NHK「奇跡のレッスン 野球 ピッチャー編 前編」にランディ・ジョンソンが登場。子どもたちにどんなアドバイスを送ったのか?
NHK Eテレで8月16日に地上波で放送された「奇跡のレッスン 野球 ピッチャー(前編)」。毎回、世界トップクラスの指導者をゲストに迎えて日本の子どもたちに“奇跡のレッスン”を特別指導する番組ですが、MLBのレジェンドであるランディ・ジョンソンが登場。
番組自体は6月2日19:00からNHK BS1で110分の放送枠で初放送だったのですが、今回、地上波用に前編後編の2枠に分割しての放送となっていますね。
というわけでどんな展開になったのか?まずは前編の様子について詳しく見ていきましょう。
スポンサーリンク番組概要
初回放送:
NHK BS1 6/2 (木) 19:00 ~ 20:50
NHK Eテレ 8/16 (木) 22:00 ~ 22:50
NHKの公式ページに掲載されている番組説明については以下のような紹介文となっていますね。
「奇跡のレッスン」、今回のテーマは、野球の花形ポジション・ピッチャー。大谷翔平選手やダルビッシュ選手など、日本人の活躍で盛り上がるメジャーリーグ。本場アメリカから、伝説の大投手、ランディ・ジョンソンさんが来日!剛速球ピッチャーとして知られたランディさんが、中学生たちにメジャー流の練習法を惜しげもなく伝えていく。孤高のスーパースターの熱い言葉。メジャーリーグがもっと楽しめる感動のドキュメント!
オープニング
子どもたちに指導するのは身長208cm、最速164km/hの剛速球と切れ味抜群のスライダーで46歳で引退を迎えるまでの22年間に渡る現役生活中に通算303勝を挙げたメジャーリーグを代表する大投手、ランディ・ジョンソン。左投げ投手としては歴代5位の通算勝ち星を誇ります。
奪三振に至っては、その積み上げた数4875。この数字はメジャー史上二位(一位は5714の記録を持つノーラン・ライアン)。
そんなスーパースターの指導を受けるのは甲子園やプロ野球の舞台を夢見る中学球児たち。
メジャー仕込みのピッチャーのためだけの特別レッスン。
一週間の指導後に強豪校との練習試合が行われ、最終仕上げとなるのはいつもの番組スタイル通りですね。
というわけで、
奇跡のレッスン「マウンドに立つかぎり 学び続けろ!野球 ピッチャー(前編)ランディ・ジョンソン(アメリカ)」スタートです。
スポンサーリンク来日
2018年3月末、ひと際大きな男性が空港に降り立ちます。
日本が大好きだし、子どもたちにピッチングを教えるのが楽しみと語るランディ・ジョンソン。
プライベートでも何度か日本を訪れているそうで、2015年8月には東日本大震災の被災地となった宮城県石巻市を訪問。
その際に野球教室を行いました。ただし時間は2時間ほど、もっと腰を据えてじっくり指導したいという思いがあったようですね。
まずは実力をチェックして、テクニックだけでなく、ピッチャーとしての心構えも教えたいという展望のようです。
「それでも次のダルビッシュを育てるのは難しいかな」とジョークを飛ばすランディ・ジョンソン。
今回ランディ・ジョンソンの直接指導を受ける幸運な球児たちは中学生の硬式野球リトルシニアの関東連盟から選抜された男女12人のピッチャーたち。東京の調布に集合してその時を待ちます。
甲子園、プロ野球選手、女子プロ野球選手、はたまたメージャーリーガーの夢を語る球児たち。
ピッチングの課題については、
- ボールが安定しない
- 変化球があまり投げられない
- 球速を上げたい
などなど。
実は子どもたちはコーチが誰なのかについては知らされないまま集まっているのでドキドキ。これもいつもの番組通りですね。
初対面
アリゾナ・ダイヤモンドバックスのラフなウェアを着たランディ。現在、ダイヤモンドバックスの球団幹部を務めているんですね。
ランディ「野球少年たちの姿を見ると、子どもの頃を思い出すね。」
列になって待つ子どもたちですが、見守る親御さんたちが先にランディに気づきます。
スタッフさんの「誰か分かりました?」の問いかけに「ランディ・ジョンソン」と答える親御さん。
登場するなりいきなりスマホで子どもたちの集合写真を撮るランディ。この姿に親御さんたちは笑顔。
「おはよう」と日本語であいさつして一礼するランディ。
My name is Randy Johnson.と自己紹介。
松井秀喜とはチームメートの時代もあり、イチローとの対戦経験もあると語ります。
子どもたちはその大きな姿にちょっと怖かったようですね。
