あさイチ 今日の映画紹介は女性の休日、ブルーボーイ事件
25年10月17日放送の「あさイチ」特選エンタ映画紹介ではゲストの同時通訳者・田中慶子と共に実際にあった事件を題材にした2作品『女性の休日』『ブルーボーイ事件』を紹介。
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女性の休日
1975年10月24日に北欧の国アイスランドの全女性の90%が職場や家庭での一切の仕事を放棄してストライキを行ったという実際にあった出来事「女性の休日」が題材としたドキュメンタリー作品。
今では世界で最も女性が生きやすい国とされるアイスランドは、昔からそうだったわけではなく、少し遡れば「女の子だから無理」とその将来を閉ざされ、仕事に就いても男性に比べて薄給という時代。
そんな1970年代、世界中に広がっていた男女平等を求める運動はアイスランドでも例外ではなく、欧米諸国で巻き起こる変化の波に影響を受けて女性たちが行動を起こすように。
そのきっかけになったのが1975年6月に政府主導で開かれた女性会議で、その会議にはあらゆる階層、年齢、党派の女性たちが集合し「女性が休むといかにして社会が破綻するのか?」「私たち女性抜きでは生きられない」という事をどうすれば全国民に伝えられるかが議論される事に。
話し合いの結果、女性たちは1975年10月24日に一斉ストライキを決行。仕事家事を一斉に放棄した女性たちは全国の町や村でデモを行って、女性の権利について初めて真剣に訴える事に。
インターネットもSNSもない時代にアイスランドの全女性の9割が参加したこの一大ムーブメントは前代未聞で、これを契機に世界で最もジェンダー平等が進んだ国の一つへ様変わりするわけですが、その原動力になったのが当時の女性たちが抱いていた「なぜ?」というシンプルな疑問。
「夫より早起きして化粧するよう言われるのはなぜ?」
「男性はコーヒーの淹れ方を知らなくていいのはなぜ?」
など、日常にある「なぜ?」を見過ごさずに声を上げることの大切さを改めて問う作品に。
ブルーボーイ事件
性別適合手術を受けて体の特徴を女性的に変えた人の事を指してかつて使われていた「ブルーボーイ」の呼称。
そして1960年代の日本で実際に起きた、性別適合手術が違法か合法かを裁判で争った事件がブルーボーイ事件。
舞台は1965年の東京。オリンピックに沸く東京では町の浄化を名目に警察が夜の仕事を厳しく取り締まるそんな時代。
しかしブルーボーイと呼ばれる性別適合手術を受けて体の特徴を女性に変えた人たちの存在は警察にとって厄介な存在で、あくまで法律上は男性にあたるために、法律にある売春防止法の適用外であり警察で摘発するのは不可。
そこで警察が目を付けたのが手術行為自体で、生殖を不能にする手術を違反という扱いにして、手術を行っていた医師赤城を取り締まり決着は裁判の舞台でつけることに。
同じ頃、東京の喫茶店で働くサチは恋人のプロポーズを受けて幸せの真っただ中。そんなサチのもとを訪ねてきたのが赤城の裁判を弁護する弁護士の狩野。実はサチは赤城医師のもとでかつて性別適合手術を受けた患者で、狩野は赤城の裁判に証人として出廷して欲しいと依頼。
「普通の女性と同様の生活をなさっている。だからあなたが誰よりもこの裁判の承認にふさわしい。」
協力を依頼する狩野でしたが、サチはかつての自分は死んだものとしてこの件には関わりたくないと拒否。
ところがサチには性別適合手術についてまだ受けなければいけない手術が残っており、赤城の代わりに手術を行ってくれる医師を探すも、手を挙げる医師はなかなか見つからず…。
やがて裁判になり、証言台に立つ性別適合手術を受けた女性たちの言葉が当時の社会でどんな受け止められ方をしたのか?ある人間の「幸せか不幸か」が延々と議論された前代未聞の裁判の決着とは?
以上、今日の映画紹介でした。
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