スチール缶とアルミ缶の違い、2種類ある理由は?チコちゃん
24年4月19日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『缶飲料にスチール缶とアルミ缶があるのはなぜ?』の答えなど簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】大竹まこと、鈴木奈々
【VTRゲスト】なし
缶飲料にスチール缶とアルミ缶があるのはなぜ?
2問目の出題は、
なんで缶飲料にスチール缶とアルミ缶があるの?
チコちゃんの答えは、
スチール缶はお茶やコーヒー、アルミ缶は炭酸飲料を入れるため
解説は東洋食品工業短期大学の飯田有二学長、東京工業大学の里達雄名誉教授。
2種類の素材を使い分けているのはその製造工程に理由があって例えばスチール缶を使うコーヒーには加熱殺菌という工程がありますが、一方のアルミ缶を使うビールの場合は加熱殺菌は無し。
試しに90度のお湯をアルミ缶に入れて密封し、その後に冷却してみるとアルミ缶にはべっこりと凹み。
熱い飲料が入った缶の中は水蒸気でパンパンの状態になって膨張しますが、冷める時に水蒸気が液体に戻って缶の中の体積が減少。すると内側に縮もうと強い力が働くのでやわらかいアルミ缶では凹んでしまうという原理。
対照的にスチール缶はかたいのでこの圧力にもしっかり耐えられるという違い。
食品衛生法には缶飲料の成分によって殺菌方法が細かく定められていて、お茶・コーヒー・乳製品は加熱殺菌が義務付けられており、一方の炭酸飲料は強い酸性をしているという事もあって加熱殺菌は不要。
この加熱殺菌の有無によって缶の素材が使い分けられているというのが理由。
さらに炭酸飲料の場合は缶の中で炭酸が発砲して膨らむのでやわらかいアルミ缶でも潰れにくくなるという面も。
であればわざわざやわらかいアルミ缶を使わなくても全てスチール缶で統一してしまっても良いような気もしますが、アルミ缶を使うのは「アルミは鉄(スチール)の約3分の1の軽さなので輸送費をセーブ&一度にたくさん運べる」「アルミはやわらかいので加工しやすい」といったメリット。
また、アルミは熱の伝わりやすさ(熱伝導率)がスチールの3倍ですぐ冷えるので自動販売機などに缶を補充した際にはすぐに冷える一方、スチール缶の場合は温まるのに時間がかかる代わりに熱を長くキープできるので温かい飲み物を入れておくのに適しているという面も。
ちなみに最近は技術の発達によって高温で充填するコーヒーやお茶でもアルミ缶を使うというケースも増加。
例えば液体窒素を入れて缶内の圧力を高める方法など。これは窒素が気化した際にその体積が約700倍に膨れ上がる性質を利用したもので、そこまで体積が大きくなれば多少冷えたぐらいでは缶内の圧力はまだまだ十分なのでアルミ缶でも問題なしだったり。
缶を開けた際にプシュ!と音が鳴るのは窒素が外に出て行く音。
という事で2問目は以上。
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