そんな子どもたちよりも驚いたのは日本人コーチたち。
松戸リトルシニアの井尻さん、白井リトルシニアの矢野さんの方が緊張しているようです。
スポンサーリンク投球チェック
まずは現状のピッチングについてチェックするランディ・ジョンソン。
気張らず、いつも通りという注文ですね。
まずは板橋リトルシニア所属の中学3年生 若林淳くん。
創立46年の歴史があるチームのエースを現在任されています。
緊張からかコントロールがなかなか定まりません。
試合の中で修正する力が無いという自己分析。
まずはチェックのハズが、ついついアドバイスに力が入るランディ。
ランディ「体重が後ろの方にかかってるよ?(頭や腕が反ってしまって)正しいフォームで投げられない。つま先の方に体重をかけるとバランスが取れるようになるよ。」
帽子のマークに注目してみると、軸足で立った時にマークがズレて後ろに体重がかかっている事がわかります。
アドバイス通りにつま先に体重をかけるようにすると一気にストライクゾーンにボールが行くようになりました。
ランディ「見たかい?いいコーチだろ?」
自画自賛のランディ。スタッフさんにドヤ顔w
風貌はちょっと怖いイメージですがとても気さくですね。
続いては白井リトルシニア所属の中学2年生 佐藤なつみさん。ストレートの球速は110km/hオーバー。
自己分析では、球が浮いてしまった時の修正力の無さを挙げています。
ここでもすぐさまアドバイスのランディ。
ランディ「体が先に前に出て、腕が遅れているからだよ。手が後ろにあると抑えが利かないだろ?だからボールが浮いてしまうんだ。軸足でしっかりバランスを取って、タメを作れば体に腕が付いてきて低めにいくよ。」
なかなか修正が難しいようで、やっぱりボールが高めに浮いてしまいますが、”It’s OK.”と優しい言葉をかけるランディ。
ランディ「細かい修正点を少しずつ伝えながら、ダイヤの原石たちを磨いていくよ。」
続いては松戸リトルシニア所属の中学3年生 今野太陽くん。小学生時代から地区大会で優勝経験を持つエース。
ピッチャーの強さがチームの強さに直結するというポリシーを持っているようですね。
コントロールは問題無いようで、ストライクゾーンにボールが集まります。
良い感触を得たところでランディは少しハードルを上げることに。
キャッチャーに外に構えるようにリクエスト。
それでもアウトコースにビシッとストレートがいきます。
ランディはフォームがすごく安定していて、上手く投げていると高く評価。
修正点がなかなか見つからないとお褒めの言葉。
チェック後の子どもたちの感想は、
自分以外へのアドバイスも積極的に聞いて自分に取り入れていきたいと語る太陽くん。
細かい指摘が身になっていると感じてる様子のなつみさん。
初対面でも一瞬で修正点を見抜くすごい人という感想の淳くん。
スポンサーリンク初日の終わり
ランディ「いい時も悪い時もあるのがピッチングだ。みんなの責任は重大だよ?チームが勝つか負けるか、それはピッチャーにかかっているんだ。」
「でも一番大事なのは、楽しんで投げること。楽しむことを忘れないでほしい。」
海老名リトルシニアの監督 飯塚さんは
「日本の子は絶対に何度か辞めたいと思ってるわけです。それはやっぱり指導者が怒ったり、プレッシャーをかけるから。アメリカはグッドから入るんですよね。いいよ。最高だよって。日本はノーここがダメだよ。」
監督自身も、昔は悪い所を指摘するのを優先してやってきていて、現在では褒めよう褒めようと変えていっているそう。
レッスンの締めに「みんなで走ろう」と言い出すランディ・ジョンソン。
ランディ「僕は走るのが好きなんだけど、みんなは?」
今夜家に帰って僕の事をググってなんて言いつつ、自分のメジャーリーグでの通算勝利数を当てるクイズを出題。一番近かった人はランニングが軽めになる特典つき。
300勝という近い数字を答える選手もいましたが、”Go run”の一言でやっぱり走らせるランディ。
ランディ「僕は中学生をこんなにしっかり教えるのは初めてなんだ。新鮮で面白い経験が出来たよ。これからもっと課題が見えてくるだろ。そえを少しずつ伝えながら、みんなの未来につながるような事を教えたいね。」
レッスン1日目
しっかり自宅に帰ってググったりYouTubeをチェックしたという子どもたち。大投手ランディ・ジョンソンの経歴に少し触れられたようですね。
海老名リトルシニア所属の中学3年生 井上仁くんはすごい記録に驚いたそう。
本格的なレッスン初日も、おはようの一言からスタートするランディ。
