯を入れる器をお茶碗っていうの?
食べ終わった最後にお水やお茶を入れてお茶漬けにしたからという答えですが、
チコちゃん「ボーッと生きてんじゃねーよ!」
続けて岡村さんは、お茶を飲むお茶碗に入る分だけ食べられるようにご飯の量が決まっていたからという答えですがコチラも不正解。
というわけでチコちゃんの答えは、
焼き物の器はどんなものでも「お茶碗」と呼ばれていたから
解説は静嘉堂文庫美術館の河野元昭館長。
茶碗というのは元々はお茶を飲む器としてお茶と一緒に中国から伝わったものと考えられており、古くは平安時代の文献に既にお茶に関する記述があったりして、日本人とお茶(茶碗)の関係性は1000年以上も続いているとの事。
ところが昔のお茶は今とは違う存在だったそうで、鎌倉時代に書かれた「喫茶養生記」にはお茶=病気に効く薬という記述。
当時のお茶は今のように一般的な飲み物では無く身分の高い人だけが薬として口にできる高級品。
という事はお茶を入れる為の茶碗もそのほとんどが中国から輸入された高価な品物という意味でもあったり。
その後はお茶の国内生産が進んだおかげで室町時代以降は徐々に薬としてではなく現代と同じく日常的な飲み物として普及。
「一服一銭」と呼ばれる道端で一銭でお茶をうる商売があったり、かの有名な茶人の千利休が活躍したりとお茶文化は広がりを見せ、身分に関係なくお茶を飲むように変化。
そしてこの頃になると茶碗には2つの意味が存在するようになり、
- お茶の器
- 焼き物全般
と2種類の意味で使われるように。
当時の文献には現在でいう所の香炉や燭台、花瓶、鉢など全て茶碗という表記。
日本人にとって茶碗がとても身近なものであると同時に、お茶が思い入れの強いものだったので焼き物全体を茶碗と呼んでいたのでは?と河野先生。
スポンサーリンクまた、江戸時代以降は日本の焼き物技術が高まった事で大量生産が出来るようになって値段もお手頃になった影響も大きく、それまではご飯の器と言えばもっぱら木の器に入れられていたそうで、焼き物の器にご飯を入れるのが普及したのは江戸時代以降の事なんだとか。
このような変化が起こったのは「ご飯のこびり付きやすさ」も関係しているようで、木のお椀に比べて焼き物の器は表面が滑らかでこびりつきにくい性質があったので、焼き物の普及と共に人々は焼き物の器にご飯を盛るようになったのではないか?との事。
そんな流れからご飯を入れる器も茶碗と呼ぶ文化が生まれたというわけですね。
最後に静嘉堂文庫美術館が誇る「世界一の茶碗」という逸品「曜変天目」というお茶を飲むための椀を拝見。
完全な状態では世界では3椀しか残っていないとされる国宝。
かつては徳川将軍家が所有したものでその特徴は内側の斑点。
鮮やかな色合いは偶然の産物だそうで、その希少性から大正時代に行われた取引では現在の価格にして数十億の値が付いたとか。
現在でも多くの陶芸家がその色合いの再現・復元に私財をなげうっているそうですが、それでもここまでの色合いを出すのは至難の業なんだそう。
ということでコチラが結論。
ご飯を入れる器をお茶碗というのは焼き物の器はどんなものでもお茶碗と呼ばれていたから
でした。
好きなご飯のお供は?という質問には「家族の笑顔とブラタモリ。食が進みますよ。これは。」と素敵な答えのチコちゃん。
最後に塚原愛アナからは、
木のお椀の中でも漆塗りのお椀は表面が滑らかでご飯がこびり付きにくいので、現在でもご飯を入れる器として用いられているという補足。
最後の最後に池松壮亮さん、麻生久美子さんと共にドラマ出演中のオダギリジョーさんが参加。
オダギリジョー「僕だけなぜかチコちゃんに呼ばれなかったんですよ。笑。最後でも出れて良かったです。」
チコちゃんのゲスト回答者3人体制は拡大版SPの時だけだったりしますしね。
というわけで3問目は以上。
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