あさイチ 汗特集 汗染みを落とす洗濯、汗疹と汗荒れの治し方、熱中症を防ぐ汗をかく方法
22年5月18日放送のNHK「あさイチ」では汗の天然保湿、汗疹と汗荒れの違いや対策スキンケア、熱中症予防の汗のかき方(汗トレ)、汗染み&黄ばみを落とす洗濯といった内容を解説。そこで番組内容を簡単にまとめてご紹介。
スポンサーリンク汗の美肌効果
解説は長崎大学大学院の室田浩之教授。
汗には乳酸、カリウム、ナトリウム、尿素といった天然保湿因子が含まれているので皮膚を持続して保湿する事が可能と語るのは室田先生。
つまり”汗=天然の保湿美容液”というわけですが、さらにはアトピー性皮膚炎のかゆみを抑える効果もあるという研究も。
室田先生「アトピー性皮膚炎の患者さんは汗を十分にかけていないんで汗の恩恵を受けられていない事がむしろ皮膚症状の悪化に繋がってるんじゃないかという事を研究の成果として発見したんです。」
汗が皮膚の表面を潤す事で肌を守り、雑菌やアレルゲンを抑えたり、さらには汗によって新陳代謝が活性化する事で古い角質が除去されると汗にはメリットが多いというわけですね。
実際にアトピー性皮膚炎の患者さんに有酸素運動をやってもらうと皮膚症状が改善して行くという治療法の研究も今進んでいるそう。
とくにかき始めの汗にこういった保湿成分が多く含まれるそうで、時間が経つにつれて徐々に成分が薄くなっていくとか。
実際は汗びっしょりまでかかなくてても”じわっと汗ばむ程度”でこういった汗のメリットを十分に受けられるとの事。
汗荒れ or 汗疹
このように汗にはたくさんのメリットがある事が分かりましたが、
その一方でマスク生活などで汗による肌荒れ、汗疹(あせも)で皮膚科を受診する人が増えていると指摘するのは皮膚科医の吉木伸子先生。
適量の汗であれば肌を守ってくれるのに対して”放置した汗”は肌トラブルの原因に。
雑菌が繁殖してニオイの原因になったり、濃い汗の水分が蒸発する事でかゆみや炎症を引き起こしたりとなかなか厄介。
ただしマスクによる肌荒れはある程度避けられない部分もあるというのが吉木先生の意見で、マスクを外せる場面では適切に外したり、普段のスキンケア(※後述)で肌のバリア機能を正常に保つ努力で対処するしかないというアドバイスも。
ちなみに汗による肌荒れ(汗荒れ)は全てひっくるめて「汗疹(あせも)」と考えがちですが、汗荒れと汗疹は全く別のもの。
汗の管が詰まってしまう症状で、小さなブツブツとした水泡は汗詰まりの証拠。
実はあまりかゆくないので、かゆみが気にならないのであれば数日で自然に治るのを待ってOKと吉木先生。
汗疹の根本的な対策は”汗を一切かかない事”しかないので、夏場の仕事やスポーツなどどうしても汗が避けられない時などは上手く付き合っていくしかないのが現実との事。
発汗機能が強い子供に多い傾向も。
かいた汗に反応して湿疹が起こるのが汗荒れ。
画像のような状態はかなり症状が強い場合なので、一目見て汗荒れと分からない場合も。
汗で蒸れやすい首筋、ウエスト部分に出来やすいそうで、かゆみを感じるケースが多いので汗トラブルの多くはこの汗荒れに該当。
スポンサーリンクちなみにかいた汗を拭く場合はこするのではなく”押さえるようにして拭く”と汗荒れも起こしにくくなるそう。
また、市販の制汗剤は「汗をかく所強制的に止めてしまうと他の部分に汗をかいたり、発汗機能がおかしくなるのでは?」と心配になる方もいるかもしれませんが、そのリスクはほぼ無いので必要であれば安心して使って欲しいと吉木先生。