まずは軸足で立った時のバランスについてのコーチング。
軸足で立った時の体重のかかっている場所について尋ねていますね。
ランディ「大事なのは足を上げた時に全体重を親指の付け根の拇指球にかけることだ。かかとにズレると後ろに倒れてしまうからフラフラして投げられないよ。」
まずは軸足でバランスを取って、投げた後は踏み出した足(の拇指球)でバランスを取るというアドバイス。
ランディ「僕もバランスが悪かったんだ。背が高かったからね。それを修正するのに長い事苦労したよ。だからみんなは今のうちに身に付けたほうがいい。分かったかな?」
メジャー5年目まではボールのコントロールに苦しみ、シーズンで150個以上のフォアボールを記録してしまう事もありました。
悩んだランディは1993年の29歳の時に奪三振王ノーラン・ライアンにアドバイスを求めます。
もらったアドバイスは「かかとで着地するからフォームが崩れるんだ。踏み出す時に拇指球でバランスを取ってごらん。コントロールが良くなるし、球威も増すよ。」
ランディ「ノーラン・ライアンから教えてもらった通りに投げたら、本当に自分のピッチングが良くなったんだ。僕にとってとても役立つアドバイスだった。拇指球でバランスを取ることがいかに大事か身に染みて分かったよ。すべてが簡単に出来るようになったんだ。」
2001年5月8日 対シンシナティ・レッズ戦では1試合20奪三振の記録を達成。
こちらがその時の動画。
15個目ぐらいから観客のテンションも徐々に最高潮に。
これは史上4人目の大記録だったのですが、結局この後、試合が延長回に突入してしまったために1試合(9イニングス以内での)記録として認められておらず、ランディ・ジョンソンの公式の記録では1試合19個の三振が自己最高記録となっています。ちなみに20個の三振は延長回ではなく、9イニングス以内に記録したものだったんですけどね。※ちなみにこの点はWikipediaでは誤った情報が載っている状態ですね。
スポンサーリンクランディ「拇指球でバランスが取れたら、全ての力をホームベースに向けられる。でもかかとから踏み出すと足が回転してしまう。すると力が逃げてしまうよね?」
とにかく口酸っぱく「バランス」を繰り返し説くランディ。ボールを使わないシャドーピッチング練習でバランスを取るレッスンは1時間に及ぶほどでした。
それからようやく、マウンドへ。一人30球を目安に投球練習をします。
ストレートをチェックした後にはランディのリクエストでカーブを投げることに。最後はストレートで締め。
昨日はコントロールに苦しんだ淳くんでしたが、格段の進歩が見られたようです。
拇指球でのバランスの取り方を掴んできているようですね。
続いては調布リトルシニア所属の中学3年生 ミラー 龍音(りおん) ロバートくん。龍音くんは強豪チームの中で控え投手としての役割をこなしているそう。
自己分析では体全体を使ったピッチングが出来ていないとのこと。
ランディ「体が前に流れて腕が遅れているね。昨日もそうだったとメモに取ってあるよ。」「軸足にしっかり乗れば腕がちょうどいい高さにくるからあとは投げ下ろすだけだ。投げる前にタメを作るんだ。」
なかなかアドバイス通りにいかない龍音くんですが、
ランディ「今は彼らには意識付けをしているところだから、成果が出るまで時間はかかるよ。ピカソだって一日で上手くなったわけじゃないだろ?」
1日目のレッスンは4時間で終了。最後は子どもたちからの質問タイムが設けられます。
スライダーのキレについての質問には、
ランディ「球のキレというのはね、体が成長して力が強くなれば段々出てくるようになるんだよ。球のスピードも一緒だ。体が大きくなるまで焦らなくていい。キレのある球や速い球を投げたいという気持ちはよく分かる。でもまずは正しいフォームを身に付けることだよ。」
なつみさんは「男子に負けたくない」と強い想いを口にします。
白井リトルシニアでコーチをしている山崎さんは「男子選手と遜色なく、マウンドさばき、度胸はチームで一番」という評価。
試合での緊張感や解放感を楽しめるタイプで夢は女子プロ野球の選手。
スポンサーリンクレッスン2日目
2日目もバランスの練習から徹底。
ランディ「体がグラついたまま投げると、ボールはとんでもない所にいってしまうよ?」
軸足で立った時に指先で選手たちを小突くランディ。
ただ、この練習は地味で単調な繰り返し。ボールはおろかグラブすら持たずに30分も続きます。
横浜緑リトルシニア所属の中学2年生 竹内丈くんは、基礎練習が続くことにちょっとうんざり気味?
