アスファルトって何?コンクリート舗装との違いは?チコちゃん
25年9月12日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『アスファルトって何?』の答えなどまとめてご紹介。コンクリート舗装と使い分けられる理由と共に解説。
ゲスト出演者
【ゲスト】槙野智章、柳原可奈子
【VTRゲスト】なし
アスファルトって何?
3問目の出題は、
アスファルトって何?
チコちゃんの答えは、
はるか昔生きていた微生物の死がい
解説は東京理科大学の加藤佳孝教授。
アスファルトの原料は石や岩のように思えて実は原油というのが真実。ただしあくまで「原油」であって、これは正確に言うと「石油」とは違うもの。
両者の意味の違いは、
- 石油 → 総称
- 原油 → 地球から採取したままの石油
そして原油の主な成分となるのが古代の海や湖にいたプランクトンなどの微生物の死がい。
海中の微生物が死ぬと海の底に沈んでいきますが、そこから時間が経過するとどんどん上に堆積物が留まってやがて地層が出来て、その中に死がいが保存されていくことに。
すると地中が深くなるほど温度が高く、上からのしかかる圧力も高くなっていくのでその条件下では数百万年~数億年かけて熱分解などの化学変化を繰り返すと原油が出来上がるというのが基本的なメカニズム。
ちなみに原油は蒸留すると温度によって様々な用途の物質へ変化するもので、
- 35℃~150℃ → ガソリン
- 150℃~250℃ → ジェット機燃料
- 250℃~350℃ → 軽油
- 350℃以上 → 重油、アスファルト
現在、アスファルトは原油を人工的に加熱して作るケースが多いですが、実は天然に作られるアスファルトというものも存在しており、天然アスファルトは地層の中に埋まっているケースや地上に噴き出すケースも。
スポンサーリンク例えばトリニダード・トバゴのピッチ湖では天然のアスファルトが湧き上がる場所として知られていて、日本でも昔から新潟(新津油田)や秋田などの地層から採取されていたり。
そんなアスファルトは非常に加工しやすい素材で約50℃に加熱するとやわらかくなり始め、冷ますとかたくなるといった便利な性質を持っているので昔から有効活用していたようで、その性質を利用して日本では縄文時代に石の矢尻と木の部分をかためたり、土器をを補修する接着剤などに使われていたとか。
1800年代になるとロンドンやニューヨークで道路の舗装として使われ始め、日本でも東京神田にある昌平橋で1878年に初めてアスファルト舗装の道路工事が行われていたり。
ちなみに現代のアスファルト舗装の大まかな工程は、
- 岩盤の上に土を持って土台作り
- 土台の上に大きい石、小さい石と敷き詰める
- 表面の5cmほどにアスファルトを舗装
ここから本格的にアスファルト舗装へと移っていきますが、
- 約160℃に温めたアスファルトと砂利を混ぜる
- アスファルト&砂利を専用車両で道路に敷き詰め、人が機械などを使って平らに
- 車が走っても凹まないように10トンのローラー車で固める
- 2台目の15トンのローラー車でさらに密度や耐久性をアップ
- 3代目の幅の広い7トンのローラー車で表面を滑らかにして仕上げ
- 時間をおいて表面温度が50℃以下になったら完成
ちなみに道路舗装といえばコンクリート舗装も存在しますが、これらの違いは、
スポンサーリンク【アスファルト舗装】
完成時間:冬場で1時間、夏場で2時間なので夜間工事でも朝には道路が使用可能で工期が短いので工事費も安価
耐用年数:10~20年
【コンクリート舗装】
完成時間:一般的に1~3週間程度で工期が長くなるので工事費は高め
耐用年数:40~70年 (強度が高く変形しにくく雨や紫外線にも強いので劣化しにくい)
こういった違いがあるので多くの車が停車する高速道路の料金所周辺の路面や何度も補修工事をすると大変な手間がかかるトンネル内、坂道などにはコンクリート舗装が必須。
現在は日本の道路の約80%がアスファルト舗装、約6%がコンクリート舗装、約14%が未舗装という割合。
ちなみに現在、日本全国で年間25万トン以上も廃棄されているホタテの貝殻を使った最新のアスファルト舗装があるとか。
というのもホタテは地中に埋めても分解されず、貝殻に塩分が付着しているので埋めると土壌汚染につながってしまい、さらにホタテの貝殻は海の中のCO2を吸収して成長し、その貝殻の中にCO2を蓄積しているので燃やすと大気にCO2を放出してしまうという厄介なシロモノ。
そこでアスファルトに混ぜて再利用する事で道路にCO2を閉じ込めて地球温暖化防止につながるとされている注目の存在。実際にこのホタテアスファルトは北海道八雲町で試験的に導入されていたり。
という事で3問目は以上。
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