日本人が“生”が好きなのはなぜ?チコちゃん
24年9月27日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜ日本人は”生”が好き?』の答えなど簡単にまとめてご紹介。生ビール、生チョコ、生パスタなど日本人が生にこだわる歴史とは?
ゲスト出演者
【ゲスト】高見沢俊彦、原菜乃華
【VTRゲスト】なし
なぜ日本人は”生”が好き?
2問目の出題は、
なんで日本人は”生”が好きなの?
チコちゃんの答えは、
危険に挑み続けて辿り着いた最高のごちそうだから
解説は食文化史研究家の永山久夫さん。
確かに日本には生ビール、生チョコ、生パスタなど頭に”生”がつく食べ物が沢山ありますが、これらは総じて「新鮮」「やわらかい」「美味しい」といったプラスのイメージとして捉えられる事がほとんど。
ただしこれは日本特有の文化という側面があるそうで、外国では生ものの食べ物は食中毒などの危険があるのでむしろネガティブなイメージ。
これは日本の食文化が深く関係しているそうで、日本が海に囲まれた島国で鮮度の良い魚には恵まれていたという環境のおかげで食中毒のリスクを抱えながらも生食をする事に価値を見出したというのがポイントに。
仏教の教えに基づいて魚や野菜が中心の食生活だった日本では新鮮な魚を生で美味しく食べる方法が追求されてきたという歴史があり、例えば青森県にある三内丸山遺跡の堆積物の調査で排泄物から寄生虫の卵が発見された事で、既に火を使っていたはずの縄文人があえて生食を行っていたという説が有力に。
スポンサーリンクまた、奈良時代の日本書紀には「はまぐりを膾(なます)にして献上した」という記述が残っていて、これは生肉や生魚を殺菌作用のある酢につけた料理で最古の和食とされていたり。
さらに、わさびや醤油の殺菌、抗菌作用も活用して生食に挑んできた日本人の食の歴史が握り寿司という食文化を生み出す事に。
日本では仏教の教えから長らく卵を食べるのを避けられていましたが、江戸時代になると海外から卵を美味しく食べる文化が伝わったことで日本でも多く食されるように変化。
こうして日本独自の生食文化が育まれていったと考えられるわけですが、昔は生魚も生卵も庶民にはなかなか手の届かないごちそうだったようで、これに大きな変化が訪れたのが冷蔵庫の登場。
冷蔵庫によって食品の鮮度が長持ちするようになると生食あ全国の家庭に浸透。さらに流通網の発展によって新鮮な食材が遠方まで素早く届くようになると生食のリスクはさらに軽減。
そして日本人の生好きを決定的にしたのが生ビール。
ビールはもともと熱を加える事で酵母の発酵を止めていましたが、熱処理をせずにろ過によって酵母を取り除いたビールの事を日本では生ビールと呼ぶように。
生ビール=サーバーからジョッキに注いだビールというイメージが強いかもしれませんが、ほとんどの缶ビールや瓶ビールは熱処理されていないので全て生ビール。
このように本来は生=加熱していないという意味で使われていましたが、生=美味しいというイメージが定着してからは、加熱した食品であっても生という表現を用いるように変化。
こうして2000年頃に一大ブームを呼んだ生チョコや、2007年頃に流行った生キャラメルなどなど。今ではトーストしなくてもそのままで美味しいという意味で生食パンなども登場してもはや何でもあり状態。
という事で2問目は以上。
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