練馬リトルシニア所属の中学3年生 池ヶ谷優希くんは、もっと実践的な練習がしたいとちょっと不満そう?
30分のバランス練習後にはやっとキャッチボール開始。
ちょっとピリッとしない空気に業を煮やしたランディは発破をかけます。
キャッチボールでもバランスを意識しろ!と強い口調で指導。一球一球に真剣さを求めます。
ランディ「バランスが取れたらボールのリリースポイントが安定するんだ。狙ったところに投げられるかはそれで決まるんだよ。いつも同じリリースポイントで投げられたら、ストライクになる確率も上がるんだ。」
軸足でバランスを取って、タメを作る。ホームベースにまっすぐ踏み出して拇指球に乗る。土台がしっかりすればリリースポイントが安定します。
肩は消耗品という考え方から球数に関しては厳しいルールが存在するメジャーリーグ。キャッチボールも貴重な投球練習の一環として行うように指導されるそうです。
この日は全力ピッチングはNGの「ノースローデー」
ということで守備練習を行います。
メジャーリーグのピッチャーたちは春のキャンプで守備練習に多くの時間を費やします。
一般的なピッチャーゴロをさばくノック練習ですが、ホームへの送球で大暴投してしまう選手も。
ランディ「試合でもあんな事をするのか?今やってる事は全部自分に跳ね返ってくるぞ!」
トンネルしてしまう選手やエラーも多いですが、
ランディ「取りづらくても、自分の前に落とすぐらいの努力はしよう!ランナーが三塁にいるとき、トンネルしたら得点されてしまうぞ?」
ここで集合をかけて、
ランディ「みんなイチロー選手は知ってるだろ?2001年のオールスターゲームで彼と対戦したんだ。」
この時が初対決でしたが、その試合映像をみんなに見せながら、
ランディ「彼が打って一塁手が取った。でもその後、僕のベースカバーが一瞬遅れてセーフにしてしまった。」
「ピッチャーは投げた後、必ず何かが起きると思ってそれに備えておかなきゃいけないんだ。」
こちらがその試合動画。
このシチュエーションを想定して、一塁のベースカバー練習。
マウンド上でシャドーピッチングをした直後にランディが手で一塁手にボールを転がし、ピッチャーはベースカバーに走ります。
ランディ「バッターランナーとぶつからないようにベースの内側を踏むんだよ。」「ベースを踏む時は必ず右足で踏むんだ。(左足で踏むと)もしかしたら自分の足が絡まって転んでしまうかもしれないだろ?」
最後は恒例のランニングで締め。それまでフェンス際の1往復350mを2往復でしたが、今日は5往復に増量。
締まりのない練習態度にペナルティですね。
スポンサーリンク懇親会
子どもたち、親御さん、コーチ陣が集まって懇親会が開かれます。
野球人生を振り返って思い出を語るランディは、小学生時代のユニフォームが宝物だそう。
小さなころから背が高かったために2本のズボンを縫い合わせて1本の長いズボンを母親が作ってくれたとのこと。
父親はキャッチボールの相手をしてくれて、
「マウンドの上では常に集中しろ」「相手には厳しい態度で臨め」とアドバイスをもらったそう。
両親のおかげで野球に打ち込む事が出来たと語るランディ。
ランディ「だから今度は私が他の誰かがピッチャーとして成功するために、両親がしてくれたのと同じサポートをしていきたいと思っています。最近ますますそんな気持ちになるんです。それが人生の大切なサイクルなのではないかと思います。」
まだ本編ではフィーチャーされていませんが、青木鷹悟くんのお母さん、薫さんが、
ケガで投げられない時期に何を考え、努力していたのか?という質問。
ランディ「ケガをしている間、気持ちが萎えるのは当然です。でもそんな時、“プレーするだけが幸せではない”ということを学びました。野球をするうえでケガは付き物です。でもリハビリを通して、自分の体の事を知り、効果的なトレーニング法を学ぶことで選手としてさらに成長出来るんです。これも幸せの一つです。」
「経験を重ね、実力が付いても、学べることは必ずあります。私は22年のプロ生活それぞれの段階で常に違う事を学んできました。最初は安定したフォーム、次はどう打者を打ち取るかという駆け引きを学びました。登板しない日でも相手の打者を見て何かを得ようと心がけてきました。」
