ロケット打ち上げで煙が出るのはなぜ？正体は水？チコちゃん
25年6月27日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜロケットを打ち上げる時たくさん煙が出る？』の答えなどまとめてご紹介。実はあの大量の煙はロケットから出ているわけではないという意外な事実が明らかに。
ゲスト出演者
【ゲスト】野々村真、井上咲楽
【VTRゲスト】なし
なぜロケットを打ち上げる時たくさん煙が出る？
1問目の出題は、
ロケットを打ち上げる時なんであんなにたくさん煙が出るの？
チコちゃんの答えは、
水をぶっかけているから
解説はJAXAで技術領域主幹を務めている森茂研究員。
実はロケット打ち上げ時に大量に出ている煙のその大半はロケット自体から出ているものではなく、外部からの影響がほとんど。
ロケットの燃料には液体や固体などいくつかの種類があるものの、どの場合もエンジンで燃料を燃やしてガスを噴出して進むというのは共通していて、簡単に言うと野球の応援などで使われるロケット風船とほぼ同じ原理。
ただしロケットの重量は重いものだと500トンをこえてくるので、そこまで重いものを飛ばそうとすると相当なエネルギーが必要となり、大量の燃焼ガスを出して飛んでいく事になりますが、そうなると発射台付近の温度は約2000度と超高温状態に。
そこで発射台のダメージを抑えるために様々な工夫が凝らされており、例えば発射台の下には燃焼ガスを横方向に逃がす構造のフレームデフレクターと呼ばれる仕組みが備わっていて、底部分が斜めになっているのでそこを通ったガスは横へ。
その証拠にロケット打ち上げではロケットよりも遥かに巨大な煙が横方向に広がっていく事に。
このフレームデフレクターは鉄筋コンクリート製ですが、2000度ともなるとコンクリートが溶けてしまったり、破損するリスクが高くなり、壊れた破片がロケットに当たって重大な事故に繋がる可能性もあるので、さらなる安全対策として発射台の周りから大量の水をかけて冷却するという対策も同時に。
スポンサーリンクロケットが無い状態の発射台の様子を映した資料映像では、様々な方向から放水が行われているのが一目瞭然。その量は1分間に20万リットルという量で25mプールを3分間で満杯に出来る量。
水は100度になると水蒸気に変わりますが、発射台付近の2000度の温度に対して水をかけると大量の水が一気に蒸発して水蒸気や湯気へ。つまりロケット打ち上げで出る煙は燃焼ガスが多少含まれるものの、そのほとんどは水という事に。
ちなみにロケットよりも大型のスペースシャトルの場合は毎分約170万リットルの水が放水されているのでその煙の量も膨大なものに。
また、この大量の水は設備を冷やすという目的の他に防音・防振という役割も果たして、ロケット打ち上げ時には空気が大きく振動して爆音を引き起こしますが、この対策をしておかないとロケットに搭載している精密機器や人工衛星などに悪影響が出てしまうので必須。
打ち上げ時に出る音の大きさは50m離れた場所ですら約140dBとされていて、ジェット機のエンジンが間近で約120dBとされているので、発射台のすぐ近くともなると凄まじい爆音が鳴っているはずですが、危険すぎて近くだと測定不能というレベル。
音というのは空気の振動によって伝わっていくものですが、そこに水の細かい粒が含まれると、音の振動が水の粒にぶつかって吸収されて伝わりにくくなるという原理を使い防音に。分かりやすく例えると湯気がの防音カーテンの役割になるという事に。また、水の粒が小さければ小さくなるほど音を吸収しやすくなるので2000度の温度で大量の湯気を作ることで防音効果もアップ。
という事で1問目は以上。
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