ただし制汗剤の成分が肌に合わずアレルギーを起こしてかぶれたり、かゆみが出たりという事はあり得るので、その場合は成分をチェックして違う成分のものを試してみるといった対処が必要。
皮膚科医監修スキンケア
という事で普段のスキンケアでは何をすべきかという点については、
【お風呂】
べたついた汗を落とそうとゴシゴシ洗いはNG。
泡立てた石けんの泡を使って手でなでるように体を洗う。
汗自体は水溶性なので水だけ十分に落とす事が可能で、石けんを使うのは主に皮脂を落とすため。
ですから汗をかきやすいからといって一日に何回も体を洗っているとかえって肌が乾燥してかゆみの原因になるので要注意。
ちなみに皮脂が多く出る部分は「頭、顔、背中、胸の真ん中」が主な部分なのでこれらの箇所はしっかり泡を使って洗い、
その他の体の大部分については個人個人の肌質に合わせて水で汗を流すだけに留める、2日に1回泡で洗うといった判断はOKと吉木先生。
特に腕や足は乾燥しやすい部分でもあるので必ずしも毎日泡で洗わなくてはいけないという事は無いそうで、
吉木先生自身も体を泡で洗うのは週に1、2回程度との事。
また、お風呂上がりの保湿などは汗が完全にひかない状態で塗ってしまってもOKだそうで、汗は天然の保湿成分という事を考えれば保湿剤をそこにプラスしても全く問題ないとの事。
ただしダラダラ汗が流れている状態で保湿剤などを塗ると汗と一緒に流れて知ってしまうのでその場合は汗が落ち着くのを多少待つと良いそう。
【洗顔】
吉木先生おすすめは2段階洗顔。
まずは少なめの洗顔料をたっぷりの水で泡立てて”泡で顔を洗う”。
一度洗ってテカリが気になる部分だけピンポイントで2度洗い。
冬場同様に夏場もしっかり保湿。
熱中症を防ぐ”汗トレ”
気温が高くなってくると気になるのが熱中症対策。
そこで汗を上手くかいて効果的に対策という事で紹介するのが汗を正しくかくトレーニング”汗トレ”。
やり方は、
- かいた汗が乾きやすいように首周り、脇が開いたノースリーブやタンクトップなどの速乾性ウェアを着るのが理想
- 温度は25℃以下、湿度50%前後が目安
- 簡単にできる有酸素運動、ウォーキングなどで”じわっと汗をかく”レベルの運動で十分で毎日行うのが理想
- 汗をかき過ぎたと感じた場合はうちわなどで乾かして対処
- 水分補給、電解質補給は忘れずに(喉が渇いていなくても定期的に水分をとる)
- 薬を飲んでいる人は汗をかきにくくなっている事があるので主治医に相談
暑い日が続いても1日に1回はしっかり湯船につかる事も汗トレの一環。
運動の他には温度が低めなミストサウナを利用するのもOK。
自宅だと傘を差しながら入浴するという方法で簡単にミストサウナ風の環境が作れたり。
- お湯の設定は40℃とぬるめでOK
- 傘を差す場合、入浴剤は炭酸ガス系は使わない
といった注意点。
汗染み
汗のトラブルは皮膚だけではなく服にもという事で汗染みを効果的に落とす洗濯方法について。
- ドラム式洗濯機の場合は衣類の量を半分程度に
- 縦型洗濯機の場合は水の量を一段階増やす
- 洗剤の量はドラム式は「衣類の量に合わせる」縦型は「水の量に合わせる」
- 洗い上がりに不満がある場合はすすぎ回数を増やしてみる
黄ばみになってしまった場合は、
赤矢印から左側だけにこの漂白方法を実践して比較。左右で違いは歴然ですよね。
ただしこの方法は生地を傷めてしまう事もあるので最終手段的に使いましょう。
以上、NHKあさイチの汗特集についてまとめでした。
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