動物園はなぜつくられた?チコちゃん
25年7月11日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『動物園はなぜつくられた?』の答えなどまとめてご紹介。あの教科書にも載っている有名な歴史的できごとがきっかけで動物園が作られたという事実も明らかに。
ゲスト出演者
【ゲスト】ダイアン津田,森香澄
【VTRゲスト】ココリコ田中
動物園はなぜつくられた?
1問目の出題は、
なんで動物園はつくられたの?
チコちゃんの答えは、
権力を見せつけるため
解説は関西大学の溝井裕一教授。
現在のような動物園が誕生したのは1700年代終わりのヨーロッパという記録が残っているものの、人間と動物はそれより遥か昔から密接な関わりがあり、インドネシアのリアン・テドング洞窟(約4万年以上前)にはイノシシを描いた画が残っていたり、フランスのロスコー洞窟(約2万年前)の壁画には様々な種類の動物たちなど。
そしてそんな動物たちを集めて飼育して家畜としてではなく展示するという現在の動物園の原型を作った一人とされるのが約2900年前のアッシリアの王 アッシュル・ナツィルパル2世。
現在のシリアとイラク北部にあたるエリアに栄えたアッシリアを治めたアッシュル・ナツィルパル2世はゾウやライオンを飼っていたという記録が石碑に残されており、さらにはシリア遠征をした際には戦利品としてその土地に生息しているメスザルなどの動物を持ち帰って人々に披露していたとの事。
つまり家畜としてではなく展示するために動物を飼育していたわけですが、こういった行為は王族や貴族を中心に世界各地で行われ、古代エジプトでもプトレマイオス朝エジプトの王だったプトレマイオス2世は積極的に遠征を行って領土拡大に努めると同時に、自分が征服した土地から集めて来た動物たち(ゾウ、オリックス、ダチョウ、ライオン、サイ、キリン)を使ってパレードを行ったという記録も。
スポンサーリンクこういった行為の主な目的は自分の富や権力を人々に見せつけるためだったとされていて、動物を管理・飼育するための人員や餌代といった財力・権力を見せつけるとともに、制圧した国の動物を見せる事で強さの証にしたり。
その他にも各国から友好のしるしとして動物を贈呈してもらえれば外交力を示す機会になるので、動物の所有は一つのステータス。
その後も王族などの権威の象徴として動物の飼育や展示は長く続きますが、1700年代の終わりごろに動物園が権力者のものから庶民のものになるある出来事が。それこそが1789年のフランス革命。
当時王族が暮らしていたベルサイユ宮殿には多くの動物が飼育されていましたが、フランス革命によって王政が廃止されると王族が所有していた動物たちは「人々の教育に役立てる」という名目で、もともとあった他の植物園に動物エリアを新設し、そこに王族所有だった動物たちを移すという形で世界初の動物園が誕生する事に。
こうしてフランス発で生まれた現代の形の動物園ジャルダン・デ・プラント(Jardin des plantes)はその名前と出自の通りに植物園と動物園の2つのエリアに分かれており、動物園エリアには細かく通路が張り巡らされて、今の動物園のように人々が見て回れるような工夫も施される事に。
その後はイギリスやオランダなどで次々と動物園が誕生する事になりますが、もともとは権力者の力を見せつける目的で動物が展示されていたのに対して、これらの動物園は国の力を見せる場へと変貌して行ったり。
その後は商業的な意味合いも含めて種の保存や動物の生態の研究所といった目的も併せて現在に至るというわけですね。
という事で1問目は以上。
※同放送回のその他の疑問はコチラ
NHK「チコちゃんに叱られる!」に関する全記事はこちらのリンクから