人はなぜスポーツを見る?チコちゃん
25年12月19日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『人はなぜスポーツを見る?』の答えなどまとめてご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】くっきー!、若槻千夏
【VTRゲスト】なし
人はなぜスポーツを見る?
2問目の出題は、
なんで人はスポーツを見るの?
チコちゃんの答えは、
自分も脳の中で一緒にプレーするから
解説は上智大学の田中昌司名誉教授。
スポーツ観戦中の脳内ではミラーニューロンという神経細胞が活性化しており、まるで自分が一緒にプレーしているかのように反応しているそうで、これはアーティストのダンスの振付などを見ている時なども同様に反応していたり。
ミラーニューロンが働く時というのは脳は運動系と呼ばれる体の動きを制御している部位(前頭葉の運動前野、頭頂葉下部、側頭葉後部)が活動中で、これら3つの部位が連携する事で見たものを脳内で再現する事が可能となり、この仕組みはミラーニューロン・システムと呼ばれるもの。
このミラーニューロン・システムはスポーツやダンスを見る時以外にも日常の様々な場面で無意識のうちに働いているもので例えば、笑顔やあくびの伝染もその一種で、これは相手の表情を真似る事で言葉では表現できない微妙なニュアンスや気持などを伝え合う役割もあるとか。その他に幼い子供がとにかく他人の行動を真似するのが大好きというのもミラーニューロン・システムの働きによるもの。
スポンサーリンクそして本題となるスポーツ観戦中については、ミラーニューロン・システムによって時として超人的な動きをする選手のプレーを脳内でコピーして真似しているそうで、例えばホームランを打つシーンを見れば自分自身もホームランを打っているような感覚を覚えて興奮したり。
ただし、この働きは一種のリハーサルのようなものであり、動きにつられてつい自分も動いてしまうというケースは少なく、動きたくなるのを我慢するブレーキをかける指令も同時に脳内で発出されているとか。その一方で野球のデッドボールなどの痛そうな場面で思わず顔が歪んでしまったりというのは、脳にブレーキをかける程でもない小さな動きなのでつい反応が出てしまうとの事。
バスケットボールのここぞという勝負所でのフリースローやサッカーのPKなど手に汗握る場面では見ているこちらまで緊張するという事が多々ありますが、これもミラーニューロンによって選手と同様の緊張感を味わっている事に。ちなみに自分が経験した事のあるスポーツや応援している思い入れんある選手になるとミラーニューロンはより強く反応するという性質もあるようで勝敗によって選手と同じように一喜一憂してしまうものなんだとか。
また、ミラーニューロンが働いている時は脳の報酬系も同時に活発になっているそうで、シンプルに「喜び」を感じている状態になっているので、スポーツを見る事でミラーニューロンが反応して脳内でプレーすると同時に喜びを感じられる「見る事を体験へ変換する装置」のためにスポーツ観戦は人を惹きつけるというまとめ。
最後にスポーツ観戦によってどれだけ脳内でスポーツした気持ちになっているのか?選手と同じ状態になっているのか?を測定するために試合に勝利した側の選手の男性ホルモンの一種テストステロン値が上昇するのと同じようにファンの数値がどうなるのか実際に測定して検証。
スポンサーリンクするとバスケで負けたチームのファンのテストステロン値が3人中3人とも数値が下がったのに対して勝利側では3人中3人ともテストステロン値が上昇する結果に。
これについてテストステロンについて詳しい埼玉大学の塚原伸治教授は、試合観戦直後は勝者側も敗者側もどちらも興奮状態にあるので、全員テストステロン値が上がっているという予想だったのが、勝者側だけ上がって敗者側は下がるという好対照だったのはかなり予想外の結果だったようで、選手と同じ気持ちになっている可能性が高いという結論。
ちなみにミラーニューロン・システムを活用する事で上手い人のプレーを見て自分も上手くなるという事も起こりうるそうですが、あまりにもレベルの違うプレーになってしまうと動きをイメージする神経回路が未発達なので十分に働かない事もあるという補足で2問目は以上。
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