「学ぶことをやめれば成長は止まります。周りの人間にどんどん追い越されてしまう。自分の弱点を知り克服しなければいい球は投げられません。」
「君たちはピッチャーを続ける限り、常に学び続けなければならないんだ。」
「私は46歳の時でも“もっといいピッチャーになりたい”と学び続けていました。」
どんなレベルに達していても学ぶことは必ずあると説くランディ。
ピッチャーとしての最高の栄誉であるサイ・ヤング賞を5回受賞。※最多受賞の7回を誇るロジャー・クレメンスに次いで歴代二位。
2004年5月8日対アトランタ・ブレーブス戦、40歳での完全試合達成(メジャー最年長記録)などは常に上を目指して学び続けた結果勝ち取ったものでした。
スポンサーリンクレッスン3日目
レッスン開始1時間前に子どもたちは集合。
小平リトルシニア所属の中学3年生 武藤大悟くんは2日目のレッスンで「ちょっとダラダラしていた」という反省の弁を口にします。
自分から立候補して今日のキャプテンを務める龍音くん。
所属チームでの控え投手という立場から脱却したいというモチベーションでレッスンに参加している龍音くんですが、ピッチャーを志したきっかけは「ピッチャーが野球の世界での中心で主役」だからだそう。
チーム内では4番手、5番手ピッチャーでまだまだ主役の道は険しそうです。
チームに必要とされ、信頼されるピッチャーが今の目標。毎日自宅の鏡を使って自主練を続けているそう。
夢はお父さんの母国、アメリカのメジャーの舞台です。
3日目のレッスンはマウンドからスタート。
実はランディは子どもたちとの初対面の日に、
「最後の日に試合をして全員に投げてもらう。いいピッチングが出来るようにこれから練習していこう。」と宣言していたんですね。
マウンドでは実践を意識してバッター相手に35球を投げます。
打たれても気にしないでピッチングに集中という指導。
龍音くんがトライしますが、なかなかストライクが取れません。カーブでカウントを稼ぎにかかりますが、上手くいかず。
ランディ「龍音。まずはストレートをしっかり投げよう。そうすれば投球のリズムが出来るんだ。変化球はその後でいいよ。いいリズムが出来たらストライクが決まるから。」「もう一球ストレート。低めに。速い球で。さあいけ。」「ゴロを打たせたんだから大丈夫。しっかりリズムは作れたからあとは変化球をミックスすればいいよ。」
続いては初日に褒められた太陽くん。
カーブを多投して痛打を浴びる太陽くんに「ストレートでしっかりストライクを取ろう。そうすれば変化球も生きてくるから。」とアドバイス。
「外に真っすぐを投げてみて。」
イイ感じのストレートを確認した後は、「次はカーブ。」先ほど打たれたカーブを要求するランディ。すると見事に空振りを奪います。
ランディ「太陽。今のが投球の組み立てだよ。最初に真っすぐを外角に投げてバッターの意識を外に向かせる。次にカーブを投げると甘い球が外に来たように見えるけれど中にグッと入ってくるんだ。」
最後はやっぱりランニング。
ランディ「キャプテン龍音!何往復走る?」
龍音「今日はみんな頑張ったので2往復でいいと思います。」と英語で答える龍音くん。
ランディ「ものすごく出来が良かったということだね?」
そう思いますという返答に、
ランディ「最高の選手と普通の選手のどっちになりたいんだ?」
当然、最高の選手と答える選手たち。
ハイタッチを求めてから、
ランディ「メジャーリーグでいい選手になるためには何往復すればいいかな?ダルビッシュや前田のような選手が2往復しかしないか?さあキャプテンの龍音、何往復走る?」
龍音「8往復。」
ランディ「気に入ったよ。キャプテンが言ったんだから今日は8往復だ。それはいい数字だね。2は物足らないよ。」
8往復だと2.8kmですね。
ランディ「『しっかり投げられたので2往復』だって!?はっはっは。」
「ナメた事言いやがって。」と言いたげなランディw
ゆったりジョギングペースの選手たちに「日が暮れるぞ!もっとペースを上げろ!」と発破をかけます。
前編はここまで。
8月23日22:00からNHK Eテレ放送予定の後編では、ピッチャーとしての心構えを説くランディ。
そしてレッスン最終日には実戦として強豪チーム相手に試合ですね。
どんな展開になるのでしょうか?
NHK「奇跡のレッスン 野球 ピッチャー編」に関する全記事はこちらのリンクから。