フアン・マルティン・デルポトロがATPファイナルズ欠場を発表。錦織圭の出場は?これまで積み上げたポイントを振り返る
上海マスターズのボルナ・チョリッチ戦で追ってしまった右ひざ膝蓋骨の骨折の影響でフアン・マルティン・デルポトロが2018年シーズン最終戦のNitto ATPファイナルズを欠場。怪我の回復状況については良好としながらも早まった復帰によってリスクを負いたくないということで大事を取って欠場と言う決断になったようですね。
この影響で一番影響を受けると言っても過言でもないのが日本の錦織圭。
というわけでこれまで積み上げてきたポイントについても振り返っておきます。
スポンサーリンクデルポトロの欠場
Tennis Now – Del Potro Pulls out of ATP Finals Due to Fractured Patella
英語ページですがフアン・マルティン・デルポトロのATPファイナルズ欠場について伝えているニュースですね。
欠場の原因となった膝蓋骨の骨折についてですが、
日本時間の10月11日に行われたロレックス上海マスターズで対戦相手のボルナ・チョリッチの放ったドロップショットに追いつこうとベースライン際からダッシュしようとした際に足を滑らせてフアン・マルティン・デルポトロが転倒。
その直後に膝の痛みを訴えてテーピングを施して試合再開になりますが、しばらくプレイした後にリターンに反応出来なかった時点でプレイ続行は不可能と判断。試合は途中棄権となりました。
その際の動画はコチラ。怪我を負う瞬間の映像も収められていますね。
ATPファイナルズ出場権
まず基本的な情報としてATPファイナルズの出場条件について。
年間の獲得ポイントから上位8名にATPファイナルズの出場権が与えられるのが慣例。※出場を逃した9位~20位の選手の中にグランドスラム優勝者がいる場合は8位の選手に替わって出場権が与えられるというルールも実は存在しますが最近の適用は無いのでここでは置いておきます。
ではどうやって獲得ポイントが決まるのか?という事についてですが、男子テニスツアーのATPツアー(チャレンジャー大会やフューチャーズ大会などの下位大会含む)には各大会の大会規模に合わせて優勝すれば何ポイント、準優勝であれば何ポイントと1回戦から細かく規定されているんですね。
これらを1年間通して合計していきポイントを積み上げていきます。
しかし出場したすべての大会が計算の対象になるわけではありません。ポイントは基本的に18の大会から計算されるんですね。
その内訳は、
- 4大会 グランドスラム大会
- 8大会 ATPマスターズ1000大会
- 6大会 最も成績の良かった上記以外の6大会
特にビッグトーナメントに強く、1年間コンスタントに成績を残した選手でないと出場できないのがATPファイナルズなんですね。
スポンサーリンク錦織圭のポイント獲得状況
直近の大会であるオーストリアのウィーンで開催されたエルステ・バンク・オープンで準優勝の成績を残してポイントを300ポイント積み上げた錦織圭はランキングを争うジョン・イスナーを抜いて9位に浮上。
これまでの獲得ポイントは、
グランドスラム大会
- USオープン 準決勝進出 720ポイント
- ウィンブルドン 準々決勝進出 360ポイント
- 全仏 4回戦敗退 180ポイント
- 全豪 0ポイント
マスターズ1000大会
- モンテカルロ 準優勝 600ポイント
- 上海 準々決勝進出 180ポイント
- ローマ 準々決勝進出 180ポイント
- シンシナティ 2回戦敗退 45ポイント
- マイアミ 3回戦敗退 45ポイント
- カナダ 1回戦敗退 10ポイント
- マドリード 1回戦敗退 10ポイント
- インディアン・ウェルズ 0ポイント
- パリ 準々決勝進出 180ポイント
※モンテカルロはATP500大会として計算されるのでこんな表示になっています。ややこしいですけどね。
500大会
- ウィーン 準優勝 300ポイント
- 東京 準優勝 300ポイント
- ワシントン 準々決勝進出 90ポイント
その他
- ダラス・チャレンジャー大会 優勝 100ポイント
- メス 準決勝進出 90ポイント
合計 3390ポイント
錦織圭の出場権の行方
ATPファイナルズ出場が確定する最後の大会であるロレックス・パリ・マスターズは既に開幕。
この大会で出場権を争うジョン・イスナーは最低でも準々決勝に進出しないと錦織圭をポイントで上回れないので両者の大会成績に注目が集まりますね。
そして錦織圭はロレックス・パリ・マスターズ準々決勝の舞台でロジャー・フェデラー戦に敗退。試合結果は残念でしたが、これで180ポイント獲得となりました。これで総獲得ポイントは3390ポイント。
対するジョン・イスナーがベスト16の段階で敗退に終わったため獲得ポイントは90ポイントに留まり総獲得ポイントは3155ポイント。結果的にウィーン大会での準優勝300ポイントが錦織圭の最終戦出場のカギになったわけですね。
その後ATPファイナルズの公式アナウンスでフアン・マルティン・デルポトロの大会欠場が正式発表されており、同時に錦織圭の出場が確定しています。
→フアン・マルティン・デル・ポトロに続いて出場権が確定していたラファエル・ナダルも怪我による欠場を発表したためにジョン・イスナーが繰り上がりでATPファイナルズ出場を決めています。
コチラがATPファイナルズ公式HPのページ(英語ページが開きます)
Nitto ATP Finals – NISHIKORI REPLACES DEL POTRO AT 2018 NITTO ATP FINALS
これで錦織圭はATPツアーの下部大会であるチャレンジャー大会(ダラス大会)で優勝しつつ、ATPツアーの最終戦であるATPファイナルズ出場を確定させるという何とも言えない偉業を達成。これは1994年から数えて史上3人目の快挙で、2005年シーズンのイワン・リュビチッチ(チャレンジャー大会のザグレブ大会優勝)、2009年シーズンのロビン・ソダーリング(チャレンジャー大会のサンライズ大会優勝)以来の記録となりました。
ATPツアーレベルの優勝タイトルがゼロのままATPファイナルズ出場確定って?と一部ではちょっと揶揄される感じの錦織圭ですが、手首の不調から全豪オープンをスキップしてチャレンジャー大会で調整するというシーズンスタートだった事を考えると見事な復調と言えますね。