チコちゃん 五円玉だけ金色なのはなぜ?素材が銃や大砲の弾だったから
22年6月3日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」の第1問は『五円玉が金色なのはなぜ?』という問題。答えは素材が銃や大砲の弾だったからだそうで、昭和24年に生まれた現在の五円玉誕生の歴史など番組内容をまとめてご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】本田望結、ウド鈴木
【VTRゲスト】どーもくん
五円玉が金色なのはなぜ?
この日1問目の出題は、
なんで五円玉は金色なの?
分かりませんとハッキリ言う本田望結さんなので、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
ウド鈴木さんは五円玉には稲穂が描かれているのでその色に合わせたという答えですが残念。
というわけでチコちゃんの答えは、
銃や大砲の弾を溶かしてつくったから
解説は造幣博物館の泉和也館長。
今回は銅が関係するお話という事でどーもくんがゲスト登場しつつ解説スタート。
五円貨幣が正式名称の五円玉または五円硬貨の素材は銅と亜鉛を混ぜて出来る黄銅という金属。
銅に亜鉛を30%以上混ぜると黄銅に変化しますが、これは真鍮とも呼ばれていてトランペットなどの管楽器の材料にも使われる素材。
亜鉛の割合が増えると徐々に黄色みを帯びていき、銅6:亜鉛4が最も金色っぽい色になるとか。
そして肝心の五円玉の割合は銅が60~70%、亜鉛が30~40%とバラツキがあるとの事。
このバラツキにはとある歴史が関係しているそうで、明治から大正にかけてつくられた硬貨の金属材料の多くは、
金、銀、銅、ニッケル、スズ、亜鉛の6種類。
この時代は金や銀が硬貨に使われていましたが、例えば純金1.5gを含む一円金貨は現在の価値だと約1万円にあたり一般にはほとんど流通しないものだったり。
一方で庶民が使っていた当時の一銭、半銭硬貨などは主に銅を原料とした金属が使われていましたが昭和12年(1937年)に日中戦争が始まると硬貨製造に大きな影響が出ることに。
銅やニッケルは兵器の材料としても重要な金属で銅は主に銃や大砲の弾、ニッケルは戦艦などの艦船に使用していたのでニッケルは昭和13年以降、銅は昭和15年以降、硬貨の材料としては使われない事に。
そこで新たに硬貨をつくる金属として採用されたのが現在の一円玉と同じアルミニウム。
スポンサーリンクところがそのアルミニウムもやがて戦闘機の部品として使われ始めた事で昭和20年には金属資源を守るために陶器製の硬貨が登場。
ただ製造スタートと同じ年に終戦を迎えた事で陶器製の硬貨は世の中に出回る事は無くその役目を終えることに。
そこで造幣局では新たな硬貨が作られることになりますが、その材料となるもの自体が無く、使えるもの候補に挙がったのが戦争で大量に余ったとある金属たち。つまり出番が無くなった弾たち。
日本軍が使った銃や大砲の弾には銅の合金・黄銅が使用されていたのでこれが大量に余っていたわけですね。
この時造幣局に払い下げられた約6000トン分の材料を元にして作られたのが昭和21年発行の五十銭黄銅貨。
この時、戦後の物資不足の影響でどんどん物の値段が上がるという社会状況だったため昭和23年には五十銭黄銅貨は廃止されて、同じ素材を使って五円黄銅貨、一円黄銅貨が新たに誕生。
この時の五円玉、一円玉は大きさはやや違っていたものの見分けがつきにくいという事から昭和24年には材料節約もかねて五円玉を穴あき仕様に変更。
戦争の遺物から生まれたこの五円玉には農業を表す「稲」、工業を表す「歯車」、水産業を表す「水」のシンボルが刻まれて戦争からの復興というメッセージが込められる事に。
そして五円玉の材料になった銃や大砲の弾は陸軍や海軍の弾の違いなどの影響で銅と亜鉛の割合にバラツキがあり、それでつくられた五円玉も自然とバラツキのあるものに。
さらに新しい五円玉をつくるときには古い五円玉をリサイクルするのでやっぱりその成分はバラツキが残ったまま。
ひょっとすると今使われている五円玉にも当時の弾の素材が少し残っているかもと泉先生。
という事でコチラが結論。
五円玉が金色なのは銃や大砲の弾を溶かしてつくったから
でした。
金色にしてみたいものは?という質問には「銀閣寺。金閣に憧れてると思うのよ銀閣もね。だから一度は。」とチコちゃん。
1問目は以上。
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