直毛とくせ毛の人がいるのはなぜ?チコちゃん
24年5月3日放送の「チコちゃんに叱られる 拡大SP」の問題『なぜ直毛の人とくせ毛の人がいる?』の答えなど簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】黒木瞳、勝村政信、上地雄輔
【VTRゲスト】なし
なぜ直毛の人とくせ毛の人がいる?
4問目の出題は、
なんで直毛の人とくせ毛の人がいるの?
チコちゃんの答えは、
脳の温度を調整するため
解説は東京工科大学の岩渕徳郎教授。
人間の髪の毛はストレートヘアの直毛、天然パーマのくせ毛の二種類の大別されますが、くせ毛の原因については食生活の乱れやストレスでそれまで直毛だったのが、毛包がゆがんでしまって毛がちぢれるように生えてしまうといったケースも。
そんな外的要因に左右されるケースを除けばその大部分はやはり遺伝によって決まるというのが実情。
2014年のデータでは男性の場合は61%が、女性だと73%がくせ毛を自覚しているといった日本の割合だったり。
世界的に見てみると、日本人を含むアジア系の人たちは、
- 毛が太くて硬い
- 太さは約0.08mm
- 本数は頭全体で約10万本
という特徴があり、一方でヨーロッパ系の人たちは、
- 波打つようなうねりのある毛
- 太さは約0.07mm
- 本数は頭全体で約14万本
そしてアフリカ系の人たちは、
- 強いくせ毛
- 太さは約0.07mm
- 本数は頭全体で約14万本
という違い。
スポンサーリンクそもそもの人類誕生の地はアフリカとされていますが、京都大学の古澤拓郎教授によると人類の祖先が森林で生活していた頃、気候変化によって森林が減少して約700万年前にサバンナへ生活拠点を移すという大変革が発生。
その頃の人類は「頭には頭髪」という概念が無く、他の動物と同様に体毛がそのまま頭を覆っているという状態だったとか。
その後に狩りや外敵から身を守るために四足歩行から二足歩行に進化して人類は道具を使うという能力を発現。
すると脳も進化して大きくなっていきますがサバンナには森と違って太陽の光を遮るものが無く頭に多くの熱が当たる事に。
脳は熱に弱い器官で、血流が活発なせいでそもそもの発熱量も多く、そこで脳を守るために長い毛を生やすように変化。
こうして生えて来た髪の毛はくせ毛だったといわれていて、それは直毛よりもくせ毛の方が温度調整しやすいというメリットがあったから。
頭髪によってどれほど熱に対して強くなるのか実験してみると、45度のヒーターを頭に当てた時に、
【スキンヘッド】
約2分であっという間に頭皮の温度が40度に到達し、ヒーターを切ると圧倒間に冷めていくという熱の上昇も下降も激しい(熱しやすく冷めやすい)という結果。
こういった温度の乱高下は脳の為にはあまり良くないのでやはり髪の毛は大切という結論に。
髪の毛がある時点でスキンヘッドに比べて熱を伝えにくい状態。
温度変化は緩やかで約8分経ってようやく38度まで上昇したものの、それ以上温度は上がらず髪の毛が熱を逃がす力とヒーターの温める力が均衡を保った状態に。
ヒーターを切っても緩やかに温度が下がっていくので温度変化が急激にならず脳の為にはメリット大。やはり髪の毛の断熱機能はなかなかの優れものという結論。
自らの体温を保つという保温材のような役割も担うので何もしない通常時で直毛よりもやや温度が高いというくせ毛。
そこからヒーターをオンしてみると最高到達温度は36.5度。
くせ毛の方が空気をより含んでいるので熱が伝わりにくく、熱を逃がしにくいという特徴で昼は灼熱で、一転して夜は凍えるような寒さになるような過酷な環境ではカーリーヘアーの方が圧倒的に有利。
アフリカを足がかりにして徐々にその生活圏を広げて行った人類の中には、ヨーロッパの寒い気候に合わせて直毛の髪質が進化していき、紫外線量も減ったので髪の毛のメラニン色素が減って行って金髪の傾向に。
一方で日本人の祖先たちはアフリカ→中東→インドといったエリアを経る事で暖かい場所をずっと移動した人たちと、ヨーロッパルートで日本に辿り着いた人たちが合流する形になったので日本人には直毛とくせ毛の人がいるという現象になったのでは?と岩渕先生。
という事で4問目は以上。
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