メルエムとコムギの最後のシーンは夕凪の街桜の国、あしたのジョーやラオウが元ネタ?冨樫義博本人の回答
23年11月22日「イワクラと吉住の番組」ではハンターハンターの作者・冨樫義博が直筆の手紙で明かすメルエムとコムギの最後シーンの元ネタを紹介という事で簡単にまとめ。
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メルエムとコムギ
冨樫先生にストレートにぶつけた質問が「真っ黒なカットはとても強い印象があります。最初から決めて書いたのですか?」というもの。
蟻の王メルエムとコムギの最後のシーンと言えば、
真っ黒いページに二人の会話が吹き出しで展開していくだけという思い切った構成が有名ですが、
冨樫義博本人の回答は、
ほぼすべてのコマ割りはテンションを出来る限り高めた状態のネームに取り掛かる直前からその最中にひねり出されたもので、
「縦割りに黒地にフキダシだけのコマを数ページ続ける」
というアイディアも例外ではありません。
この回のネームを描き出す際に、こうの史代さんの『夕凪の街桜の国』の一部が頭に浮かび、
私の脳内ではその場面が縦割りで白地にモノローグだけのコマが連続する形で自動再生されました。
(後で読み返すとそれは私の思い込みで、別のシーンのコマと混同する間違いだったのですが…)
その時にコムギとメルエムのやりとりを真っ黒なコマの中で淡々と続けようと決めました。
最後のシーン
また、一番好きなシーンとしてコムギに抱かれて横たわるメルエムのシーンを挙げる冨樫先生からは、
私より上の世代であれば完全燃焼した人物の名場面と言えば『あしたのジョー』を思い浮かべる人が大勢を占めるはずです。
私の世代であればそこに『北斗の拳』のラオウが食い込んでくると思います。
自分もいつか挑戦したいと思い、念願が叶ったのがコムギとメルエムの見開きです。
結果ではなく、過程に生きる意味を見出す二人を描くのはとても楽しかったですし、その集大成としてあの見開きに到達できた事に満足しています。
というわけで以上、メルエムとコムギの最後のシーンについて冨樫義博本人の回答でした。