大みそかに除夜の鐘を鳴らすのはなぜ?答えはNHK?チコちゃん
25年12月26日放送の「チコちゃんに叱られる年末拡大版SP」の問題『日本中で大みそかに除夜の鐘を鳴らすようになったのはなぜ?』の答えなどまとめてご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】バカリズム、松下洸平、宮澤エマ
【VTRゲスト】なし
日本中で大みそかに除夜の鐘を鳴らすようになったのはなぜ?
1問目の出題は、
なんで日本中で大みそかに除夜の鐘を鳴らすようになったの?
チコちゃんの答えは、
NHKが目玉番組にしたから
解説は神奈川大学の平山昇准教授。
今でこそ年越しの風物詩になっている除夜の鐘ですが、これが広まった時期というのは実は「昭和になってから」という意外な事実。
そもそもの除夜の鐘の起源は800年頃の中国の禅寺で鬼をはらうために毎月末に108回鐘をついていた風習とされていますが、それが大みそかの夜に108回つく発端に。
この除夜の鐘が日本に伝わったのは鎌倉時代で、これ以降は一部の禅寺で行われるのみに留まり、大正時代の終わりまではほとんど庶民には浸透しなかったとの事で、長い歴史を持つ有名寺院でも除夜の鐘を鳴らす行事は行われずという状態。
そこから全国区のイベントに成り上がった理由として考えられているのがNHKのラジオ番組で、1925年3月22日に日本で初めてのラジオ放送が開始されてからしばらくは音楽番組、教養番組、ラジオドラマなどが放送されていましたが、まだまだ番組の数が足りないという事で制作スタッフが目を付けたのが除夜の鐘。
スポンサーリンク1926年12月25日に大正天皇が崩御した事で日本中が自粛ムードに包まれる中、しみじみと年を送るシンボルとして大みそかの新聞に登場したのが除夜の鐘の記事。
この記事がラジオ関係者の目にとまったようで、この1年後の1927年12月31日の夜に東京放送局(現在のNHK)が初めての年越し番組の目玉としてお寺から鐘を借りて来てスタジオで108回鳴らすという催しを開く事に。番組名はそのままずばり「除夜の鐘」。
当時の番組の様子を写した写真を見てみると、そこにあったのは東京上野の寛永寺から借りて来た磬子(けいす)で一般家庭サイズで言う所のお鈴。
流石にお寺の鐘は何トンもある大型のものなのでスタジオに持ち込むのは不可という判断だったようで、スタジオに持ち込んだ磬子の横に立つNHK職員が棓(ばい)という棒状の道具で鐘を叩き、もう一人の職員が鳴らす時間を時計でチェック。
また、108回鐘を叩いて年を送り、元旦を迎えたタイミングで「鳥が鳴く」という仕組みによって新年を迎えた合図にして放送という番組構成だったようで、毛布で包んで眠らせていたニワトリをいきなり電燈で照らしてびっくりさせて鳴かせるという企画だったようですが、そう都合よく鳴いてくれずにタイミングが少し遅れる形でニワトリが鳴いたという当時の記録。
ちなみに翌年1928年の第2回放送ではスタジオに釣鐘を設置して108回の鐘&ニワトリの鳴き声の組み合わせを踏襲して放送したそうで、その次の第3回放送では浅草寺からの生中継で放送し、これが決定打となって除夜の鐘が全国に広まっていく事に。
ちょうどこの頃(1925年~34年)ラジオの普及率が約8倍に急増した事もあって、多くの人が大みそかでラジオから流れる除夜の鐘を聴く機会に恵まれ、これと当時に全国の寺院でも除夜の鐘を鳴らすようになって行って年越しの風物詩になっていったという流れ。
そして1953年にテレビ放送が開始されるとテレビ版の「除夜の鐘」が放送されて1955年に「ゆく年くる年」と名を変えて未だに放送が続く年末年始の恒例番組に。
という事で1問目は以上。
※同放送回のその他の疑問はコチラ
NHK「チコちゃんに叱られる!」に関する全記事はこちらのリンクから